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このままいこうと思いますが、失礼だったようです

 家に帰ってきた。マキアとメイが待ってくれていた。


「ただいま戻りました。」

「聞いたわ。本当に戦争を終わらせたのね。お疲れさま。」

「頑張ったねー。」

「はい。これで、一緒にいられますね。」


 寄ってくる二人を抱き締める。

 聞いたということは、サリアーノからか。もしかすると、家で待っていてくれたのも、サリアーノが連絡してくれたからかもしれない。

 流石、王子様な妖精だ。気の使い方が半端じゃない。


「俺は強いからな。いくらでも、頼っていいんだぞ!」

「ありがとうございました。これからも、よろしくお願いします。」

「そういえば、転移地点は外にした方がいいと思う。」

「そうですね。」


 他人を運ぶことを考えると外の方がいいし、今回は作戦の都合もあって他人の家や部屋に転移したけど、今後は勝手に侵入するのは良くないだろう。登録し直していこうと思う。


「サイトをここに連れてきていいか迷ったそうね。ここはレイの家にもなったんだから、気にしなくても良かったのよ?」

「はい。でも、可愛い二人が家でリラックスしている姿をサイトに見せることになったらもったいないと思ったので、今後も気を付けます。」

「そう。」


 抱きしめることで真横にあるマキアの頬が赤くなった。変なことを言っただろうか?

 …よく考えてみたら、独占欲強めな発言だったかもしれない。もったいないと思ったのは確かだが、もっとオブラートに包んで言った方が良かったか。これではまるでアサみたいじゃないか。

 監禁をするような危険人物ではないことを伝えたいが、会話の下手な自分だ。なんと言えばいいか、思いつける訳が無かった。


「レイは、マキアが好きだよねー?」

「はい、好きです。」


 胸元のメイが笑いながら言う言葉に、思わず即答する。

 でもこの流れだと、危険人物度が上がらないか?しまった。


「マキアもレイが好きなんだよー?」

「嬉しいです。私はメイもサリアーノも好きですが、メイは私のことを好きじゃないんですか?」

「あはは!あたしも、みんなすきー!」

「一緒ですね。」

 

 楽し気に笑うメイを撫でる。癒される。カワイイ。

 …ただ、横と真上の反応が無いのが少々怖い。

 鈍感系の主人公のように、みんな好きでまとめてみたが、良くなかったのだろうか。自分としては、メイのみんなすきーの言葉の可愛さに、思わず笑み崩れてしまったが。

 自分には可愛さが足りないということか?そうか、今男性体なのがいけないのか。きっとそうに違いない。さっそく、無性体に変えた。


『そうじゃないだろ。』

『え?違いました?』

『………俺も、レイヤードが好きだ。』

『え?…』


 サリアーノからの念話が切られてしまった。そうやって、すぐガチャ切りするのは良くないと思う。

 …けど、好きだって!言葉と一緒に、照れたような感情も流れ込んできて、こっちまで照れる!

 こんな風に名指しで好きだと言われたのは、初めてかもしれない。転生したんだから、初めてで当たり前か。すごく嬉しくて、顔が熱くなる。

 ありがとう、サリアーノ。私も好き。

 なんて。頭上の重さに動きは無いが、聞こえているだろうか。


 メイとサリアーノの言葉に笑み崩れ、赤くなって崩壊している顔面だったが、横からちゅっと衝撃があった。

 ちゅって!…今、キスされた!?頬というより、口の端でしたけど!?

 勢いよく横に振り向けば、マキアが照れたような表情で笑っていた。可愛い!その表情は初めて見た!すごく可愛い!!


「どうして、無性体に変えたの?確かにレイの無性体も好きだけど、他のレイも好きよ。」

「嬉しいです。ずっと一緒にいてください。」


 好意を持つ相手に、立て続けに好意で返され、口が緩んだ。

 この流れで、ずっと一緒に居てくださいは、おかしいだろう。

 戦争が終わったんだから、マキアの警戒任務が無くなって、このまま何事も無ければ一緒に住むんだから一緒に居るのは確定だろう。しまった。戦争が無事に終わったことで気が緩んでる。


「ずっと、一緒に居ましょう?」

 

 不安になった気持ちを落ち着けるように、マキアが背を撫でてくれる。

 その言葉は優しくて、少し寂し気な響きだった。

 背を撫でてくれる手に答えて、マキアの背に回している手の力を込める。


「いいのですか?」

「レイこそ。軽々しく言っていいの?そんなこと。」

「軽々しく言ったつもりは有りません。」

「本当に?」

「はい。」


 マキアはうふふと、小さく笑う。


「レイはしゃべり方を気にしているのね?私はそんなこと、どうでもいいと思っているの。そんなことより、私は触りたい。レイは嫌がって無いようだけど、あんまり触ろうとすると結構嫌がられるのよ?」

「本当ですか?」

「そうなの。レイは、大丈夫?」


 そういえば、魔族女子はスキンシップ過多と思っていたが、そうでもなさそうなヒト達が居た。

 ルルとリリも、くっついては来るがすぐに離れていた。

 スキンシップが多いのは、マキアとメイで…特に、寝る時も毎回抱き着いてくるのはマキアだ。

 異世界だからそんなものかと、そこで思考が停止していた。

 スキンシップ過剰で、違っていたのは、マキアだった。

 クール美人でナイスバディ、笑うと可愛くてスキンシップ過多。そんなギャップは……。


「大好きです。そんなの、ご褒美です。大歓迎です。」

「でも、レイから触ってくることは少ないでしょ。無理しなくていいのよ?」

「ムリだなんて!抱きしめるだけで精一杯で、恥ずかしいというか、触れるならもっと触りたいです!そんなこと言うと、放さなくなりますよ!」

「いいわよ、好きにして。そのかわり、私も好きにするわ。」


 そういって笑うマキアの目は真剣で、熱を帯びた様は…ありていに言えばエロかった。

 反応することは無かったけど。無性体ですので。


「マキアもレイも寂しがりだもんね!」

「そうね。」

「はい。だから、一緒にいてください。」

「こちらこそ。よろしくね。」


 マキアとにっこり微笑みあう。

 この状態って両想いってことでいいんだよな?

 それなら、嫌われないように気を付けないといけないな。そんな度胸があるとは思わないけど、強引なこともできない。魔族女子がタイプというわけではなくて、マキアが特別だというなら…より、大事にしていきたい。

 影種族に思考読取のスキルが無いようで良かった。固有スキルも持っていないようだし。

 なんて。アサのことを危険扱いできる立場じゃないか。


 メイは満足そうに笑っている。

 寂しがりなんて可愛い言葉で表していいのだろうか。重度の寂しがりのコミュ障とか、自分なら遠慮したい。ヤンデレ要素を持っていると思うけど。

 まぁ、今更警戒されても困るか。

 強い感情は持っているだけで疲れるし、面倒くさい。だから、このまま沈めておこう。

 生まれ変わった別の自分でいるために。もう一度、死なないためにも。


 ヤンデレが嫌いなんて嘘。同族嫌悪なんて言葉はあるけれど、似た者の同士の方が相性がいいというのが持論だ。つまり………その先は、ナイショということで。

 でも、アサを危険視しているのは本当だ。マキアは自分に対してデレてくれていると思うが、出会った時のアサに対するツン具合が今でも気にかかっている。アサの自室でお風呂を借りる位だから嫌いなはずがないので、無関心とも違う何らかの関心を引いているのは間違いないだろう。

 マキアは、あげないからな。




 その後、作戦を頑張ったから労うという名目で、マキアとメイと一緒に温泉に行った。

 サリアーノも誘ったが、遠慮して隣に帰って行った。

 その時に教えてもらったんだが、温泉は魔力や怪我の回復のために入るのがほとんどだから、服を脱ぐことは基本的にないそうだ。

 服を脱いで入浴のすることを持ち込んだのは、アサから聞いたマキアだったらしい。


 温泉では、自重しなくなったマキアに体を撫でまわされた。無性体だったので、醜態を(思った以上には)さらさずに済んだのは僥倖だろう。無性体の体を触りまくったマキアが、他の性別の体を触りたがったのには少し困った。今日はもう変えられる性別が無いから良かったが、明日以降が少し心配でもあった。

 もう少し慣れれば、自分がマキアを好き放題触る度胸も付くと思うので、その日まで逆襲するのは待とうと思う。そんな日が来ても逆襲できるかは自信がないが。

 ともかく、温泉をいかがわしい場所にしないためにも、家の中にお風呂空間をどうにかして作ろうと思う。早急に。


 どうして会ってすぐなのに一緒に住もうと言ったのか聞くと、アサの同郷出身ということで温泉に誘ったが、抵抗なく入浴してその後のボディタッチにも嫌がらなかったことが好かれた要因だったそうだ。

 それを聞くと、4タイプの体の仕様があることもレアでお得感があって、マキア的に魅力だったのではないかと考察している。


 魔族側でレアだというスキンシップ過多のマキアとお触りOKなメイとの出会いに、幸運の本気を見たような気がした。幸運ではなく、一番初めの確率操作はここに使われていたのだろうか?直感の反応が微妙だ。合っているような違うような…この微妙な反応の時は正解が分からないという使い勝手の微妙さが、幸運と超直感でよく似ていた。

 

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