表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

「 夏のホラー 2020 」投稿作品

♥ 人形駅の呪い「 夏のホラー2020 」

作者: 雪*苺


 ●●●県●●●郡●●●●町にある駅には、だか無数の人形が置かれている。


 、誰が人形を置いたのか──。


 、人形を置いたのか──。


 なんの目的があって、なんの狙いがあって、人形を置いたのか──。


 駅を利用する者にも、駅をとおり過ぎる者にも一切理由は分からない。


 勿の論、駅で働いている駅員達にも理由は分からないでいた。


 利用者の多い駅はからか “ 人形駅 ” と呼ばれるようになっていた。


 誰が “ 人形駅 ” と呼び始めたのかも分からない。


 人形はだかねん(ねん)増え続けている。


 人形が勝手に増殖しているわけではない。


 わざ(わざ)駅へ人形を甲斐甲斐しく持ち運んでている迷惑極まりない人物がるのだ。


 駅には最新式の防犯カメラが彼方あちら此方こちらに設置されている。


 しかも、終電の電車が去ったあとには、そう(そう)に侵入禁止にされるようになっている。


 改札口の前には頑丈なシャッターが設置されており、朝一にた駅員がスイッチを押さないと上がらないようになっている。


 一般人の入り口は改札口だけの為、シャッターを閉めてしまえば、無人となった駅に潜入する事は出来なくなる。


 駅員達はえき内にある駅員専用の部屋に3人体制で寝泊まりしている。


 勿の論、稼働している防犯カメラの画像をチェックは欠かさない。


 防犯対策も万全な駅に、夜な夜な忍び込んでは人形を持ち込む不届きな輩がるのだから、駅員達と不届き者との仁義なき戦いは終わらない。


 いまだに迷惑千万な不届き者の正体を突きめれていないし、人形を置いていく決定的な瞬間を捕らえられていない。


 防犯カメラの画像には誰もうつっていないのだ。


 それでも人形の数は確かに増えている。


 不気味なほどに増えていた。


 怪奇だった……。


 あまりにも多くなった人形を処分する為に、近所の由緒正しいまきむらしゃへ人形の御焚き上げを依頼する事もしば(しば)あった。


 しかし、人形の御焚き上げをして戴いた日から1週間(7日間)以内に必ず事故が起こるようになった。


 初めは偶然だろうと思っていたが、どうやら偶然ではなく必然である事をまきむらしゃの和尚から聞かされ、まきむらしゃへ人形の御焚き上げは残念ながら中止になってしまった。


 ご近所の最寄り駅という事もあり、まきむらしゃの和尚からの厚意で春季彼岸供養,夏季彼岸供養,秋季彼岸供養,冬季彼岸供養と1年に4回の彼岸供養駅へわざ(わざ)訪問していとなんで戴いている。


 どうやら供養の効果はあるようで、4回の供養を終えたあとで御焚き上げをして戴くとなんの問題もないらしい。


 供養に御焚き上げをして戴いた日から1週間(7日間)経とうが、1ヶ月(28〜31日)経とうが、1年間(365日)経とうが、事故が起こる事はなかった。


 これで一安心だと思われたのは、現在から5年前の話だ。


 現在はと言うと、駅の駅長が代わり、だい(だい)続けられていたまきむらしゃの和尚の厚意による1年に4回の訪問彼岸供養を断るだけでなく、供養の御焚き上げも断ると、駅に置かれていた全ての人形を依頼した親戚の清掃会社に総撤去させ、粗大ゴミとして出させてしまったのである。


 駅からは人形が1体も無くなり、にでもあるような至って普通の駅に戻ったのだが……、奇妙で不可思議な出来事が頻繁に起こるようになってしまった。


 事故が起こらないだけだマシな方ではあるが、下手をすれば事故に繋がり兼ねない不可解な出来事には、駅員達も利用者達も不安で仕方無かった。


 【 人形を強制撤去したのろい 】だと誰かが言うと、その噂は瞬く間に拡散されるや否や、駅は【 のろわれた人形駅 】として、有名な都市伝説のサイトにもアップされるようになった。


 都市伝説のサイトで存在を知った好き者達が面白半分で訪ねてるようになった。


 駅長は客寄せの為にさま(ざま)なグッズを作らせ、販売を始めた。


 さま(ざま)なグッズの中で人気が出たのが、こけしと日本人形を合わせたような人形のストラップだった。


 だか爆発的な大ヒットをした人形ストラップを駅の公式イメージキャラクターにするや否や、駅内で怪奇が頻繁に起こり始めた。


 なにが原因で怪奇が起こるのか理由が分からない。


 駅長は怪奇だのオカルトだの霊的なスピリチュアル関係のうん(ぬん)を一切信じない人種だった。


 思い付く限りの有りとあらゆる世間一般的(刑而下的)な対処を徹底的に尽くし、科学的に証明させる為にも尽力したが、怪奇はまるで平常運転のように常に起こる。


 それでも駅を利用する人達の数は減らない。


 至極便利な最寄り駅だからだ。


 強制撤去されてしまった人形達の怨念によるのろいが原因なのか、今日きょう駅のかでなんかの怪奇が起きている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ