罪
十二時を回るまで
わたしは女でいよう
単に愉快で醜悪な
当然の女でいる
そして十二時を回れば
この魔法は解けて
わたしは男になるし
鴃にもなるし
蝿にもなる
ただそれだけ
変貌するために生きる
生きるために変貌していく
その変わり身の
なにか人間臭い生活の音が
わたしの社会を満たす
正確には
わたしを取り巻く愛になりかわる
女でいること
それは罪を償うこと
変貌すること
それはわたしの生命の罪をすこし逸らすこと
償いきれない罪を
ひとときに忘れること。