第20話 アジト攻略十三
創は部屋の中に入ると、そこらじゅうに転がっている何者かによって食い殺された死体たちを血の一滴も残さず全て暴食せし影の捕食者で捕食した。
創は死体を暴食せし影の捕食者で捕食し終わると、周りを確認した。
創は近くに並んでいる本棚や入り口から少し離れた場所にあるマジックミラーで中が見えないガラスの円筒が並んでいることから、この階層は実験を行なっていたのではなく、実験の資料や研究成果を保管しておく場所であることが分かった。
そして、創は近くにあった棚などを実験の資料が残っていないか確認して回ったが、一切、有用な実験の資料は残っていなかった。
創は実験の資料を諦めて、少し先に並んでいるガラスの円筒に近づいて行った。
創はガラスの円筒に近づいてみると、大量に並んでいるガラスの円筒の中にいくつか内側から破られたような壊れたガラスの円筒が見つかった。
そして、壊れたガラスの円筒からは何かの薬液が溢れ出していた。
創は壊れたガラスの円筒から溢れ出している薬液を調べるために、ガラスの円筒に近づこうとした瞬間、何かが六階に繋がる階段から勢い良く降りてきて、創に向かって飛びついてきた。
創は飛びついてきた何かに向けて、召喚した透明な刀で勢い良く薙ぎ払うと、その飛びついてきた何かは創の刀を間一髪のところで回避して、創から少し離れた場所に着地した。
創は自分に飛び付いてきた者の正体を確認するために振り返った。
振り返って襲って、自分にきた犯人を見た創の絶句した。
それは、自分に襲いかかってきたのは頭に腕が蜘蛛の足のようについた見た目の奇形の化け物であったからだ。
創は奇形な化け物に怯んでいると、階段から更に違う奇形の化け物たちが降りてきた。
その奇形な化け物たちは、頭がムカデの体のように繋げられ、その頭一つ一つに対に足が付いている化け物や、シャム双子のように体と体が合体している化け物や、千手観音のように手が大量に生えている化け物など、その姿はまるで、命を冒涜しているかのような姿をしていた。
そして、その奇形の化け物たちは目から涙を流し、「コロシテ..........コロシテ...........」と苦悶の表情を浮かべながら言っていた。
創はそんな奇形の化け物たちを見て、心が酷く傷んだ。
創はこの奇形の化け物たちの過去を考えると、あんまりの悲惨さに我慢ができず、目から涙が溢れ出して来た。
創「どうして..........どうして、こんな酷いことが出来るんだ..........彼らにはひとの心は無いのか...........。」
創は奇形の化け物たちのことを思って嘆いていると、奇形の化け物たちは創を取り囲むように並んだ。
創そんな奇形の化け物たちを見て立ち上がった。
創「戦うしかないんだな...........。」
創は目から溢れ出す涙をなんとかせき止め、立ち上がった。
そして、創が立ち上がった瞬間、奇形の化け物たちは一斉に創に向かって飛びかかった。
創は飛びかかってきた奇形の化け物たちに向けて目にも留まらぬ速さで透明な刀を一回転しながら薙ぎ払った。
ほとんどの奇形の化け物たちは創の薙ぎ払い攻撃をギリギリのところで避けたが、ひとの上半身の下に違うひとの上半身が奇形の化け物はその動きにくい体のせいで逃げ遅れ、創の薙ぎ払い攻撃を食らってしまった。
しかし、その傷は浅く、とどめを刺すのには至らなかった。
そのため、創はひとの上半身の下に違うひとの上半身が奇形の化け物に急接近し、とどめを刺すために刀を振り上げ、勢い良く振り下げた。
その時、
奇『イヤダ..........シニタクナイ...........。』
と奇形の化け物が涙を流しながら言った。
創は奇形の化け物の言葉で一瞬、動きが止まっているうちに、他の奇形の化け物が創に迫って勢い良く突進をした。
創は奇形の化け物の突進により、吹き飛ばされ、ひとの上半身の下に違うひとの上半身が奇形の化け物のとどめを刺すことができなかった。
創は奇形の化け物の突進によって吹き飛ばされると、なんとか受け身を取って着地した。
創は受け身を取った後、すぐに立ち上がると、ムカデのような奇形の化け物が創を絞め殺すために、創の周りを取り囲むように回り出した。
そして、ムカデのような奇形の化け物が勢い良く創の体に巻きつこうとした瞬間、創はムカデのような奇形の化け物の体を上下に半分に斬り、ムカデのような奇形の化け物の檻から抜け出した。
ムカデのような奇形の化け物は半分に両断されたことにより、刀の切り口から大量の血が溢れ出し、
ム『イタイ!!イタイ!!イタイ!!イタイ!!イタイ!!』
ムカデのような奇形の化け物はムカデの体のようにくっつけられている顔の全てから涙を流し、痛いと叫びながら、地面を暴れ回った。
奇『『ヒトゴロシー!!ヒトゴロシー!!ヒトゴロシー!!』』
他の奇形の化け物たちは創に向かってこう言いながら、攻撃を仕掛けてきた。
創「お、俺のせいじゃない!!これはお前らのためで...........。」
創は奇形の化け物たちに弁明しようとするが、当然、奇形の化け物たちには体の元になった者たちの意識など残っているはずもないので、
奇『『ヒトゴロシー!!ヒトゴロシー!!ヒトゴロシー!!』』
と、言い続けたのだった。
そして、創が弁明していると、ガリガリの体でお腹だけが膨れた奇形の化け物が勢い良く創に突進してきた。
創は奇形の化け物たちの体の元になった者たちの魂を解放するためにも、襲ってくる奇形の化け物に向けて刀を振った。
そして、お腹が膨れた奇形の化け物はその体格ゆえに創の斬り下げ攻撃を回避することができずに、創の斬撃を大きなお腹に喰らってしまった。
奇形の化け物の大きなお腹は創に切り裂かれたことにより、大量の体液が溢れ出した後、お腹の中から小さな人型の何かが地面に落ちた。
それを見た創はあまりの衝撃で、持っていた透明な刀を手から離して、地面に膝をついて待った。
奇形の化け物の大きなお腹から落ちてきたものは、まだ体がしっかり形成されていない赤ん坊であったのだ。
創があまりに衝撃的な事実に茫然と奇形な化け物のお腹から落ちた赤ん坊を眺めていると、大きなお腹の奇形の化け物は切り開かれたお腹を必死に押さえながら、赤ん坊の方へと近づいていった。
そして、奇形の化け物は自分の赤ん坊の死体を大事にそうに抱え込むと、創の方を睨みつけ、
奇「ヨクモ.......ワタシノアカチヤンヲ..........オマエハゼッタイニユルサナイ...........!!』
目から大粒の涙を流しながら、創に憎しみの言葉を放った。
そして、大きなお腹の奇形の化け物は創にそう言い放った後、すぐに絶命してしまった。
しかし、その奇形の化け物は絶命しても尚、自分の赤ん坊を大事そうに抱えていたのだった。
創「ああ.......ああああああ!!!..........ぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」
創は精神的にやられてしまい、発狂してしまった。
だが、創の心はまだ完全に壊れてはいなかった。
しかし、創の精神は限界を迎えており、目からは大量の涙が溢れ出し、頭を抱えながらひざまついてしまった。
だが、創がいくら精神的にやられてしまって、行動不能になっていたとしても、奇形の化け物立ちには関係がないので、犬の体にひとの顔がついた奇形の化け物は創に向かって、突進を放った。
創は精神的にやられてしまい、動けなくなっていたため、奇形の化け物の突進をもろに喰らってしまい、創は吹き飛んで、ガラスの円筒にぶつかってしまった。
創がガラスの円筒にぶつかると、ガラスの円筒が割れてしまい、中から何かが落ちてきた。
創は中から落ちてきたものを何とかキャッチして見てみると、それは両手両足が切り落とされ、いまにも力尽きそうな少女であった。
創「おい!大丈夫か!?!?生きているなら返事をしてくれっ!!!」
創は少女はもう目を覚す事はないと分かっていても、その少女が目覚めるように話しかけ続けた。
そうすると、奇跡が起きた。
何と、その少女が目を覚ましたのだ。
そうして、創が少女の目が覚めたことに喜んでいると、少女が創の方を見て、ある言葉を振り絞って言った。
少「お願い.......私たちを殺して..........。」
少女は目から涙をこぼしながら創に懇願した。
創は最初、困惑していたが、すぐにその少女の目から溢れ出す涙を優しく手で拭き取った後、こう言った。
創「分かった。君の願いを聞こう。」
創はその少女の言葉で、やっと決心がついた。
創の表情は先ほどまでとは違い、覚悟を決めた男の顔になっていた。
その表情を見た少女は少し悲しそうに笑うと、スッと、目を閉じた。
創は目を閉じた少女を確認してみると、もう息を引き取っていた。
創は創造の権能で柔らかい毛布を作ると、その少女を上に毛布をかけてあげた。
そして、創は立ち上がり、左手を前にかざすと、地面に落ちていた透明な刀が創の手に戻ってきた。
創は透明な刀が自分の手に戻ってきたことを確認すると、創は刀を構えた。
「八武神流 五式....」
創がそういった途端、奇形の化け物たちは一斉に創に襲いかかった。
それは本能的に命の危機を感じたからである。
だが攻撃を仕掛けるのにはあまりにも遅すぎた。
「百花繚乱」
創がそういった途端奇形の化け物たちは切り刻まれた。
八武神流 五式 百花繚乱
この技は一度の振りで百回の斬撃を繰り出す。
そして、五階にいた奇形の化け物たちは全滅したのだった。
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