創の過去
そしてアイナが話し出そうとした時、創と草薙剣が帰ってきた。
アイ「くん、草薙おかえり。どこいってたの?」
創「ちょっと航路でトラブルがおきてな、それの対処に行ってた。」
アイ「そうだったんだ。お疲れ様。」
創「ありがとう。それでみんなで何話してたんだ?」
アイ「創くんと初めて会った時の話をしてたよ。懐かしいでしょ?」
創「その話詳しく教えてもらおうか?」
アイ「別にいいけどどうしてそんなに知りたがってるの?創くん、この話知ってるよね?」
創「なんでってアイナが話を脚色する癖があるからな。あることないこと話されたらこっちが困ったもんじゃないからな。」
アイ「もう、創くんはアイナのこと全然信じてくれないんだから。」
そう言ってアイナはさっき話したことを一言一句変えずに話した。
創「アイナが何も脚色してないとは驚いた。疑ってすまなかったな。」
アイ「これでアイナのことちょっとは信用してくれた?」
創「いや、全く。」
アイ「ちょっと酷くない?」
創「いや、全く。」
アイ「もういいや。言っても無駄だし。」
そう言ってアイナはそっぽ向いた。
創「アイナさん?」
創はアイナに話しかけるが無視された。
それから創は色々アイナをいじったり、話しかけたりしても全て無視された。
創「もう意地悪しないから許して。アイナのことほんとは信用してるから。だから無視するのやめて?」
アイ「約束だからね?ちゃんとアイナのこと信じてね?」
創「ああ、わかった。」
アイ「それじゃあ本題を話していくね!」
創「本題?本題ってなんだ?」
アイ「本題っていうのは創くんが他人のことを拒絶していた時代の話だよ。」
創「その話、俺の黒歴史で恥ずかしいからやめてもらうことはできません?」
アイ「創くんがアイナのこと虐めた罰だね。我慢してね。それとアイナは創くんと同居する前のことは知らないから創くんがちゃんと話してね。」
創「そんなぁ。」
そうやって創は自分の過去の話を話しだした。
創「まず何から話せばいいんだ?」
陽「陽奈の家に引き取られた時からでいいと思うよ。」
創「そうだな。その辺りから話すのが丁度いいか。それでひとつ聞きたいんだがどうしてそんなに目が赤いんだ陽奈?もしかしてさっきまでないてたのか?」
陽「うん.......ちょっとあってね...........。」
創「その話は深く聞かないでおこう。それじゃあ陽奈の家に引き取られた時の話からしようか。」
アン「その前にひとつ聞きたいんだけど創くんは陽奈の家に引き取られたんだよね。失礼を承知で聞くけど創くんの両親はなくなっているの?」
創「ああ、俺が幼い時に混沌に誘いし者たちによって殺された。」
アン「そうだったんだ........嫌なこと思い出させてごめんね...........。」
創「別に気にすんな。いつか話そうと思ってたし、ちょうどいい機会だったよ。それで続きを話していくぞ。俺が陽奈の家に引き取られたのって確か俺が小五の時だよな?」
陽「うん、あってるよ。」
創「それでどうして俺が陽奈の家に引き取られたかというと陽奈の父親が俺の父親の弟だったんだ。だから俺が陽奈の家に引き取られたって訳だ。」
アン「それじゃあ陽奈と創くんって最初は従兄弟だったの?」
創「うーん、従兄弟だけど血は繋がってないんだ。ちょっと複雑な事情があってだな。」
陽「陽奈の今のお父さんは義理のお父さんだからだよ。陽奈の血の繋がったお父さんは昔、事故で亡くなったんだ。それでお母さんが今のお父さんと再婚したんだよ。だから陽奈と創兄は血が繋がってないの。」
創「陽奈、その話しても大丈夫だったのか?」
陽「うん、大丈夫だよ。だってアンと陽奈は家族だしね。こういうことは早めに言っておく方がいいと思うの。」
創「陽奈がいいなら別に俺はいいんだが。」
陽「それでね、陽奈の家に創兄が来た時はすごくボロボロだったんだよ。」
創「それは仕方ないだろ。こっちにも色々事情があったんだ。」
陽「その事情ってなに?」
創「それは言えない。陽奈には関係ないことだ。」
陽「こんな風に創兄は陽奈の家に来る前のことは教えてくれないの。創兄も話したくないみたいだし、あんまり聞くのはやめてあげてね、アン?」
アン「うん、わかった。生きてたら知られたくないこともあるしね。仕方ないと私は思うよ。だから安心してね創くん?」
創「すまないなみんな。あまりこのことは話したくないんだ。だがいつか話す時が絶対に来るからその時まで待っていせてくれ。」
アイ「アイナは創くんが話してくれるまで気長に待ってるからそんなに焦らなくていいよ。」
アイナがそういうと他のみんなもそれに賛同した。
創「ありがとうみんな。みんなの優しさにもう少しばかり甘えさせてくれ。それで陽奈の家に引き取られた時のことから話すな。俺は陽奈の家に引き取られてから少しした時に一人暮らしを始めたんだ。それは他人に関わるのが嫌だったからだ。」
陽「創兄は陽奈の家に来てからずっと部屋に篭ってたんだよ。陽奈はその時にはもう創兄のこと好きになってたから仲良くなりたいからよく創兄の部屋に行ったんだけどずっと塩対応されてたの。」
創「あの時のことはほんとに悪かったと思ってる。それで俺は親父、今の父親にお願いして一人暮らしを始めたんだがある日、いきなり陽奈が荷物を持って来たんだ。それで一緒に暮らすと言ってきたから無理だって俺は言ったんだ。それでも陽奈は一緒に暮らすと言って聞かなかったから俺は“陽奈の好意には気付いている。だが俺はその気持ちに応えるつもりはない。”と言った。」
ノ「その話初耳なんだけど。それにしてもその好意に応えるつもりはないってよくそんな酷い言葉言ったね。」
創「その時の俺は陽奈に嫌われたかったんだ。その時の俺は嫌われてもいいから一人で居たかったんだ。けど陽奈は帰らなかったんだ。一緒に暮らすと言って。それで俺は根負けして陽奈と一緒に暮らすようになったんだ。そうして俺は一人暮らしをやめて陽奈との同棲生活が始まったんだ。」
創は懐かしむような顔をしてそう言った。
そして創は陽奈との同棲生活の思い出を話しだした。