トラブルメーカー創
そうして創たちはリヴァウエア火山を登っていた。
ノ「ねぇ〜〜創〜〜私疲れたよ〜〜ちょっと休憩しようよぉ〜〜〜。」
ノエルは息を荒げながら創に頼んだ。
創「いや、休憩って、お前、さっきとったばかりだろ。ノエルはどんだけ体力がないんだよ。」
ノ「魔術師は別に体力いらないからだよ〜〜はぁ、はぁ、創〜〜歩くの早いって〜〜〜。」
創「魔術師には体力が必要だろ。俺、ノエルにいつも言ってるよな?魔術師も体力は必要だから鍛えておけって。俺の言うことを聞かないからこうなるんだ。ほら、さっさと行くぞ。」
ノ「ううぅぅ、そんなぁ〜〜〜。」
レーナ「ほら、頑張って下さい、ノエル。貴女ならきっと大丈夫です。」
ノ「レーナね、私は貴女と違って後衛職なんだよ.......。」
リ「ノエルは魔術が得意なんだから身体強化の魔術をかければ良いんじゃないの?」
ノ「もうかけてるよ.......はぁ、はぁ.......後どれくらいで山頂に着くの〜〜〜。」
ベ「このペースならば、後二時間ほどですね。距離的には今がちょうど中間ですね。」
ノ「そんなぁ〜〜〜〜まだ後半分もあるの.........。」
そうして創たちが進んでいると、崖になっているエリアに辿り着いた。
このエリアの道は今までの道とは違い、道が狭く、角度が急になっている。
毎年、このエリアで死亡事故が発生しており、リヴァウエア火山の難所と言われている。
創「ここは崖になってて道が狭くて危ないから慎重に進んでくれ。特にノエルは慎重に進んでくれ。」
ノ「どうして.......私が名指しされるのぉ〜〜〜。」
創「どうしてって、お前が一番危なっかしいからに決まってるだろ。ほんとに落ちないように気をつけてくれよ?」
ノ「なら少し休憩を取らせてよ...........。」
創「休憩はこの崖エリアを抜けられたら取るって言ってるだろ?そこまで頑張れないのか?」
ノ「分かった、頑張るよ...........。」
ノエルはとても不満げだが、渋々創の言うことを聞くことにした。
創「よし、それじゃあ先に進むぞ。」
そうして創たちは崖エリアを進み出したのだった。
◾️
崖エリアを進み出して三十分が経過した。
創たちは崖エリアの中でも一番の難所である、人一人がギリギリ通れるほどの幅しかない道を進んでいた。
毎年、リヴァウエア火山の登山客で死者が出るのは、このエリアのせいで、毎年出る死者のほとんどがこのエリアで足を踏み外して転落した者たちだ。
創とアイナは二人で仲良く縦に並んでスキップをして進んでいるのに対して、他の如月ファミリーズは震えながら慎重に進んでいた。
創「いや〜!この狭い道はスリルがあって進んでて楽しいなぁ〜〜!!」
アイ「ほんとだね!この落ちそうで落ちないハラハラ感が最高〜〜!!」
陽「どうして、あの二人はスキップして進めるんだろう.......あんなの怖くてできないよ...........。」
レーナ「陽奈、あの二人が異常なだけで、陽奈の反応が世間一般的には普通の反応ですからあんまり気にすることはありません。」
アン「あの二人はあんなことしてて大丈夫なの?バランスを崩して落ちたりとかはしないの?」
レーナ「それなら大丈夫です。あの二人はとても運動神経が良いですからね。まず、落ちたとしても、何かしらの方法で戻ってくるので安心して下さい。」
アン「あの二人なら崖の下からでも這いずり上がって来そうだね。」
レーナ「ノエルもあそこまでは言いませんが、もう少し高所への耐性をつけて欲しいですね。」
レーナがそう言って横を見ると、そこにはレーナにべったりくっついてびくびく小刻みに震えながらゆっくり歩いているノエルの姿があった。
ノ「ううぅぅぅ..........怖いよぉ..........。」
レーナ「頑張ってください。あと少しで崖エリアからは抜けられますから。もう少しの辛抱です。」
ノ「もう嫌..........お家に帰りたい...........。」
レーナ「ほら、いじけていないで先に進みますよ。」
ノエルはあまりの恐怖に引き返そうとするが、レーナが先に進むので、一人で歩けないノエルはレーナについて行くしかなかった。
リ「ほんと、ノエルは高い場所に来ると情けないわね。もう少し早く進んでくれないかな?」
ベ「姉さん、私に震えながら抱きついて言っても説得力がありませんよ..........。」
リ「う、うるさい!!私はべ、別に怖いわけじゃないんだからね!!ただ、私は鈍臭いから足を踏み外すかもしれないから掴まってるだけなの!!!」
ベ「そう言うことにしておきますね..........はぁ、本当にめんどくさい姉ですね...........。」
そしてレーナたちが進んでいると、先にスキップしながら進んでいた創とアイナが立ち止まっていた。
レーナ「どうしたんですか?どうして、そんなところで立ち止まっているんですか?」
創「いや〜!僕、またやらかしちゃいました〜〜!!」
そう言う創の足元を見てみると、何かの魔法陣を踏んでおり、その踏んだ魔法陣が創が踏んだことにより起動していた。
ファ『何やってるんの(ですか)!!!創!!!!!』
如月ファミリーズの叫び声と共に、創たちは魔法陣の光に包まれ、どこかに消えてしまった。




