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ずんむりペンギン 〜異世界へ行く〜  作者: 瀬戸のみかん
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ずんむりペンギン 旅に出る

 どうも、人間以外の主人公で初めて見ようと思って書いた作品ですが、それでもいいという方はどうぞご覧になってください。

 僕はペンギンである。名前はずんむりペンギンという。

 これといって特別な事は無く、ただ普通に兄弟達と一緒にタマゴから生まれ、同じようにすくすくと育ってきた。そして、産毛が生え変わり、大人になっていくにつれてふと気づいた。


「なんか、皆と体型が違う」


 皆は凄くスマートですっきりしているのに、僕だけが凄くふっくらとしていて凄く違和感があった。そんなずんぐりむっくりしている体型だったので皆からずんむりペンギンと名付けられた。だけど生活に不備があったかと言われればそんな事は無く、むしろ運動神経がバツグンで軽々と泳ぐ事が出来るので皆にうらやましがられた程である。


 そんなある日、僕はいま立っている氷からずっと何処までも続いている海を見ていた。物心ついたときから思うのだ。この海の無効には一体何があるのだろう。一体どんな生き物達が住んでるのだろうと、外の世界を見てみたい。そう思って両親達に言ったら猛反対された。海の向こうには自分たちペンギンよりも遥かに大きい猛獣達がすんでいて、もし一匹で外なんかに行ったらたちまち食べられてしまうらしい、それを聞いて少し体が震えた。しかし、そんな事では僕の中の何かが消える事はなかった。そんなある日、僕の住んでいる大陸に変な物を頭に被り、何かを体に巻いてる一匹のペンギンがやってきた。


 彼の名はジャック・ペン。世界をまたに駆ける冒険ペンギンらしい、彼はしばらくの間大陸にいる事を群れの長に許しを貰うと、すぐさま群れから少し離れた所で休みだしたのだ。僕は思わず彼に近づいた。外の世界を旅しているらしい彼は一体どのような世界を見てきたのだろう。もう聞きたくて仕方なかったのだ。


 彼は様々な事を教えてくれた。ここより北にはいくつもの大陸が存在しており、地形や気温という物が段違いの領域との事。一向に夜が訪れないここによく似た北の最果ての地。立っているだけで体が乾涸びてしまうような砂の大地。世界で一番面積がある巨大な川、そしてそこに住む獰猛な猛獣達。彼が語る外の世界は凄く壮大で、ぜひとも見てみたいと思ってしまった。

 僕も彼のようになりたい。そういうと彼は困った顔をしたが、途端に笑ってこういった。

「大人になって、十分に知識と体を作る事だな」

 そういって彼が旅人になるまでに何をしていたか、そして冒険家としての心得やいざという時の戦い方を教えてもらった。僕はそれをすぐさま記憶に深く刻み込んだ。いつか彼のような冒険ペンギンになる為に……。そして何週間か日がたち、彼は再び旅立っていった。ちなみに彼が身につけていたのは帽子とバッグというらしい。


 あれから二年後、自分で言うのもなんだけど僕は立派に成長した。この2年の間は本当に色々あった。まず旅に出る事を決意した後、両親や長を必死に説得した。最初は猛反対されたけれども僕の決心が揺らがないのを見てとうとう許しを貰えた。兄弟達は旅が終わったら色々話してと言ってきた。もとよりそのつもりである。そして今日がついに旅立ちの時、両親や兄弟達をはじめとするこの大陸にいるペンギン達に見送られながらの旅立ちとなった。

「いつでも帰ってこい」と両親に、「土産話よろしく」と兄弟達に言われ、僕は帽子とバッグを身につける。これはジャック・ペンが旅立つ際、いつか誕生する冒険ペンギンにとくれたものだ。


 準備は整った。さあまだ見ぬ世界を目指して僕は2年間生まれ育った氷の大陸を旅立った。いつもは魚を捕る為で辺りの海を泳ぐだけだったが今日は違う。ドンドン先を泳ぎ、広大な大海原に出た。あれからどれだけ泳いだのだろう、後ろを見ても、もう家族がいる大陸の姿はなかった。少し寂しくて悲しくもなったが、僕は前に進む事にした。


 だが、途端に泳ぐのをやめた。やめざるを得なかった。目の前に空に届くかのような巨大な津波だった。あれにのみ込まれたらただではすまないだろう。

 もしかしたらここで僕の冒険は終わるかもしれない、だけど運良く生き残れるかもしれない。一体どうなるのだろうか、まだ僕は世界を見ていないというのに、だけどここで諦めるのは僕が嫌だった。だから生き残る為僕は皆に祈った。両親、兄弟達、皆、僕に力を貸してくれ!


 そう皆に祈って、僕は津波に巻き込まれた。

 うちのずんむりペンギンは一頭身です。(これ大事)

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