アヴァロンの祭壇と結婚の儀式
創たちは少しでも早くここを抜けようと早歩きをしていた。
アン「ねえ、創くん?このドアひとつひとつが牢屋になっているの?」
創「ああ、そうだ。ここの牢屋は隠密性を高めるために牢屋とは思われないような作りになっているんだ。」
アン「それであとどれくらいでここを抜けることができるの?」
創「あと少しだ。だから頑張ってくれ。」
陽「あとちょっとで抜けられるの?陽奈もうちょっとだけ頑張るよ...........。」
陽奈は怖くて言うことを聞かない足を必死に動かして創について行った。
少し経ったとき、少し先にドアがあることを確認した。
創はそのドアまでたどり着くと空間の裂け目から鍵を取りそれを使ってドアを開けた。
そしてそのドアの中に入ると目の前に下へくだる階段があった。
創「ほんとはこの先も牢屋が続いているんだがこの鍵を使うとアヴァロンの祭壇にいく階段まで繋がるんだ。それでみんな大丈夫か?」
陽「うん..........なんとかね...........。」
アン「私も大丈夫だよ!」
ゼ「私も大丈夫だよ。」
アイ「...........。」
アイナは少し気分が悪そうだった。
創「アイナ大丈夫か?少し顔色が悪いぞ?気分でも悪いのか?」
アイ「大丈夫だよ!ちょっと疲れちゃっただけだよ!」
創「それならいいが、アイナは体が弱いんだから何かあったら絶対に言えよ?」
アイ「そんなに心配しなくてもアイナはちゃんと言うよ!」
そう言うアイナの顔を見るとさっきまでと違い顔色が良くなっているようだった。
創「それじゃあ階段を降りていくぞ。」
そう言って創たちは階段を降りて行った。
そうして階段を降り始めてから五分くらいで一番下まで着いた。
そして通路を道なりに進んでいくと大きな空間に出た。
創「ここが目的地のアヴァロンの祭壇だ。」
アヴァロンの祭壇の壁にはたくさんの神秘的なものと御伽話の内容を描いたような絵が描かれていた。
そしてその真ん中には二つの魔法陣が描かれていた。
創「早速結婚の儀式をやりたいと思う。アンは右側の魔法陣の上に立ってくれないか?」
アン「わかった!」
アンと創はそれぞれ魔法陣の上に立った。
創「今からこの魔法陣を起動させる。少し痛みを伴うが我慢してくれ。」
創はそう言ってその魔法陣に魔力を流し始めた。
そして魔法陣に完全に魔力が行き渡ると今度はアンと創の体中に魔法陣に刻まれている文字が浮かび上がってきた。
アン「っ!なんだか軽い火傷した.......みたいな.......痛みだね...........。」
創「大丈夫か?すごく痛そうだが?」
アン「これくらい大丈夫だよ!」
そして魔法陣に刻まれた文字が体全体に行き渡って数分経ったとき、その文字が全て消えた。
創「これで終わりだ。よく頑張ったな、アン。」
そう言って創はアンの頭を撫でた。
アン「これでほんとに終わりなの?」
創「ああ、終わりだ。アンと俺は契約が結ばれたからな。右手の甲を見てみろ。」
アンはそう言われて右手の甲を見てみると紋章が浮かび上がっていた。
創「その紋章はアヴァロン王の紋章だ。そのての紋章は数分経てば消えるから安心してくれ。」
アン「じゃあこれで本当に夫婦になったってことだね?これからよろしくね、創くん?」
創「こちらこそこれからよろしくな、アン?」
そうやって二人の結婚の儀式は無事に終わったのだった。




