アジト攻略三十三
あれから五分くらいたったが二人は向かい合ったままその場から一度も動いていなかった。
創(隙がない。) 篠(隙がない。)
二人は同じことを同時に思った。
(木刀のあの構えからすると東の方出身なのはわかるがこんな構え一度も見たことがないぞ。どこの流派の者なんだ?)
創は篠山の構えを見て思った。
創は今までに色々な剣術の流派を見てきた。
そのため創は剣の構え方だけでどこの流派の者かだいたいわかる。
だが篠山の構えはあの創でも今まで見たことないほど珍しいものだ。
一方篠山は創の構えを見て驚いていた。
(まさか八武神流の使い手が本当に存在するとは。これは拙者の腕試しに持って来いな相手だな。)
篠山は史上最強と名高い八武神流の使い手に初めて会ってとても興奮していた。
八武神流それは最強と言われていた八人の武神が長い年月をかけて生み出した最強の武術である。
その習得難易度はとても高くあの剣聖のヴァレンタイン家のものでも習得できないほどである。
そのため八武神流の使い手は絶滅したと言われていた。
(まだ手の内が知られておらぬ拙者から攻めるのが定石であるな。)
そう思って篠山は仕掛けた。
(なんだあの歩法は!どう攻めてくるかわからない!)
篠山の歩法は特殊でまるでどこに向かって歩いているのかわからない。
そのため創がどう攻めてくるかわからず戸惑っているといきなり創の目の前に篠山が現れた。
「八天一刀流 其の一 一閃。」
篠山がそう言うと木刀を高速で薙ぎ払った。
創はその攻撃を後ろに下がって避けたが
(なに!?衝撃波だと!?)
創はその衝撃波をなんとかジャンプすることにより避けた。
そしてその衝撃波が壁に当たったがあまりの切れ味に壁が綺麗に一直線の穴が空いていた。
(なんて凄ましい威力だ。あんなのに当たったら体が真っ二つになるぞ。)
創はあまりの威力に驚き一旦体勢を整えるために篠山から距離を取ろうとするが
「逃さぬぞ。」
そう言って篠山はあっという間に創に近づき、創を自分の間合いに入れた。
「八天一刀流 其のニ 五月雨。」
そう言って篠山は目にもとまらぬ速さで十五の斬撃を繰り出した。
そして五月雨の恐ろしいところは斬撃一つ一つに衝撃波が出ており避けるのが困難な技になっているところだ。
創はその攻撃を受け流したり避けたりしてなんとか凌げた。
そして一歩下がったとき
「くっ!」
創は後ろから攻撃を食らった。
そして後ろを振り返ってみるとさっき出た衝撃波が壁に反射してこちらに飛んできたのだ。
創はなんとかして残りの反射した衝撃波を全て避けた。
そしてさっき後ろから受けた攻撃の傷をみると軽いかすり傷程度で済んでいた。
創がかすり傷程度で済んだのは壁に反射するために衝撃波の威力をさっきの一閃より抑えられていたためである。
(壁に反射する衝撃波も出せるとはな。これは相当厄介だぞ。)
創はあまりの猛攻に息が上がっていた。
そして篠山が創が息が上がっているのを知ると
篠「ゲームはまだこれからだぞ。」
そう言って篠山は木刀を構えた。




