獣狩り二
創は走りながら周りを見渡した。
建物は白き悪魔のせいで崩壊しており、その中を見てみると下級神が瓦礫で押し潰されて死んでいるものや、瓦礫が下半身の上に落ちてきて動けずに助けを求めているものや、白き悪魔に壁に叩きつけられグチャクヂャの肉片に変わってしまったものがたくさんいた。
そして道には踏み潰されて死んだもの、下半身だけを喰われて生き残ってしまい、苦痛に悶え苦しむもの、白き悪魔で捕食されたものたちの体の一部と血がそれらじゅうに散らばっており、まさに地獄絵図だ。
そして助けを求める声を聞きつけて白き悪魔がやってきてそのまま食われたりしているものたちもたくさんいた。
創は権能で姿を消し、魔術で動作の時に起こる僅かな音も全て消し、殺意や敵意を完全になくすことによって気配を白き悪魔に感じ取られていなかった。
そして創は走りながら白き悪魔の攻撃によって負傷してしまったものたちをなぜか片っ端から殺していた。
時には殺す前に創の気配を感じ、助けを求めてくるものもいたが創はそんな神たちのことも躊躇なく殺していた。
アイナは創に気づいたものたちの表情が希望から絶望に変わった時の顔を見た時、今までは何か理由があるからと思い、創を正当化させ、泣き叫ぶ声や痛みに苦悶する声、死にたくないと叫ぶ声や、誰かが白き悪魔に食べられる音などを目と耳を塞ぎ、必死に堪えてきたがその光景を見てしまった瞬間、今まで溜めてきた怒りが爆発した。
アイ(どうして負傷している神たちのことをさっきから殺しているの!!!あの神たちはテロに巻き込まれた可哀想な一般の神たちでなにも悪いこともしてないんだよ!!)
創(アイナ、俺も彼らを殺すことなんてしたくない。だが彼らのために殺しているんだ。白き悪魔はとても回復速度と繁殖力が強いんだ。そのため、中級神以下の者たちは一回でも白き悪魔から攻撃をくらった瞬間、体の細胞が白き悪魔のものに書き換えられていき、やがてそのものも白き悪魔になるんだ。だから殺すしかないんだ)
アイ(そんなの.......そんなのおかしいよ..........)
アイナは創の話を聞き、絶望した。
いくら命が助かったとしても白き悪魔から攻撃をくらっていれば、もう助かる道がないことに。
彼らには救いがないことに..........
創 (アイナ..........)
創がアイナのことを心配しているとある二人の親子を見つけた。
そして創がその親子のうち、子どもの方を見た瞬間、もすごい勢いでその子どもに襲い掛かろうとしたが、
『グルルルル』
大量の白き悪魔たちがその親子を守るように集まってきた。
そして親子はそんなこともわかるはずもなく、親子のうち、母親はその子どもを抱きかかえて走っていってしまった。
創「これはまずいことになった。」
アイ「どうしたの創くん?」
創「あの親子のうち子どもを逃したら大変なことになる。このまま戦闘になるからしっかりつかまっていてくれ。」
アイ「うん、わかった。」
創がそう言うとアイナは創に力いっぱいにつかまった。
創「八武神流 五式 百花繚乱ーーー」
創が百花繚乱で目の前の白き悪魔たちを切り刻み、暴食せし影の捕食者でその肉片を捕食して復活を阻止しながらその親子を追っていったのだった。
あと少しで40万字突破しそうですね。
今日の体重:107.8kg