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なんとかなりそうですが、失礼だったようです

「まぁそんな人間側の話はいいとして、スキルの話をしよっか!ずっと立ったままになってたし、座ろうか。適当に座って。」


 そう。椅子を前にしてずっと立っていたのだ。

 やっと椅子をすすめられたので、アサが座ったのを確認してその正面に座る。隣にダルが座った。その隣にマントが…え、黒マント服の女性が一人座った。

 振り返って周りを見れば、初めに囲んできたマントたちなのか入口付近にいくつかの特徴のないマントたち…影種族たちが固まっている。ダルとこの女性だけが別行動ということか。

 ダルの隣の女性を見れば、特徴がないとは言えないダイナマイトな胸部がマント越しなのによくわかる。グレーの長髪はさらさらと流れ、鋭利な美貌を彩っている。

 ずっといたの!?ていうか、美人さんなんだけど!紹介してほしいんだけど!


「それでまず俺のスキルだけど、これ見て」


 スキルの話も聞きたいけれど!

 …うん。たぶん、あとで紹介してくれるんだよな。後にしよう。後で聞くことにしよう。

 アサが左手の袖をまくって机に置いている。

 色白ではあるが、黄色人種らしい黄身色の肌をしている。そう考えると今の自分の肌は本当に真っ白だったとよくわかる。

 ではなくて。異世界人ということは通常は左手に契約陣があるのではなかったか。見当たらないのだが。


 驚いてアサの顔を見上げると、にんまり笑いかけられて、視線で再度左手に視線誘導される。

 そこには、先ほどはなかった契約陣が手の甲から腕の中ほどまでのサイズで腕をぐるりと回っている。


「え。さっきまで無かったですよね?」

「そう、これが俺の隠蔽のスキル。隠したいものを隠せるんだ。

 ついでに契約陣は、召喚陣から出るときの契約によって大きさが違う。俺の場合はこうして裏切れたのがわかるくらい少ないほうだよ。レイと比べるとだいぶ違うけどな。

 他は、この白い部屋も俺の空間魔法スキルで、最後に鑑定が使えるんだ。

 異世界召喚といえば鑑定と隠蔽、アイテムボックスと転移ってイメージだからな!」

「私もそんなイメージでした。でも、特殊スキルじゃないパターンもあるかと思ってだいぶ迷いましたけどね。」

「そうなんだ?でも、隠蔽系を持ってるんだろ?鑑定がきかなくて…あ、もしかして気を悪くしてたらごめんな。同じレベルだと魔法を使われているのが通常わかるんだけど、俺の場合隠蔽と併合してるから隠蔽と鑑定を出来るスキルを持っている人以外に気づかれずに視れるんだ。今まで視れなかったことがないからつい…隠蔽系でブロックしてるなら気づいたと思うけど、悪気があったわけじゃなくて、ただの好奇心だから!」


 この言い方だと、同じレベルのスキルなら発動を感づけるけど発動するということだろうな。

 ついでに同じ隠蔽ということではなく”隠蔽系”ということは、上位スキルなら下位スキルを防ぎつつ、発動を察知できるのかもしれない。

 ちなみに、鑑定されたことには一切気が付かなかった。たぶん何かのスキルで鑑定を防いだけれど、アサの隠蔽で気づけなかったということだろうか?

 とりあえず、左手の契約陣は大きいほうが個人的に強そうでカッコいいと思ったけど、制約が多くなるのは嫌なので、現状を受け入れることにした。いいな…と思ったのは一瞬なので許してほしい。


「いえ…気付きませんでしたし、全然気にしないでください。」

「そっか。じゃぁ鑑定を持ってないんだね。正解だよ!レイの想定した通り、鑑定は通常の魔法でつかえるんだ。魔法よりスキルのほうが上位だし、鑑定スキル持っている人いなくて視放題だけど、それで一枠埋まってるのは微妙だよな。

 あと空間魔法は便利だけど、思ったよりレアじゃなかったみだいだし…。」

「そんなこと無いさ。影魔法では近距離の影に入ったり近い影を移動したりできるが、アサはこの空間は他種族も入れるし、目視範囲の転移や記録個所なら遠い距離の転移もできるじゃないか。影魔法の収納も最大収納体積は自分の体積だが、空間魔法の収納はかなり多くて識別もできて内部時間が進まないだろ?だいぶすごいと思うぞ!」

「説明おつ!いわゆる影魔法よりちょっとすごいだけなんだよ…。俺が考えていたほどのレア感はなかった。それに、影魔法は種族間念話もできるだろ?条件によっては遠距離転移もできるし、影魔法の汎用性がやばい…。」

「気にするな。隠蔽もすごいし、アサは十分役に立っているさ。」

「召喚された後の俺TUEEって思ってた過去がつらい。魔族の優しさが沁みる。」


 …影種族のすごさと、ダルが優しいのは(元から優しそうとはおもっていたけど)よくわかった。

 スキルによってはチート感が薄くなるということだな。鑑定はレアらしいがそれほど使い勝手が良くないのだろうか?アサの話しぶりだと、そもそも魔族全体がチートキャラっぽいという話か。

 それにしても、運を良くしてもらったはずなのだがスキルとしてはどうなっているのだろう。自分のスキルが気になるので、通常魔法でも鑑定ができるらしいし鑑定できるか試してみよう。

 (鑑定!……ステータス!)

 …念じるだけではだめなようだった。


「すみませんが、自分のスキルとかってどうやって確認するのでしょうか。」

「確かに隠蔽しているなら自分で見るしかないな。」

「隠蔽系を解除してくれれば俺が鑑定してもいいけど、自分で見るなら魔法だな。イメージするだけだからそれほど難しくないけど、一応だけど属性は全部持っているよな?他の異世界人を見る限り指定しなければ全属性だと思うけど。」

「属性については話にも出ませんでしたね。」

「なら使えるな。通常の魔法には全部で7属性あって、イメージする時には使いたい属性を思い浮かべてから起こしたい現象をイメージして自分のステータスが合えば魔法が発動するよ。鑑定には確か、命と光の属性だったか?」

「自分のステータスの確認なら光属性だけで大丈夫だ。」

「だって。光属性を思い浮かべて、起こる現象はゲーム風のウィンドウを見てもいいし、直接知識として頭に入るイメージでも大丈夫だからやってみて。わかったら何のスキルか教えてよ。」

「はい。」


 なるほど、魔法の発動にはまず属性のイメージがいるらしい。先ほどのあれでは発動しないわけだ。

 直接頭に入るイメージはなんだか怖いから、とりあえずゲーム画面風にしよう。

 (光属性でゲーム風ウィンドウで自分のステータス表示!)

 そう念じると魔法が発動したという感覚が起き、視界にもイメージしたゲーム風の半透明な窓が見えた。



名前-レイ(仮)

種族-異世界人

性別-完全体パーフェクトボディ・無性体

物理-干渉力5/10

魔法-火風水土光闇命属性 干渉力6/10

スキル-幸運 超直感 完全体パーフェクトボディ(物理魔法スキル攻撃無効・空間魔法3/5)



 ん?なんだこれ。なんだ完全体パーフェクトボディって。

 性別無性体って…男でも女でもないんだ!?どっちでもいいと思っていたけれど、まさかどっちでもないとは思わなかった。それで性別がわからない見た目なのか?

 これでは、性別は見ればわかると言い張った自分が失礼だった。

 でも、男か女か聞かれて”私は無性です”って答えるのはちょっと変な気がするが、それは地球感覚だからだろうか…この世界では無性体がレアではないのだろうか。

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