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異世界人に会ってみたいですが、実践することになるようです

 メイに転移してもらった先は、村のようになっていた。

 変わっているところと言えば、先ほど見た白い壁の屋敷と違い、木の中に埋め込まれているというのか、ログハウスと木が合体したような見た目のものがある。たぶん、木そのものが家の形を作りながら生えているのだと思う。

 時計の花を思えば、建物の木というのもあるかもしれない。異世界だし。

 そんな家の木が十数軒、見える範囲に点在している。

 畑なのか野菜のようなものが育てられている場所も見え、ここに住む人たちがいるのを感じ取れる。


「サイトに会うよ!」


 先導して飛ぶメイについて行くが、向かう先の家に着く前に扉が開き、一人の青年と一人の少女が出てきた。

 男の方は黒髪で、肌は白いが日本人にも似たアジア系の顔だちだ。軽く笑みを浮かべる様子は若干幼くも見える。童顔かもしれない。

 少女の方は茶髪に金の目をしている。整った顔立ちだが、表情が乏しくて人形のようにも見える。


「遅いじゃないか。待っていたぞ!」

「お土産持ってきたよー、レイが!サイトはうるさいの!」

「別にいいだろ。あいつらにだって、こんな時間に行ったら悪いだろうしな!

 お前がレイか?俺はサイト・ルーン・ショータラー。よろしくな。」


 男の方がサイトだったようだ。よく見ると灰色の目だが、顔だちも日本人で通りそうだし、名前もさいとう・しょうたろう、をもじったかのようでもある。アサが元日本人と勘違いしたのも良く分かる。

 出された手を握り、自己紹介。


「レイヤードです。レイと呼んでください。」

「そうか。ところで性別はどうしたんだ?」

「失礼ですよ。見ての通りです。」

「確かに見ての通りか?魔法特化にしたのか。残念だ。」


 視線を胸に向けられ、女性体…魔法特化であることが言い当てられる。本当に自分の情報は拡散されて周知されたようだ。

 しかし、なぜ残念がられた。

 マキアほど大きくはないがそこまで小さいわけでもなく、中性的とはいえ十分な美形であるのは自己評価だが間違いないのに。

 マキアとレイと温泉に入りながら、男性体の選択をすすめるような変態なのか?

 むしろ、マキアのように無性体の身体を撫でまわしたかったりするのだろうか。男に触られるなんて想像すらも拒否させてもらうが。


「初対面から喧嘩を売らなくてもよかろうに。物理特化と聞けば、見境なく喧嘩を売る阿呆者。」

「ハハハハハ!」

「レイよ、アストロリアという。このバカは無視して良い。よろしく頼む。」

「あ、はい。レイです。よろしくお願いします。」


 サイトはロリ少女…アストロリアにけなされて爆笑している。

 というか、物理特化スキル持ちの男性体の自分と、バトルをしたかったということか。

 最強…アサの言い方だとキョウがおかしかったから、バトル好きの狂戦士ということだろうか?

 あまり戦いたいと思わないので女性体になっていてよかったが、胸を見て残念がられたのでてっきり…思い返せば魔法特化を残念だと言っていたのは確かだ。

 ずいぶんと失礼な勘違いをしてしまって悪かったな、サイト。

 でも、ナイスバディ美女とカワイイ妖精と一緒にお風呂に入った自分は世の男どもの憧れの的になるのはしょうがないだろう。たとえ混浴だったとしても。

 いやむしろ、そこに中性系美人を投入した自分は、さらに賞賛の的になってもいい絵を作れたはずだ。

 自信を持って残念ではないと言い切れるので、残念と言った方が悪い。間違いない。


「このちっさいのが、土種族だよー。」

「メイシー!ダメだって。」

「ちっさいのは虹種族だろうに。お主も阿呆だ!」

「キャー!あははは!」


 土種族というのがロリ種族なのか、アストロリアが小さいだけかはこの言い方では判断つかない。  

 メイがアストロリア…言いにくいのでロリでいいか。

 メイがロリの頭に乗るが、怒ったのか口元をへの字にしたロリに掴まり振り回されている。マキアが心配そうだが、メイはずいぶん楽しそうに笑っているのでこのままでいいのだろう。

 美少女の戯れ…いいな。どう混ざろうか?


「アストロリアも種族スキルの他に物理特化スキルを持っているんだ。今日も組み手の相手をしてもらっていたんだが、明日はレイが相手してくれないか?」

「いいえ。結構です。」

「え?結構いい?ありがとな!」

「いえ、良くないです。」

「ダメなのか?ほら、この世界に来たばっかりだろう?実践も兼ねて、魔法と合わせて物理特化の具合も確認しておいた方がいいと思うぞ!」


 うーん。そういわれると、そんな気もしないでもない。

 ようやく、3人の美少女達から目を離し、サイトに向かい合う。

 彼もなかなかカワイイ系の整った顔立ちなのだが、この押し付けがましい態度で台無しだ。むしろ、この顔でこの態度だからギャップが…このギャップの良さはわからないな。


「ところで、アサから元々の世界も魔法の世界だったと聞きましたが、どうして物理特化にしたのですか?」

「うん?そんなの、魔法に飽きたからに決まっているじゃないか!元の世界では魔法の研究をしていたんだが、ほとんど調べつくして新しいこともめったに見つからないし、ずーっと魔法のことばかり考えていたら飽きてしまうのも仕方ないだろう?

 むしろ、魔法なんか使わず近距離で物理戦闘とかしてみたい!ってなるだろう?

 うっかり死んだら、神様がなんでも好きなようにしてくれるって言うじゃないか。せっかくだから、全盛期の身体にしてもらって魔法なんかいらないからとにかく物理を…魔法を破れるくらい強い物理特化をお願いしたのさ!

 神様は魔法がないと大変だと思うけど、とかなんとか言ってが、やっぱり物理戦闘が面白い!」

「飽きるほど魔法を使っていたのですか。考えられないですね。」

「ああ。アサと同じ魔法の無い世界から来たんだったか?

 少ない魔力でも発動のイメージに、物理と魔法の発生から経緯と現象のコントロールと魔力量と威力の計算までできればずいぶん魔力の節約ができるんだが、魔法のなかった世界だと少し難しいかもしれないな。

 まぁ、所持魔力が少ないと運用が大変かもしれないが、この世界の魔法はずいぶん簡単だから干渉力が6もあれば十分さ。俺も同じ6だしな!」

「…えと、この世界の魔法は簡単なんですか。それは良かったです。」


 ただの決闘好きかと思ったが、もしかしてこの人、すごい強いのか?

 魔法を破れるくらいの物理力と、干渉力6とはいえ前世の知識チートで魔法も十分使えるとか…最強だ。


「そうだな。この世界はずいぶん簡略化されているようだ。生物や植物の種類もかなり少ないし、ほとんどが魔力に依存している。こちら側と人族の側では魔力濃度の違いか、生態系も変わっているようなんだ。この魔力濃度の違いが与える生態系の影響もだいたい予想がつくが、これを神様とやらが作ったのならずいぶんと杜撰だと思うがな!」

「そうでしたか。魔力の話はさっぱり分からなくて…。」

「そうだったな!悪い悪い。こういう話をこちら側の種族に話しても全然通じなくて、むしろ創造主を悪く言うなって怒られてしまうんだ。気を付けないとな。

 では、魔法干渉力の上位の相手と魔法戦になった場合の場合のコツでも教えようか。」

「そうですね。お願いします。」


 魔法理論はともかく、人間側と戦争中となると無生体の干渉力で戦えるなら便利かもしれない。

 まぁ、人間側の戦力はかなり弱いらしいが。


「うむ。まず基本的に魔法干渉力の違う場合、放出系も操作系も相手に対したとき、上位相手だと大幅に効力が下がってしまう。その割合は感覚で覚えるしかないが、イメージする威力を実際に起こしたい威力より大きくして、魔力もその分込めることで思う威力の攻撃ができる。

 これが一つ目のコツだ。わかるよな?」

「はい。わかりました。」

「うむ。しかし、これでは魔力の最大値も干渉力に依存するため、先に魔力量の限界が来てしまう。

 そこで、相手に対して直接魔法現象を当てずに攻撃すればいい。

 例えば、魔法で地面に対して爆発現象をおこし、その爆風や飛び散る破砕物での攻撃だ。

 常用性や指向性を持たせるなら、先に土魔法で石や水魔法で氷を作りそれを風魔法などで打ち出せばいい。ここで気を付けることは、誘導性ではなく威力を定めて現象として打ち出すところで完結させることだ。

 物理現象に代わってしまえば、魔法干渉力で効力を下げられることはないからな。わかったか?」

「なんとなくですが、わかりました。」

「うむ。三つめは特にお勧めで、自身の内部に魔法を循環させればいい。

 生体に効く光魔法と闇魔法を循環させることで、魔法現象に対する耐性が強化される。さらに、身体強化もされるので、それで殴り掛かれば物理現象として相手にダメージが入る。

 どうだ、すごいだろう?」

「はい。すごいですね。」

「そうだろう。さらに、物理特化のスキルを使うことで、防御力もダメージ力も上がるんだ。

 ということで、明日男性体になって、俺と実践してみないか?両生体でもいいな!」

「…。」


 流れでうっかり了承しそうになった。

 これはためになる話だと思って聞いていたが、魔法戦のつもりがいつの間にか殴り合いになってないか?

 魔法干渉力の違いはそれで何とかなると思うが、この感じだと物理干渉力が違う場合も同じように効力減退させられそうで、物理干渉力5の自分には意味が無いような…いや、だからスキルである物理特化を使えとそそのかしているのか。

 ならば、魔法戦なら魔法特化にすればいいだけではないのか?そうだろう?


「む。あまり気乗りしないか?かなり手加減するし、レイは攻撃魔法も使っていい、ダメか?

 ほら、アサとレイのいた世界では実際の戦闘をするようなことはあまり無いようじゃないか。経験としてどうだろう!」


 そこまで言われてしまうと、断る言葉を考えるのもめんどくさい。

 実際に攻撃性のある魔法を人に向けて放つのは怖いが、サイトは最強系なのでうまく指導してくれるかもしれない。

 それに正直、魔法を使った命の危険のないバトルができるこいうことは、異世界っぽいし、かなり心動かされるものがある。

 男性体や両生体の性能確認と思えば、ありがたいだろう。


「…では、お願いします。」

「本当か!約束だぞ!」

「はい。」

「ハハハハ!」


 上機嫌で笑うサイトを見ると、なぜか失敗したような気がした。

 今回で最後にしたいかもしれない。

 両生体って最強だよな?サイトを見ていると、なんだか全然勝てる気がしないのだが。

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