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舞闘会での連戦そして決勝へ

コトハが、学生寮のベットで就寝していると


ドアをノックし、コトハの返事も待つのも


待っていられなかったらしく


ミカエルが、早足で部屋に入りこむ



コトハは、体を起してベッドに腰かける


眠たそうな眼で、ミカエルを見た



「コトハ、すまないね


 お疲れのところ、昨日は大変だったよね



 でも、君にとっては良い経験になったようだ


 そうそう、今日はこれに君のサインして欲しくてね


 朝の早い時間に、無礼を承知でこうして尋ねて来た訳だよ」




ミカエルは、コトハの視界から見やすいように


何時もは、部屋の中央にあるテーブルを


コトハが腰かける、ベッド側へ押し出した


テーブルの上に、コトハがサインをすれば


すぐ提出できる


天上舞闘会のエントリー用紙を置いた




「昨日の、コトハの動きを見てね


 私は、閃いたのだよ


 そろそろ、私以外ともね


 手合わせする機会を、作るべきであり、


 ちょうどその時期に、なったと思ってね



 私は、丁度いい具合に開催される


 この大会への参加を勧めに来たわけです



 どうします?、まあ締め切りが今日までなのですが


 と言いますか、なるほど~今日から予選会なんですね


 出場しますよね、こんなチャンス滅多に有りませんよ


 あれペンが、こんな所に有りますね」







ミカエルは、ペンをコトハに握らせ


大会へのエントリー用紙にサインさせる


(何時の間に、私サインをしてるし


 ミカエルさん、意識がハッキリしない


 寝起きに来るとは確信犯です)

 




ミカエルは、満足げに頷きサインを確認し


素早くエントリー用紙を、しまった





「コトハ因みに、優勝したらね


 とても大きい家が、余裕で買える程のお金が貰えるよ



 あと政府機関のスカウトや、腕試しと称して試合を挑まれたりかな


 スリリングな、日常が送れて退屈しない事を


 私が、保証しよう 



 そうか~、当日たまたまエントリーした奴が


 もしも優勝を掻っ攫っていったら


 睨まれるだろうね、何かのついでの様に


 優勝されたらね~コトハ


 あ~忘れてたよ、一番重要な事を


 なんと、優勝すると帝国天上舞闘会への


 出場権が与えられます、レベルは数段上がる大会


 最高峰の大会と考えてもらって構いません」


(ミカエルさん、楽しそうに言うし)





「そう言えばコトハ、なぜ天上舞闘会という名がついたのか


 説明しておこう、大会に出場する訳だから


 これくらいは当然常識として、知っておかなければならない


 昔々、当時の統治者の、御前で二人の魔法騎士が


 剣を交えている姿が、まるで天上の闘神が


 舞を舞っているように、見えたことから


 まあ、そんな感じの話し


 これだけ知ってれば、もう十分」

 



(ミカエルさん、ブッと切ってるし話)


コトハは、ミカエルが持ってきた


硬い揚げたパンを、朝食として食べ


ミカエルに、急かされる様に寮を出る



天上舞闘会が、開催されるアインスへ向かう為に


転移魔法が利用できる、学院内の施設へ向かった



内部へと入ると、ミカエルが使用申請書を書き込む


書き終えると、コトハを伴い


球体がある、前へと立つ




「さてコトハ、心の準備は良いかな?」


「大丈夫です」



「宜しい、ではそれに触れて」


コトハは、球体の上に手をおく


一瞬浮遊感を感じる


そして、直ぐに違う景色が目に映る


すぐ目の前に居る、ミカエルが振り返り


コトハの顔色を観察した





「大丈夫そうだね、初心者は乗り物酔いの


 症状をうったえるんだよ、


 では、行こう」





「はい」


(これも魔法~覚えるの大変そう


 発動すると魔力を、大量に使うみたい)



アインスへと到着するとすぐさま、ミカエルの案内のもと


天上舞闘会の会場へ行き、エントリー手続きを行った





ミカエルが、全ての手続きを代行した


コトハ、多くの人が行き交うエントランスを見ていた



全ての手続きを終えた、ミカエルがコトハを待たせていた


黒い皮のソファーに、腰をかける





「コトハ待たせたね」




「いえ、有難うございます


 手続き全部やっていただいて」





「気にしなくて良いよ、こちらも急遽君を


 この大会へ、連れだしたのだから


 これ位当たり前だよ、気にしなくてよいよ



 では、早速エントリーした時に


 聞いた概要を話そう


 今から、コトハは予選会に出てもらう


 参加者を絞る為のね、舞闘会場で何かやるそうだ


 時間もない、さあ行きたまえ」




「はい、すぐ行きます」





コトハは、その場を立ちあがり早足で会場へと向かった


多くの予選参加者の、後ろに続くようについて歩く


大きな円形の台上の、上へと上る


審判が、前へ立ち予選方法を説明した


(この台上に、最後まで立っていれば良いみたい)




コトハは、周りの多くの予選参加者を確認する


アインスのお土地柄、多くの優秀な魔法騎士を輩出している


誰もが名前を聞いた事がある、名門の魔法騎士学院の生徒が多く目に入る



そして、大会運営役員がスタートの合図をした


コトハは、どのように動くのか思案し


周辺を確認する、中央にいる甲冑を着込んだ参加者が素早く魔法を


構成発動したのを感じ、コトハは身がまえた


(早い術構成が、一気に決めるつもりみたい)


コトハを除く、多くの予選参加者が壁に衝突し


場外となり、失格になる



コトハは、空中へと浮かび暴風と火炎球をやり過ごす


(容赦ない、最初に重力系の魔法で参加者の体勢を崩して


 風と火で、吹き飛ばし退場させてるし)



まるで爆心地のような会場には、二人だけが残る


中央には、甲冑を着込んだ者


空中で静止している、コトハの二人が残った


その様子に、慌てて審判が宣言した


本選への通過者2名を、台上に立つ甲冑の者とコトハ


審判は予選結果を、書類に書き込む



予選の通過が決まり、コトハはミカエルと合流した


コトハが、腰かけると


ミカエルは、本選出場者のプロフィールを手渡す





「ミカエルさん、お手数おかけします」


「いや~どういたしまして


 当然の事をしたまでさ、この天上舞闘会はね


 優勝者を当てるくじが、有るんだけどね


 私は、楽しみでね


 勿論、大会運営国のアインスは潤うしね


 ちょっとした、お祭り騒ぎだよ


 当然、私はコトハに賭けたから


 気を抜いて、不甲斐ない動きはしないように


 そうだ、一つアドバイスをしようねコトハ


 連戦だから、瞬殺しなさい



 時間をかけていたら、体力も魔力も持たないよ


 例え勝ったとしても、次の対戦で動けないんじゃねえ~


 意味無いからね



 敵にも、手の内を見せない事に繋がるからね


 一石二鳥だね」





その後も、昼食を口へ入れながらミカエルは


コトハが緊張しないように、度々話しかけ話題をふる

 

本選出場者の、集合時間が迫る





「コトハ、忘れてたよ


 君と同じように、当日エントリーして


 本選出場を決めた、甲冑の方は


 アインス国の、第一王女だったそうだよ



 因みにお名前は、アイリス様


 ドサクサに紛れて、当日エントリーしたみいだね


 反対でもされてたのかな?まあコトハなら楽勝だよ


 良いかい、手を抜いたら相手に失礼だからね


 肝に銘じときなよ」




(面倒が起こらないように、穏便に勝てれば良いんけど)





「ミカエルさん、言いつけを守って頑張ってきます」



コトハは、ゆっくりと立ちあがり


舞闘会場へと、向かう


歩き去るコトハの背中を、見てミカエルは


言葉をかける




「緊張してよいんですよコトハ


 最初だけはね、許されますからね


 初陣だねスカイ、飛ばせよ」





コトハは、振り返ると礼をし


立ち去る






コトハは、選手控室へ向かい


落ち着かない、時間を過ごし初戦をむかえる


正方形の、大きな会場でコトハは初戦の対戦相手


ドルスと対峙した


(え~と魔法騎士学院4回生


 既に、魔法騎士隊へ入隊が決定している


 だからゴツイのね)





コトハは、ドルスを観察する


太く丸太の様な手足に、鋭くコトハを見る眼


刈り込まれた頭髪が、印象的


(打撃に強そう、私のの蹴りで倒れてくれるかな?


 方針は変えない、早めに決める)





審判が、開始と宣言した


コトハは、一気に距離を縮め


ドルスも、直進する


コトハに対し、まずは牽制するように長剣を鋭く振る


剣を振るう音が、空気を震わせ


スカイの耳に響いた


(空気が、震えてる


 外見通り力はあるみたい、コンパクトで無駄がない振り


 怖いな当たったら


 骨折で済むかな、あの威力だし)





長剣の動きを注意しながら


コトハは、体の上体を捩じり


剣先を避けながら、


拳をドルスに向け放つ




ドルスが、回避しようと重心を右に移動する瞬間に


長剣を持つ、右手首を掴み


前方へと軽く引き


手首を、捻りあげた



若干トルドの、バランスが崩れた所で


コトハは、やや大振りに足を引き反動をつけ


蹴りを、脚へと放った


(残念、これでは足りないみたい、


 倒れない、これ位の打撃じゃ)


コトハはほぼ同時に、もう片方の足を勢いを付けて


トルドの肩に、振り落とし


更に上から体重をかけ踏みつけ


支点とし、無防備な後頭部へと腰を鋭く捻り


回し蹴りを、叩きこんだ


ドンと音を立てトルドの体が、床へと倒れた


(動きが素早い人には通用しないかも



 威力を上げる為に大振りにしたから)


直ぐに、審判がコトハの勝利を告げた


コトハは、控え室へと戻り


緊張で力が、入りすぎた腕を揉み解す


(疲れるよ~体も張ってるしどんだけ私


 無駄に力入れてたの


 それに待たされると、不安になるし


 落ち着かないよ)





コトハは、出場者控室の隅で


腕や足の腱を伸ばしたり、柔軟運動を何度も繰り返し


体を温める、



対戦時間になり、闘技場へと向かう


そして、次の対戦者ミリアムと今


対峙していた



治療師専用の、全身隈なく肌が一切見えない


ローブの下にはチュニックとレギンスで、身を包み


顔の目元だけが、僅かに見えている


ミリアムは、トルドとの対戦で見たスカイの動きを


見て、確実に動きを止める方法を思案していた


接近戦では、こちらが不利になり


結果が見えていた、




コトハは、ミリアムを正面に捉える


しっかりと、注意深くを観察する




(確か、蘇生魔法研究の本山の治療師か


 若くして稀代の天才と呼ばれているらしい


 蘇生魔法を、多くの人に施し尊敬を集めているか


 手札は魔法だろうけど、どう出る来るのかな~


 まあ私は、速攻で決めるしか無いんだけど)




コトハは、ミリアムが魔法を使う前に


勝負を決めたいと、考えていた


魔法の対処に、対応するのに手間取り


時間をかけるのは、非常に厄介だと感じていた


本番で、機転を利かすなんて余裕はない


初見の魔法を、対応策を練り打倒するのは


厳しいと考えていた



審判の合図と共に、コトハはすぐさま動きだすが


動きを、止めざるしかなかった



コトハは、周辺に眼を配り警戒した


視界から、既にミリアムの姿が消えている


(これは、空間認識系?


 居るはずの者が、認識視覚出来ない)




光の光線が、忽然とコトハへ向けて幾つも飛んできた



(冷静に、見えないだけ魔法使用者が


 回避だけに、専念しよう)




コトハは床を蹴り、素早く横へ移動した


光線からの回避を試みる



コトハは、避けきれない幾つかの


光線を、素早く魔力を放出し


止めるべく



両手を突き出し、シールドを展開すると


素早く光の光線を横へといなし



アイスダストを、発動する


広範囲に、氷の小さな結晶が四散し飛び散る


(全範囲魔法だから、何かしらの反応が有るはず


 すぐに決着をつけないと


 面倒になる前に倒す)




コトハは、目を凝らしミリアムが居るであろうと


前方の反応を窺う


結晶を避けるために、ミリアムが構成した、


黄金の盾が、形成されるのを見つけ



素早く加速直進すると同時に、魔力で拳を覆い


光輝く盾へと、気合いを入れ拳を撃ちこんだ


コトハの拳は、盾を撃ち破り光が飛散する



盾を目の前で展開していた


ミリアムが予想外だったのか、目を見開き驚く


コトハの拳は、盾を突き破り勢いを増して



ミリアムの、顔面へと向かうが


コトハは拳の軌道を曲げて、下へ叩きつけるように腰を落とし


ミリアムの腹部へと、体重をかけ体全体で押し込むように


撃ちこんだ



ミリアムの体が、くの字の様に曲がり


鈍い音をたて、床へ沈み込む


審判が、駆け寄りミリアムの様子を見て


コトハの勝利を告げた


(頭は、打ってないみたいで良かった)



コトハは、ミリアムとの対戦を終えて


控室で、疲れた表情を浮かべる


関係者として、ミカエルも同席していた




「コトハ、君完全に悪役だよ


 治療師のミリアムさんを、躊躇なく倒しちゃったからね



 しかし、他人の目や評判なんて気にする必要はないさ


 私はコトハを信じているよ


 なにせクジで君に、最初から賭けてるのは


 私だけだからね、優勝して喜びを



 共に分かち合おうじゃないか 


 あ~何と、次は早い事に決勝戦かコトハ


 相手は、アインス国第一王女アイリス様か


 手を抜いてはいけないよ、正々堂々戦いぬこう



 これは良い機会だよ、試合なんだから処罰される事無く


 王女に、触れることが出来るね



 うっかり足が滑り、押し倒して胸を揉んでしまうかもしれない


 そうそれは、真面目に対戦しての結果なんだよ



 変態と罵られても気にするな、己の道を突き進むんだ」





「ミカエルさん、ご自分の願望を言わないで下さい



 私しませんよ、そんな事



 まあ対戦相手も嫌ですが


 私自身が、疲労困憊なんですよね


 もちろん、ここまで来ましたから


 勝ちにいきます」






「コトハ、速攻で決めろ


 アイリス様も、連戦なんだから


 隙は必ず有るさ


 では健闘を祈る」

 




ミカエルは、コトハの肩をたたき


控室から、立ち去った




(隙は必ずある、誰にだって


 こっちが、隙だらけだし)



コトハは、心を落ち着け決勝の場へと


足を踏み込むと



アイリスの姿を正面から見る


予選での、甲冑での姿ではなく


真っ白のローブ、クリーム色のケープを纏う



両手には、2メートルほどの杖をそれぞれ持つ


アイリスと対峙する


コトハの姿を、眼鏡の下から


目を吊り上げ睨みつけている



(前の対戦では、コトハは広範囲攻撃魔法を使っていたけど


 問題無いわ、私の魔法で完膚なきまでに叩き


 勝負を決めてさしあげましょう)



アイリスの視線を受けるが、コトハは冷静になろうと努める


(あのあふれ出る殺気は、威嚇かな


 それとも疲労しているのを、隠すための演技かな


 何時もあんな感じの人なのかな


 疲労で、頭が回らないし


 どうやって魔法に対処しょうかな)




審判が、両者が準備が出来たのを確認し


試合の開始を告げた



コトハが、動く前に既に


アイリスの魔法が発動した


コトハは、体の重みを感じる


そして、風圧を受け


足を踏ん張る



アイリスが、杖を振るい大きな火炎が


コトハに向かう


(重力、風、火、



 予選の時と一緒、とりあえず様子見で


 視界を塞ごう)



コトハは、氷の塊を広範囲に展開し


アイリスへ向けて放つ


(無駄ですねコトハ、魔法で私に対抗するなんて


 無意味な事をしますね)


アイリスは、特に慌てもせず


杖を軽く振る、辺り一面が大きな火炎で覆われ


氷の塊は、一瞬で消え去る


(凄い、蒸発さえしないし正面に居なくて良かったよ)


コトハは、空中へと既に動きだし火炎を回避し


アイリスが、視線を前方へ向けスカイの姿を探し


前方へ意識が集中している隙をつき


無防備な、後ろへに回り込んだ



アイリスの、後ろに立ち指頭を振りおとし


意識を狩り取った



審判が、アイリスの姿を確認し


コトハの勝利を告げた



表彰などを終えて、ミカエルと共に


魔法学院への帰還の為、転移装置へと向かう



「コトハ頑張りましたね、君の空気を読まず


 アイリス様を躊躇なく倒す姿は、鳥肌ものでしたよ


 試合が中継されていた会場に、私は居たのですが


 周囲の空気が、重くなるのを感じまして


 心を痛めましたよ、私はね」




ミカエルは、胸に手をつき大げさに


コトハに話す



「ミカエルさん、そんなに嬉しそうに話されても


 クジで、儲かったんですから


 良いじゃないですか」





「それ程でも有るね、でも良かったじゃないか


 アイリス様に、顔を覚えてもらえて


 私なんて、スルーされたよ


  謁見出来るチャンスなんて


 滅多に無いから、手を差し出したのに


 コトハしか、見てないんだよ


 参ってしまうよ、まったく


 そう言えば、帝国天上舞闘会の出場権利を得てしまったね


 大変だね、アインスの出場者の為にも



 簡単には負けられないね、色々とね


 有るしねコトハには、負けられない理由がね」



コトハは、謁見でのアイリスの様子に苦笑いを浮かべるしかない


コトハが、謁見の間に入った時から


目を離さず、凝視していた



アインス王に、健闘を称えられ


帝国天上舞闘会での、活躍を期待していると激励され


謁見を終え、退出しようとした時に



アイリス王女が、コトハを呼び止め


帝国天上舞闘会で、簡単に負けるなと


くぎをさした



アイリスなりの、言葉をかけ


それ以降は、コトハを一切見ずに


その場を後にした


「複雑ですけどね、私としては」


「コトハ、私は君なら大丈夫と確信してるさ


 なにせ、私が指導している優秀な生徒だからさ」


コトハとミカエルが、転送装置を利用し


魔法学院が有る、帝都に着くと


コトハの正面に立ち、大事な話があると切り出した


「コトハ、私は君が必死に戦っている時にね


 けして遊んでいたのでは無いんだよ、色々と動いていたんだ


 あ~、そうそうコトハの身元保証人はミラさんだから


 君は弟子だもんな、そう言う事でミラさんの推薦でね


 魔術師、魔道師組合に行きたまえ


 そこで、色々魔法アイテムを作り見分を広げてきなさい


 以上だ、頑張れよコトハ



 私は、魔法学院に居るし、ミラさんも居るんだから大丈夫だ


 因みに、君の師匠はよく言えば放任主義だから


 こちらから、会いに行かないと何も助けてくれないし


 弟子の様子も気にしないと言うか、存在自体を忘れる方だから


 注意しときなさい」




「わかりました、とりあえず組合の方へ


 顔を出しに行ってみます」





コトハは、ミカエルから魔術師、魔道師組合への


道順を聞き、徒歩で歩き向かう


石畳の上をゆっくりと歩く


(戻ってきた、無事で良かったな私


 そう言えば、ここ帝都だったんだ


 だから最大戦力っぽい魔法学院もあるし


 ミラさんも居る訳かな)



帝都の丁度中央にある、魔術師、魔道師組合の建物へ


コトハは足を踏み入れた



外観は、丸い円柱で何処までも上に続く


下から、上を見ても雲が邪魔をして最上階が


見えない程の、高さを誇る



(この世界の文化レベルって


 魔法が存在する時点で、これまでの常識は通用しないし)




コトハは、早速建物へと入り近く組合職員に


ミカエルに渡された書類を渡す


コトハは、奥の部屋へと通される


少しの時間待たされると、職員が戻ってきた


そしてコトハの、対面に座る


「お待たせしました、コトハ様


 ミラ様の推薦書、確かに確認いたしました


 では、早速こちらでの生活をご説明します


 魔法アイテムの制作が、中心ですね



 材料、販売など全ては、私ども魔術、魔道組合が


 全面的に管理させていただきますので


 ご了承ください


 制作に、集中していただきたいという考えですので


 ここまで、御理解できましたかスカイ様?」




「はい、続きをお願いします」


(職人みたいに働くみたい)



「え~ではコトハ様は資料によると


 氷属性の魔法を使用出来るようですね


 そうですね、う~ん武器に付与して販売しましょう


 まずは、木の矢に氷属性を付けて下さい


 1セットとして、1ダース


 完成したら、コトハ様の工房兼住居


 この塔の四階にご用意しております、玄関前に置いといて下さい



 他の完成品なども、お願いします


 職員が、回収しますので


 では、早速販売価格を決めましょう」 




職員が、コトハに木の矢の


最近の相場表を示す



コトハは、手に取り考え込む


(え~と、直近が銅3000枚


 最安値が銅1000枚)


「銅600枚では安いですよね?」



「それでは、認められませんね


 此方も、材料として木の矢をまずこちらの一階で


 購入するわけですが、コトハ様に利益が出ませんよ



 この値段では、そして一番の問題は私どものブランドイメージが


 損なわれます、最高品質の商品を提供してますから私ども


 そうですね、銅900枚でどうでしょか」



「妥当だと思います、その値段でお願いします」



「有難うございます、では必要な物は全て


 コトハ様の、工房に運んで有りますので


 どういたしましょうか、私が工房へ案内いたしましょか?」



「いえ、大丈夫です


 早速作ってみたいんで、他にも色々」



「期待しております、コトハ様」


コトハは、その他にも色々と職員から説明を受け


早速、手入れが行き届いた木製の階段を上り


4階の工房兼住居へ入った


お疲れ様です、温かい目で読んでください


失礼します

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