増援部隊殲滅作戦十二
虚飾は大太刀を砂浜に引きずりながら、仮面の三人衆に近づいていった。
その動きはすごく遅く、一見隙だらけに見えるが、全くの隙がなかった。
仮面の三人衆は虚飾の大太刀の間合いに入る前に超高速で虚飾に近づき、三方向から飛びかかった。
だが、仮面の三人衆が砂浜を蹴り、虚飾に飛びかかろうとした瞬間、虚飾は大太刀を仮面の三人衆よりも速いスピードで薙ぎ払った。
仮面の三人衆はギリギリのところで反応して、虚飾の薙ぎ払い攻撃を防いだ。
しかし、虚飾の薙ぎ払い攻撃の風圧が凄まじく、仮面の三人衆は吹き飛ばされた。
そして、虚飾は仮面の三人衆のうち、一番身長が低い者に向かって、擬似ブラックホールを左手から放った。
一番身長が低い仮面の者は擬似ブラックホールと接触しかけた時、虚飾の目の前から消えた。
そして、一番身長が低い仮面の者はいつの間にか虚飾の後ろに回っていた。
一番小さい仮面の者は大きく剣を振り上げ、虚飾に向けて上段から一気に斬り下げた。
虚飾は前を向いたまま、大太刀を後ろに大きく斬り上げ、一番小さい仮面の者の斬り下げ攻撃を防いだ。
そして、虚飾は更に大太刀に力を加え、一番小さい仮面の者を上空へと吹き飛ばした。
一番小さい仮面の者はなす術なく上空へと吹き飛ばされた。
虚飾は上空へと吹き飛ばされた仮面の者に向けて擬似ブラックホールを放った。
一番小さい仮面の者は宙に舞っているため、身動きが取れず、そのまま擬似ブラックホールに吸い込まれ絶命してしまった。
虚「まずは一人目だ。次は誰だ?」
虚飾が大太刀を肩に乗せながら、顔を傾けながら残りの仮面の者たちに向けて言った。
二人の仮面の者たちは虚飾のセリフを聞いて、さっきまでよりも明らかに警戒態勢を強めた。
そして、二人の仮面の者たちが警戒していると、虚飾は大太刀を構えた。
そうすると、虚飾の大太刀に黒いものが纏った。
大太刀が黒いものを纏った瞬間、大太刀に超強力な吸引力が発生した。
虚飾は大太刀に擬似ブラックホールを付与したのだった。
そして、仮面の二人組が構えていると、歩いて少しずつ迫って来ていた虚飾がいきなり目の前から消えた。
二人の仮面が、虚飾がいきなり目の前から消えたことに反応する前に、右側に立っていた一番身長の高い仮面の者の後ろに現れ、虚飾は大太刀を上段から斬り下ろした。
右側に立っていた一番長身の仮面の者は虚飾が目の前から消えたことも知らずに、虚飾に大太刀で一刀両断され、その体は付与された擬似ブラックホールによって吸い込まれて跡形もなく死んでしまった。
最後に残った仮面の者は虚飾が長身の仮面の者を殺したことに反応できていなかったため、自分の隣にさっきまで立っていたはずの長身の仮面の者がいきなり消え、代わりに虚飾が立っていたように感じたのだった。
最後に残った仮面の者はいきなり隣に虚飾が現れたことに驚き、後ろに下がって虚飾から距離を取った。
そして、最後の仮面の者は右手に魔力を集め、術式を構築して、右手からフレイムバーストを放った。
虚飾はフレイムバーストを大太刀で両断し、フレイムバーストは大太刀に付与された擬似ブラックホールに飲み込まれ、そのまま消滅してしまった。
最後の仮面の者は再び右手に魔力を集め、術式を構築し、今度はライトニングストライクを虚飾に向けて放った。
虚飾は左手に擬似ブラックホールを生成し、最後の仮面の者が放ったライトニングストライクに向けて放った。
そうすると、虚飾が放った擬似ブラックホールがライトニングストライクを吸収し、擬似ブラックホールはライトニングストライクを吸収すると消滅してしまった。
そして、最後の仮面の者が再び何かの魔術を放とうとした時、虚飾は最後の仮面の者の背後にいつの間にか回っていた。
最後の仮面の者はいつの間にか背後に回っていた虚飾から離れようと前に出ようとするが、遅かった。
最後の仮面の者が動き出す前に虚飾は目にも留まらぬ速さで大太刀を薙ぎ払い、最後の仮面の者を上半身と下半身に綺麗に両断した。
そして、両断された最後の仮面の者は大太刀に付与された擬似ブラックホールに吸い込まれ、消滅してしまったのだった。
虚飾は全ての増援部隊を全滅したことを確認すると、大太刀に付与していた擬似ブラックホールを解除した。
虚「これで、掃除は完了だな。次の指示を出すためにも、他の場所を担当した奴らに連絡を入れて、進捗を聞かないとな。」
虚飾はそう言うと、ポケットの中から通信機器を取り出した。
そして、他の魔法陣を担当した王直属部隊のメンバーに連絡を入れたのだった。




