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考えるのをやめましたが、最強にはなれません

 館の前に転移したことで、名残惜しくなりながらもしぶしぶマキアとメイを開放…いや、放したくない。もう少しだけ。

 転移というものは便利だが、心の準備が追いついてなかった。

 館の4人に話したいのは確かだが、もう少しくっついていたいというか…。

 二人を離せずに、扉の前で葛藤してると、背中に軽い衝撃があった。


「仲良しなの?」

「くっつくの?」

「レイが放してくれないんだよー。」

「楽しいの?」

「メイ、カワイイの!」

「ちょっと寂しくなってるだけよね?落ち着いたかしら?」

「はい。すみません。」

「いいわ。私も寂しかったから。」


 背に回されてるマキアの手が撫でるように動く。

 ルルとリリが出てきてくれたようなので、やっと二人を開放すると、マキアが手を握ってくれた。

 恋人繋ぎ!テンション上がる!

 振り返ると、メイがルルとリリと一緒に戯れていた。癒される。

 前から思っているが、魔族女子ってスキンシップ過多だよな。

 マキアとメイを抱きしめていると、ルルとリリも抱き着いてくるお得感。

 そういえば、ロリやラストとロストとくっついた記憶はない。

 魔族女子といっても差はあるのかもしれない。


「まだー?」

「早く中に入りなよ。」

「メイ、行くの。」

「競争なの!」

「わかったー!」


 メイとルルとリリは、扉を開けて立っているラストとロストを潜り抜けるように中に飛び込んでいった。

 元気だな。

 手を繋いだまま扉に向かい、ラストとロストに挨拶する。


「急にすみません。聞きたいことがあって来ました。」

「いいよー。」

「いつでもおいでって言ったでしょ?」

「ありがとうございます。お邪魔します。」

「どうぞー。」


 改めて見るが、ラストの羽は天使っぽい。

 言動がちょっと軽いが、見た目は神聖な感じがする。

 もちろんロストの黒い羽も可愛いが、神を騙るなら天使っぽい方が雰囲気が出そうだ。

 実際の主を知っているラスト達からしたら、普通に語るになるかもしれないが。

 ユーナって別に神託を受けたりしてないよな?勝手に”カタル”は、騙るだと思っていたが、本当に語るだったのだろうか。そういえば、アサがサイトを”サイキョウ”と言ったときに違和感を覚えたが、最強か最狂かその他なのかは結局分からなかった。日本語って難しい。有能な言語翻訳なら、もう少しわかりやすくしてくれればいいのに。まさか、ユーナが日本語を話してるとか…考え過ぎか。

 思考が脱線している間に、この前と同じ部屋に着いた。

 ソファーに座る。手は繋いだままだ。嬉しい。


「早速ですが、話を聞いてもらってもいいですか。」

「どうぞ。」


 メイが向かいのルルの膝に乗っているのが少し寂しい。

 3人の競争の結果は、誰が勝ったのだろうか。

 いやいや、真面目な話をしに来たんだった。


「まず私は昨日人間側に行って来ました。

 そこで、ユーナとアミナという異世界人の方に情報提供をしていただいたところ、そのユーナが洗脳に近い形ですが街の人間達に戦争を止めるように働きかけて成功しているそうです。

 後は国の中枢となる城にいる人間達と、その城にある異世界人召喚の資料を無くせば戦争を終わらせることが可能です。

 障害となる契約で縛られた洗脳系スキルをもつ異世界人も、取り押さえる目途が立っています。」

「すごいわ。戦争を終わらせられそうね。」

「戦争が無くなれば、主も喜ぶよ。」

「そうなの。」

「争いは望んでいないの。」

「では城に居る人間達に洗脳で止めるという方法は、こちら側でも問題ないですか?」

「無いよ?ぼく達もそういう感じのスキルだし。」

「人を洗脳する発想は無かったけど、問題ないよ。」


 戦争が無くなるなら、洗脳での力づく解決でも問題ないようで良かった。

 そしてやっぱり、ラスト達に洗脳系のスキルか。


「良かったです。私も協力するつもりですが、主力として活動しているユーナは治癒スキルです。洗脳の解除は早いですが、治癒スキルによる洗脳効果を使うため効果が出るのに時間がかかります。

 人間側の洗脳系スキル保持者を抑える事と、他の洗脳されている異世界人の洗脳解除や無力化と、城に居る人間達の洗脳も、となるため時間がかかるほど作戦に失敗の可能性が出ます。

 それが成功しても、召喚の知識が記憶として残っていれば、どこかで洗脳が緩んだ時に資料が新しく作られたり、また異世界人を召喚して戦争を始める可能性もあります。

 そこでお願いです。記憶操作や洗脳の出来るスキルを持つ方が必要です。

 サイトの記憶を消したと言っていたは、ラストかロストでしょうか?力を貸してもらいたいです。

 難しければ、他の人間側に出てもあまり問題の無い方で、そんなスキルのある方を紹介してほしいです。」


 ちゃんと説明になっているだろうか。

 館の4人組は顔を見合わせている。

 やっぱり協力してもらうのは難しいかな…?


「レイが行くなら私も行きたいけど、固有スキルは持っていないの。」

「すみません。また心配かけますが、今度もすぐに帰ってこれるように頑張ります。

 今のは私の考えなので、他にいい手段があれば教えてください。そして、アサやサイトにも相談しようと思っているので、作戦の内容は変わるかもしれません。

 それでも、記憶の操作は必要だと思います。」

「ぼくだけが協力するのはいいんだけどね…。」

「短時間なら大丈夫かな?」

「ダメなの。魔力漏れするの。」

「外に出ると、羽から魔力漏れするの。」


 人間側に着いた時のサリアーノの様子が思い出される。

 あの翅から光がこぼれている状態は魔力漏れと言うことか?ラストもロストも同じようになるなら、頼み込むのは危険か。


「それに主の与えた召喚の知識を消すのもどうかと思うの。」

「主の意向が大事なの。」

「でもさー。最初と大分違う使われ方してるじゃん?」

「主の負担になってるし、そろそろ取り上げても問題ないんじゃない?」

「それもそうなの。」

「でも、過干渉の可能性があるの。」

「そうだけどさー。」

「今の話だと人間の大半の意向はまとまってるみたいだし、ちょっと手伝うだけで犠牲が減るなら主も喜ぶんじゃない?」

「確かにそうなの。」

「でも、主の力は考えて使わないといけないの。」

「わざわざ、主がくれた力だよ?ここが使い時じゃない?」

「…そうかもしれないの。」


 4人の相談の結果、闇種族の言葉に光種族が折れた。

 協力してくれる方に傾いてくれたのは良かったが、魔力漏れは心配だし、なんか気になることを言ってなかったか?


「協力してくれるようなら助かりますが、ラストとロストは外に出ると危険ですよね?他の方を紹介してもらえるのですか?」

「このマントを貸すから魔力漏れは大丈夫なの。」

「治癒は洗脳じゃないから、闇種族のスキルじゃないとすぐの操作は難しいの。」

「そうだよね。治癒に洗脳効果なんかあった?」

「無いけど、強い治癒なら命属性の干渉で思考誘導しやすいかも?」

「え、治癒スキルに洗脳効果は無いのですか!?」

「治癒は治癒なの。」

「思考誘導効果があっても、洗脳じゃないの。」

「治癒で意識をまとめるなんてすごいよね。」

「本人の才覚だよね。」


 マジか。そういえば、人間達に洗脳の状態異常は付かなかったと言っていたか。

 つまり、思考誘導効果があっても洗脳じゃないから、聖女信仰が浸透したのはユーナ本人才覚ってことか?ユーナをアイドルに見立てると…清純派聖女アイドル・ユーナと熱狂的ファンクラブ・街人ってことだな。違和感ない。

 聖女作戦っていうか、アイドル作戦じゃんコレ。ブーム起きてる。

 洗脳じゃないなら、アイドルの不祥事には注意が必要だろうがユーナなら…あ、今アサの所に置いてきちゃったような?すっかり忘れていたが、マズいんじゃないか?


「今ユーナはアサの所に居ます。マキア、影種族経由で誰かに大丈夫そうか見てきてもらえますか?」

「いいけど、アサと居るなら大丈夫だと思うわ。」

「いえ。そのアサが不安なのです。マキアもアサと二人きりにはならないで、油断しないようにしてください。ちょっと変わった性癖がありそうなので。」

「そうだったの?気付かなかった…気を付けるようにするわ。」

「はい。メイも…皆さんも気を付けてくださいね。」

「わかったー!」

「わかったの。」

「異世界人は変わっているの。」

「異世界人ってそうなんだね。」

「気を付けるよ。」


 影種族経由でユーナたちの安全を見てきてもらって、皆にはアサの危険性を警告したから、これで大丈夫だな。

 

「話が戻りますが、来てもらえるから、ラストにお願いしてもいいですか?」

「ぼく?いいよー。」

「誰でもいいけど、ぼくじゃダメなの?」

「ええと。ラストの白い羽がイメージに合うと言いますか…。」

「ぼくの羽はダメ?」

「いいえ!とても素敵です!でも、作戦のイメージ的にラストの方が適任といいますか…。」

「ふーん。まぁいいや。ルルとリリはどっちにするの?」

「ルルはどっちでもいいの。」

「なら、リリがここに残るの。」


 天使っぽいラストが来てくれるとことになり、聖女プロデュースは上手くいきそうだ。

 ルルも来てくれるなら心強いけど、来てくれるって意味なのか?

 

「ええと…ルルも来てくれるのですか?」

「ルルのマントをラストに貸すの。」

「ぼくらのスキルにスキル借用っていうのがあって、同意があれば誰のスキルでも借りられるんだ。」

「そうなの。でもルル達は特殊だから、スキルを貸すと起きれなくなるの。」

「それって大丈夫なのですか?」

「大丈夫なの。元々そうなってるの。」

「そうそう。ルルのスキルを借りたぼくは強いから安心してよ!」

「ちなみに、スキルを伺ってもいいですか?」

「いいよー。闇種族が、羽・命属性特化・思念記憶操作・スキル借用で、光種族が、光衣装・命属性特化・身体操作・スキル借用だよ。」

「なるほど。スキル借用で光衣装を借りるってことですね?」

「違うの。全部貸すの。」

「え!?全部ですか!?」

「そうだよ。だからぼくらの誰が行ってもいいんだけど、ぼくがいいって言うんだからしょうがないよねー。」

「はい。皆さんに協力していただいて、ラストには現地まで来てもらえることになって嬉しいです。」


 嬉しいが…全部のスキルを借りるって、強すぎないか?

 闇属性と光属性の特化じゃないのが気になったが、命属性は干渉権って言ってたから、それが上回れば思念記憶操作も身体操作も自分の身体のように他人に干渉出来るってことかもしれない。命属性特化ヤバいな。2つ合わさるとどうなるんだろう。

 あと、ラストのスキル借用でルルのスキルを借りると、ルルのスキル借用が残るんだが…さらに借りることができるってことだよな?想像しただけで、めちゃくちゃ強いな!

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