獣狩り六
レーナたちはあれから襲ってくる怪物たちをどんどん処理していき、ついに最後の一体を仕留めた。
レーナ「これで西エリア周辺の怪物は一掃できましたね。」
アト「思ったより弱かったね。」
レーナ「あくまで予想ですがこの怪物は繁殖と再生能力に特化した型なんでしょう。それに西エリアの中に入ったらここよりもたくさんの怪物がいるでしょう。」
アト「いくら最強の一でも大量の敵の前ではあっけなく負ける時もあるもんね。やっぱり数こそ正義だね。」
レーナ「それ貴女が言うセリフですか。貴女の主は一人で大軍を壊滅させているじゃないですか。」
アト「主様は例外中の例外だよ。後、王直属部隊も例外だからあの神たちを基準したらダメだよ?」
レーナ「確かにあの神たちは別格ですね。それで気になったのですがアトランシアは創さんの持つ神聖武器の中でどれくらいの強さなのですか?」
アト「私は中堅くらいかな。」
レーナ「アトランシアで中堅なんですか!?てっきり私は上位の方だと思っていました。それで上位層はどんな神聖武器があるのですか?」
アト「レーナが知っているのは草薙先輩くらいかな。あの刀ああ見えて主様の持っている神聖武器の中でもトップクラスで強いんだよ?」
レーナ「草薙ってそんなに強かったのですね。普段の様子からはそんな風には見えませんでした。」
アト「まあ、草薙先輩クラスの神聖武器は基本、力のほとんどを封印してるからそんな風に感じなくて当たり前だよ。普段の草薙先輩は絶対に刃こぼれしない刀だからね。」
レーナ「そうなんですね。それで創さんはどうして戦闘の時に草薙しか使ってないんですか?何か理由でもあるんですか?」
アト「単純に私たちを使うまでもない相手と戦ってるからじゃない?主様は強い敵にはバリバリ私とかも使うから最近の敵が弱かっただけだと思うよ。」
レーナ「そうだったのですね。創さんが苦戦するような敵が出てないだけなんですね。創さんが苦戦するような敵が出てこられても困りますので一生出てこないで欲しいです。」
アト「確かに主様が苦戦するような敵はだいたい世界壊せるレベルだからそんな敵が出てきたら大変なことになるね。主様が草薙先輩しか使ってない時は平和だってことなんじゃない?」
レーナ「そうですね。それではもうそろそろ西エリアに向かいましょう。創さんが待ってるはずです。」
アト「そうだね、それで西エリアに入る前に主様にどの辺にいるか聞いたら?」
レーナ「確かに創さんの居場所がわからなかったら時間がもったいないですね。それでは聞いてから行きましょう。」
そうしてレーナは潜在能力『以心伝心』を使い、創に話しかけたが一向に返事が返ってこなかった。
レーナ「おかしいですね..........一切繋がりません。」
アト「多分だけど結界が張られてると思うよ。」
レーナ「その可能性が高いですね...........。」
アト「ねえねえ、レーナは気付いてる?」
レーナ「何をですか?」
アト「今、私たちは西エリアの入り口が目の前にあるのに、一切怪物とか誰かの悲鳴が聞こえないのおかしいと思わない?」
レーナはアトランシアに言われて気付いた。
レーナ「確かにおかしいですね..........。」
アト「それに西エリアの入り口の先を見てみて。一切建物が壊されてないょ。これは予想だけど認識阻害と隠蔽と通信妨害の術式が刻まれてる結界だと思う。この結界の中は相当危険な状態になっている可能性が高いから気をつけて。」
レーナ「分かりました。それでは西エリアに入ります。」
アト「ねえ、待って。今気づいたけどレーナ物凄く魔力を消費してない?」
レーナ「確かに魔力をほとんど消費してしまいましたね。」
アト「そんな状態で大丈夫なの?」
レーナ「はい、アイナを助けるのに必要な分は残していますから。」
レーナはそう言って西エリアに繋がる入り口をこえたのだった。