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工房での作業

ダンジョン地下4階の結界装置に


コトハは手を翳し魔力を放出すると、スカイの個人認証が認識され


登録が完了した




結界内には、体力、精神力を回復させる淡い光が降り注いでいる


コトハは結界内に腰を落ろすと、ダンジョンを清掃しているという生物を


待っていた


(あまり期待はないけど、どんな感じなのか見る義務は


 管理者として有るよね)




ダンジョンに大きな音が響くと、ロープを張り巡らされている地下4階の


ダンジョンに爬虫類が降ってきた、大きな巨体を揺らしながら


巨大な口を開けると、大きな舌を出す


舌の上には巨大な水草が生え、小さな池も存在する


(なんで池が有るの?面白い舌)






爬虫類は張り巡らされているロープを、舌で舐め


何度も絡みつくように、舌を這えずわせては動きを止めては


大きくゲップをはく


(バランス感覚は良いんだね)







ロープの上でも、スムーズに進みながら舌でロープを舐めて進む


舐められた後のロープには、汚れが落ち何故か光り輝き


光沢を放っている


(見なきゃ良かったよ、まあ綺麗掃除出来てるけど


 もう用は済んだし、帰ろう)




コトハは、組合が在る塔の方向へ向くと


移転魔法を唱える為に、目を瞑り


幾つもの束から、ラインを探し見つけ出すと


一本のラインを掴み出し、手の先から魔力を少しずつ注入していく




コトハは、ラインを引き寄せ魔力注入の量を増やしながら


更に魔力を込めると、コトハの体の周辺にも魔力が漂い始め光りが発生する


ダンジョン内にも光が溢れ出ると、移転魔法が発動する


ダンジョンに居た、コトハの姿は消え去る




4階の工房兼住居へと転移したコトハは、工房奥に設置してある浴室へ行き


シャワーを浴びると、疲れを取る為に


直ぐにベッドに行き眠りについた




翌日の午後遅い時間に、漸くベッドから立ち上がると


肌着の上から、シャツを着て鏡の前で自分の顔を見た


(眠そうな顔)




食堂へと、遅い今日初めての食事を取りに行く



何時もの様に、人が疎らな時間にスカイは食堂に着くと


カウンター前に立つと、厨房から食堂の職員が出迎える



「コトハさん、新しいメニューです


 試食をお願いします、出来れば感想もお聞かせください」



コトハの目の前に、トレイが置かれる



「まずはこちらです、糖度が低い品種のイモを細かくカットし


 焦げ目をつけ、寒天ゼリーと混ぜてみました


 最後に蜂蜜で、味を整えました」



コトハは皿から、スプーンですくい口へと含む



「良いですね、イモが香ばしい香りを醸し出し鼻に抜け


 プニプニと口の中で弾ける、寒天の食感


 そして蜂蜜の甘さが、2つの食材を絶妙に結びつけていますね」




「有難う御座います、次はこちらです


 まず糖度が一番高い品種のイモを、蒸かします


 その後に、潰し丁寧にこねます



 パン生地には予めレモンの果汁を絞っておきます


 パン意地で、こねたイモを包み込んでふっくらと焼き上げました」




コトハは、皿からふっくらとしたパンを手に取り千切ると一口食べます



「こちらも美味しいです、イモ本来の甘さが生地で包む事により


 より感じられます、そしてパン生地からレモンの爽やかな柑橘系の香りが


 清涼感を感じさせ、フルーツの様なパンです」 



「流石コトハさん、そこまで評価していただきまして


 私も作った甲斐が有るというものです、次も期待してくださいね」




「いえこちらこそ、有難う御座います


 こんなにも美味しいものを、食べる事が出来て幸せですよ


 良いんですか、私だけこんなにも構ってもらっても」




「もちろん大丈夫です、イモ類はそんなに高価でもありませんし


 みなさん、工房での作業で多忙なようで


 毎日食堂に来て、お食べになりませんので


 それに今は、空いている時間ですし私も勉強になりますので」



「そうですか、新しいメニュー期待しておきます


 では、御ちそうさま」



「コトハさん、ごゆっくりお食べくださいね」



コトハは、カウンターからトレイを受け取ると


テーブルへ向かい、食事を始めます



「なかなか美味しい、喉につまらないし」



コトハは食事を終えると、カウンターにトレイを戻し食堂を出る


コトハの姿を見つけると魔術師、魔道師組合の職員が、呼び止めた




「コトハさん、魔道具の修理をお願いします


 既に工房へと、転送していまので」



「了解です、何か注意する事は有りますか?」 



「特に私は、指示は受けてませんので


 特には無いと思いますよ」 

 



「分かりました、では」


「宜しくお願いします、コトハさん」


コトハが完全に立ち去るまで、頭を下げ続ける組合職員





4階に在る、工房へと戻ると魔道具が幾つか転送されていた


(結構沢山有る、全部同じ人の物かな、


 ダメ、下手な詮索は身を滅ぼすと言うし)




コトハは魔法陣を、作業台全体を使い大きく描くと


魔道具を、中央に纏め置いていく



(指輪、ブレスレッド、懐中時計、ステッキ、ベルト、カフス、チョーカー


 ネクタイピン、眼鏡、魔力は結構消費しそう


 これだけ有る流石にね)




コトハは何の装飾もしていない指輪を手に取ると、魔力を少しだけ干渉させ


魔道具の発現を、確かめてみた




指輪から、魔力の発動を感じると


風へと魔力が変換され、指輪から強い突風が放たれる


工房の中を強い風がビュっと、一瞬吹き抜けた



(凄い威力、少しだけ魔力を注入しただけなのに


 只の美術品じゃ無いんだ、十分実戦で使用出来る性能は有るし)





コトハは指輪を戻すと、魔法陣の外周に触れながら魔力を指先へと集中させながら


魔力の放出を始める、最初に魔法陣が光り輝き始めると


魔道具にも魔力が徐々に送り込まれていく




(今回は、魔力変換の作業が無いから一番難しい魔力を変換する箇所は


 正常に作動しているみたい、美術品とも扱われる高価な魔道具


 これだけの数を、所有し使用している人はお金持ちだよね)

 



コトハは、数十分魔力注入を続けていると漸く魔道具全ての


魔力貯蔵量が、満タンに達する




コトハは作業を終えると、作業台に描いた魔法陣を消しさる


魔道具全てを箱に詰めると、ドア前の作業台へと置く


 




コトハ日記抜粋




私はダンジョンを清掃しているという、生物を一目見る為に


地下4階で待ったいた、大きな音をたて爬虫類が落下


この生物が清掃しているらしい




まさか舌で舐めていると


思わなかったけど、という事は1階も舐めてたの


床が光り輝いていたし、効果はあるんだよね素晴らしい効果だけど





知らなかった事にしよう、乾燥してれば綺麗なんだよ


そう、大丈夫だよね




私は、衝撃の光景を観おわったので


移転魔法を発動させて、工房に戻るとシャワーを浴びると直ぐに寝た




翌日は、午後遅くに起床すると何かお腹に入れるべく


食堂に向かう、カウンターで待っていると


食堂の職員の方が、新メニューを私に試食してほしいと頼まれた




何時もの様に、イモを使った創作料理でした


最初は炒めたイモと寒天ゼリーを、蜂蜜で絡めた物を口に含む


イモを炒めたのが、良いアクセントになっている


私的には、イモの香ばしい香りが良い感じ




次は、イモを潰しこねた物をパン生地で包み焼いたパンだ


生地からレモンの風味と香りがして、私は好きかも



素材本来のイモの甘みが、パン生地に包まれた事により増した点を


評価したい、一品




私が食堂を出ると、職員の方に呼び止められる


魔道具の修理を頼まれる




魔道具とは魔力を消費しないで、魔法を発動出来るので


需要は高いけど、高価でメンテナンスにも手間がかかるから


実際には使わず、完全にコレクター商品として扱われている



試しに実際に指輪を手に取り、少しだけ発動させたら


予想外に、威力が有り驚いたな十分実戦で活躍出来る代物




しかし態々手間も費用がかかる物を使うとは、何か深い理由でも有るのか


非常に興味深い


お客様の詮索は止めておこう失礼だし




工房で、魔道具を纏め魔法陣の中央に置くと魔力を注入した魔道具へと


それぞれ許容量一杯に、魔力を補給して作業を終える




しかしこれ全部、同一人物の物らしい


全部身に着ける物、よく使い込んでるし大変なお仕事してるようだし


この人は



修理と言っても、魔道具に魔力を注入するだけ


魔力変換の箇所が、正常に動いているみたい



私にも作れないかと、思案したみたが大変そう


機会が有れば考えてみようかな

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