表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/50

最強にはなれませんが、実戦的指導をされていました

「ぼくが行って、ささっと操作してあげるよ!いつ行くの?」


 今でしょ!とは、言えないけど、言いたくなるくらい心強い。


「先にユーナたちと合流して、アサとサイトにも相談して決めようと思っています。アサの所になると思いますが、ラストも一緒に来ていただけますか?」

「いいよー。」

「ラストだけだと心配なの。ルルも行くの!」

「そうなの。ラストは迂闊なの。」

「大丈夫だよー。気を付けるしー。」

「流石に二度目は無いよね?」

「そうなの?」

「不安なの。」

「任せてよ!」

「あんまり離れるのは良くないし、ここはラストに任せよう?」


 しぶしぶと言った様子で、ルルとリリは頷いた。

 サイトには特に警戒していたもんな。ラストがうっかり主の話をしないように、気を付けた方がいいと思うが…大丈夫だろうか。流石に二度目は無いと思いたい。

 主の話と言えば、さっき気になることを言ってたような。


「先ほど言っていた、召喚も主が教えたとか負担ってどういうことですか?」

「召喚方法は主が作って人に与えたの。」

「人が国作りするのに困らないように、異世界の知識を取り入れられるようにしたの。」

「異世界人には補償として、主の力をもらったでしょ?」

「本当は欲しい知識がある時に召喚するべきなのに、最近の人は戦力としてどんどん呼び出すから、主の力が削られっぱなしで、主が起きられるだけの力が溜まらないんだ。」

「そうなの。召喚が無くなれば、主は早く起きれるの。」

「戦闘も無くなれば、主の力は早く溜まるの。」


 主にもらった力?やっぱり、あの白い少年が主だったのか!

 あの疲れ切った様子は、召喚で力を削られていたからか?

 髪の色が主の情報と違うが…少年の姿からは想像できなかったが、もしかして白髪しらが?ストレスとか過労で白髪になるかもしれない。

 世界の神様がその世界に顕現するという物語はあるあるかもしれないが、神様が人に与えた知識(召喚)が悪用されて神様の首がしまってる状況って…神様の万能感が全然ない。

 主ってドジッ子なのかな?

 立派な国が出来ていたし、召喚の知識はなくしていいんじゃないか?もし必要そうなら、主がこの世界で起きてからまた教えればいいってことだよな?

 主が過労死したら、この世界がどうなるのか不安過ぎるし、まずは主が起きるのを待つので問題ないと思う。


「そうでしたか。主が早く起きた方がいいですね。」

「そうなの!」

「待ってるの!」

「ちょっと寝すぎだよねー?」

「そうだよね。」


 こんな可愛い子たちを待たせるなんて、主も早く起きたいだろうな。

 主とは話してみたいと思っていたし、戦争が無くなればマキアとずっと一緒にいられるし、一石二鳥だ。

 そろそろユーナたちと作戦会議をと思ったが、サリアーノってサイトと居るって言ってたよな?

 サイトを呼んでもらえるか聞こうと思う。

 サリアーノと繋がっている感覚を意識して話す。


『サリアーノ、今いいですか?』

『どうかしたか?すぐに行った方がいいか?』

『急用ではありませんが、今サイトと居ますか?』

『サイト?…いるけど。』

『サイトに、アサの所に行ってもらえるか聞いてくれますか?』

『…サイトが必要なら俺が連れて行くよ。用があるのは、サイトだけか?』

『はい。お願いします。』

『…そうか。お前、後で覚えてろよ?』

『え…?』


 サリアーノとの繋がりがブツリと途切れた。

 なんか、怒ってた?

 心配して念話を繋げていてくれたのに、サイトなんかの用件で便利に使ったから怒ったのか?怒るよな…。失敗した。後で謝る。


「そろそろ、ユーナの所に行こうと思いますが、いいですか?」

「アサの様子なら普通らしいわ。私も一緒に行くけど…。」

「あたしも行く!」


 メイが飛びついて来た。不安げに腕をつかむ様子は…カワイイ!

 この前は置いて行って怒られたんだよな。連れて行くしかない。


「わかりました。無理しないでくださいね。辛くなったら、すぐに言ってください。」

「うん!」

「ラストも触ってもらえますか。」

「これでいい?」


 マキアと手を繋いでいて、メイはマキアの頭に乗った。

 ラストも伸ばした腕に触れているのを確認した。


「では、アサの所に行きます。ラストをお借りします。」

「どうぞー。」

「行ってらっしゃいなの!」

「気を付けてなの!」


 そして転移をした。

 アサが転移の時に手を握ってきたし、一緒に転移するには触れる必要があるっていうのはあるあるだからこうしてきた。

 しかし思い返すと、ユーナの治癒は触れずに発動していた気がする。

 この転移って触れている必要があるのか?





 アサの白い部屋。

 長机の席に着いて、ユーナたちは談笑している。

 修羅場が終わったのか、修羅場にならなかったのか…無事なら、どっちでもいいか。


「ユーナ、大丈夫でしたか?」

「はい。リョータと話せて良かったです。フェリーチェに会えるのは先になりそうですが、安心しました。」


 アサとアサの彼女の話が出来たんだな。この様子だと、まだ監禁されているようだが、不本意な結果ではなかったのだろう。良かった。

 そこで頭に軽い衝撃があった。

 振り返るとサイトが居る。ならこの髪の毛を混ぜるようにしているのは、サリアーノか。


「サリアーノ、すみませんでした。心配して、念話とか転移地点の登録とかしてもらったのに、お礼も言わずに…。」

「それだけか?」

「ええと。まことに申し訳ございません。」

「謝って欲しいわけじゃない。」


 頭の重さが無くなったので見ると、サリアーノはマキアの肩に乗ってしまった。

 不機嫌そうだ。

 どうしよう。謝らなくていいなら、どうすればいいか分からない。


「レイ!今日は両性体の性能確認がしたいんだってな!今からやるか?」

「え!?」

「む?サリアーノからそう聞いたが?」


 サリアーノを見るが、思いっきり目をそらされた。

 き、嫌われた!サリアーノに嫌われてしまった…。


「すみませんが、そういう気分じゃないです。」

「そうか?なら後でだな!ユーナたちもいるようだし、何か話があったのか?」

「そうです。」

「そうか。」


 サイトはあっさりと引き下がってくれて、ユーナとアミナに挨拶して対面に座った。

 自分はアミナの隣に座り、マキアはその隣に座り、さらに横にラストが座る。

 こちら側の人数が明らかに多い。

 そしてサリアーノは、目を合わせてくれない…。

 マキアがギュッと手を握ってくれた。頑張る。

 …罰でサイトと戦ったら、許してくれたのかな…?




 とりあえず、初対面が居るので一応全員名前を伝え合う自己紹介をした。

 それで驚いたのは、アサがラスト達と会ったこと無かった事だ。確かに館に居る4人と奥に入れないアサでは接点がないか。


「すごいですね!妖精に天使って…あの、羽に触らせてもらってもいいですか?キラキラしていてキレイです!」


 ん?キラキラしてる?

 見てみると、確かに羽が光って見える。

 キレイだが、この状態ってアレだよな?魔力漏れ?

 大丈夫なのか?


「ああコレ、魔力漏れしてるんだー。触るのは別にいいよ。」

「ここはアサの空間で、影種族も良く使っているから、魔力が比較的多くてそれほどでもないぞ。」

「さわるー?」


 メイがユーナの手に飛んでいく。いいな。ラストとロストの羽も触りたい。後で頼もう。


「魔力漏れって大丈夫なんですか?」

「たくさんだと大変だけど、これくらいなら平気だよー。」

「もし辛ければ、転移で運ぶので言ってください。」

「ありがとー。」

「わかってるー。」


 そしてサリアーノからは無視。泣きそう。

 ユーナとアミナにメイが撫でられているのを横目で見ながら、潜入調査の結果を報告する。

 後は追加の情報だな。


「ええと、報告と相談になります。

 街の人間はユーナの頑張りで、戦争を辞めさせるように意思の統一に成功したようです。

 あとは、城の人間の記憶と意識操作、城にまとまっている召喚の資料を破棄するだけで、戦争を終わらせることが出来そうです。

 問題の洗脳系のスキルの持ち主はジョンという名前で、スキルレベルはアミナ以上でユーナ以下です。裏切れない契約のようですが、治癒スキルなどは洗脳に抵抗出来るので洗脳されても行動の制限はされません。まずはセルディという方を開放し、それから力づくで取り押さえる形で止められます。

 あとユーナの治癒スキルによる洗脳に近い効果は、ラスト達から思考誘導効果があるだけで、洗脳ではないのですぐの意識操作は難しいと聞いています。

 そこで戦争を終わらせるために、思念記憶操作が出来るラストが作戦に加わってくました。城に居る人間の洗脳と記憶操作は任せられる事になりました。

 どうでしょうか?これで何とかなると思いますか?」

「記憶の操作が困っていたんです!手伝ってもらえて嬉しいです!天使なんて、イメージもぴったりですね!」

「そう?ぼくって人気みたいだね。」


 やっぱり天使はイメージぴったりだよな。


「ユーナ一人で意識操作したなんてスゴイな!治癒と洗脳がよくわからないけど、戦争を辞めさせられそうで良かったよ。

 俺はここを動けないから、転移で送るくらいしか手伝えないけど、応援するよ。」

「うむ。作戦も大筋としては問題ないんじゃないか?洗脳系のスキルさえ押さえられていれば俺も一緒に戦って問題なさそうだな。他の異世界人を押さえるのを手伝おう。」

「サイトって人間側には行けないんじゃないか?」

「そんなことないぞ?交戦中だけの指定だし、今回の交戦は城だろ?戦うのに問題ない!」

「そうか。そうなるのか。」

「今まで一人で頑張って来ましたが、こうして皆に手伝ってもらえて…協力することで、遠く感じていたゴールがすごく近く感じます。すごいです!皆さんありがとうございます!」


 アサが人間側に来れないのは予想通りだが、サイトという最強戦力が加われば、早く終わりそうだ。

 ほとんどユーナの頑張りの成果だけどな。

 最後の部分だけの協力で申し訳ないくらいだ。自分は最近来たばかりだから、仕様もない話だけど。

 ユーナは感極まっているようだし、とりあえず作戦を詰めていこう。


「作戦の大筋は問題なさそうですね?

 1番に、ユーナとアミナがセルディを開放。

 2番に、ユーナとアミナとセルディと私でジョンを取り押さえる。

 3番に、ユーナとサイトとラストで異世界人の取り押さえと開放。人間の洗脳と記憶操作を行う。

 最後に、召喚の資料の破棄。こんな感じですか?」

「わたしは今日ジョンの所に戻らなきゃいけないけど、作戦の決行っていつになるんだ?」

「ぼくはあんまり離れられないから、明日以降の方がいいな。今日はココで時間使ってるし、魔力漏れしてるし。短期決戦できるようにしてね?」

「明日以降だと、アミナがジョンの所に戻るのは危険ですよ?家に居ればいいじゃないですか。」

「でもいつもだと翌日には帰ってるから、このタイミングで疑われるのは良くないと思うんだ。せっかく警戒してないのに…。」


 意外と問題が発生している。

 集団の作戦には、予定のすり合わせも大切だよな。


「うむ。では今日、ユーナがセルディを開放し、防御魔法を掛けた状態でアミナがジョンの元に帰還すればいいのではないか?ユーナが城を訪ねる際に隠蔽で姿を隠したレイも一緒に行き、ジョンの部屋とセルディの部屋を地点登録すればいい。

 明日の洗脳と記憶操作に漏れがあるといけないから、空間魔法で囲った方が良いか?アサ、城は空間魔法で囲えるサイズか?」

「そうだな。隔離するのは難しいが、囲うだけなら出来ると思う。隔離と違って出ようと思えば出られるけど、外に出ようとする動きも分かるから、その部分だけ隔離でバリアを張っていけば人間位は閉じ込められると思う。」

「やっぱり空間魔法は面白いな。作戦決行は明日としよう。

 明日はまず、レイが俺とラストと一緒にセルディの部屋に転移で合流。

 次に、レイが転移でラストとセルディを連れてジョンの部屋に行き、アミナと合流してジョンの拘束。

 その後、レイが転移でユーナを回収してセルディの部屋で俺と合流、その後空間魔法で城から人間を出さないようにする。

 後はラストと合流して、ユーナが異世界人の洗脳解除と俺が武力で押さえて、ラストが洗脳と記憶操作を端からしらみつぶしに行えばいいか?」


 うん?前半の作戦で転移と空間魔法で囲むのって自分か?

 アサが行けないなら、必然的にそうなるか。

 いいように雑用に使われてる!まぁいいけど。


「しらみつぶしだと大変だよー。もう少しまとめて欲しいな。意識に上ってるものほど操作しやすいから、何か気を引くものがあれば広範囲でも集まれーって出来るけど、どうかな?」

「それですと、城の聖堂になら全員入りますよね?私の範囲治癒も広範囲だと威力は薄いですが光りますので、城全体に範囲治癒を拡大縮小させて、その光の元に集まるように意識操作できますか?」

「それなら大丈夫。記憶操作も思念操作も一からより、考えていることを操作する方が楽かも。治癒で意識操作してたんでしょ?何かいい方法ある?」

「私の方法ですか?やっぱり表情と演説ですね。ラストの天使のような神聖さは…そうですね、しゃべり方を気を付ければかなり受けると思います。」

「まぁぼくは主の代理って言うとそうだしねー。しゃべり方とか、関係ある?」

「ありますよ!任せてください!私がプロデュースして、完璧な天使にします!セリフを覚えてくださいね!」

「ええ?主の代弁者だなんて言い過ぎだよー。ぼく、そんな大それたことは言いたくないよ?」

「わかりました。今から相談しましょう。言い回しを婉曲にすれば大概行けます。」


 ユーナが席を立ってラストと相談してる。

 聖女プロデュースの天使か。売れそうだ。

 そのままでも洗脳出来るのに、楽をしようするからプロアイドルに掴まったのだろう。当日は聖女と一緒に頑張って信者を増やしてくれ。

 横目で見ているとユーナの指導が厳しそうだが、街をファンで溢れさせたプロからの指導はきっと役立つだろう。頑張って欲しい。

 そして、明日が楽しみだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ