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帝都天上舞闘会

コトハがベットで寝ていると


ノックを1回し、魔法学院講師のミカエルが


部屋の主の返事も、待たずに工房兼住居に無断で入る


「コトハ大変だよ、早く身支度を整えるんだ」




コトハは、ベッドから起きると急いで


壁にかかる鏡の前で、ローブを着つける



ミカエルは、椅子に座りながら


のんびりと長い脚を組んで座っている




「出来たようだね、じゃあ早速行こうか」


ミカエルは、床に簡易魔法陣を描く


「ミカエルさん、どちらに行くんですか?私達」




「帝都天上舞闘会だよ、コトハは以前アインスでの大会で


 優勝したから、出場権を得たんじゃないか


 今から、受付に行くよ


 嬉しい事に、今日が開催日だ


 悩む必要は何も無いさ、存分に楽しんでくるが良い


 さあ、陣に入りたまえ」




コトハは、ミカエルに促されると陣に足を踏み入れた


ミカエルは、コトハの腕を掴むと


陣を発動させる




コトハは、浮遊感を感じると直ぐに着地の準備を整えた


何とか足をつき着地に成功する




「コトハ、あそこが受付会場だ


 幸運を祈る、がんばれよ」




ミカエルは、大会職員が座る受付台を指さす




「送り届けていただき有難う御座います」


「気にしないでくれコトハ


 私が見たかぎり、コトハは優勝は出来る


 私は魔法学院に、戻るから


 あ~そうだこれは君の対戦相手になるであろう者の


 資料だ、参考にしてくれ」



ミカエルは、転移魔法を唱えると消え去った


コトハは、ミカエルに手渡された資料を


手に持ち、帝都天上舞闘会受付に向かう




「すいません、コトハと申します


 遅れて申しわけありません」




「お気になさらずに


 少しお待ちください、コトハ様」



大会職員は、手元の資料を


素早く手に取り目を通し、コトハを確認すると


大会参加書を手渡す




「こちらにサインをお書きください」




コトハは、参加書にサインを書き込み大会職員に手渡す


書類を受け取ると、大会職員は舞闘会の注意事項を


話し始めた




「確認しました、コトハ様


 舞闘会で注意していただくのは


 魔法薬など、体を回復させる者は口にしないでください



 そうしませんと、実力者同士の対戦では


 今日中に舞闘会が終わりませんので


 ご協力を宜しくお願いします



 また対戦が出来ない程の怪我を負った場合は、


 棄権とみなしますので、けして無理はなさらないで下さい、


 以上です、あちらが控室です」




「有難う御座います」





コトハは、大会職員に案内され控室に向かう


部屋に入ると椅子に座り、初戦の対戦相手の資料を読み始めた



魔法ギルド所属、レアス・ウォルター


細身のレイピアの使い手、レイピアに魔法を付与させ


高速の動きで、一瞬で対戦相手を圧倒する



その洗練された所作と、端正な外見から貴公子の異名をとり


主に女性に一部の男性から、熱狂的なファンを持つ


(嫌だ~私完全に悪役じゃない)






コトハは、初戦の時間が来ると


闘技場に向かう


多くの観客が見守る中、コトハとレアスの戦いが始まる


コトハは、前に立つレアスを観察した


長い金髪に、真っ白な肌


そしてエメラルドグリーンの切れながの目で


コトハの動きを注視していた



長身で、スラッとした長い手脚の体形で


右手には、レイピアを力み無く持ち構えている



両者が同時に、動きだす




コトハは、魔力を全身に覆うと加速するとレアスの側面に回るが


レアスは、レイピアで牽制し接近を許さない




コトハは、左右に高速に移動した


レアスに接近すると、レイピアがコトハに向け襲いかかる


体を捩じり、拳を素早く打ちこむが


レアスはそのまま、突進しレイピアに雷を纏い接近する




コトハは、腕が痺れたように感じると


レアスの、レイピアが肩をかすめていた



体を低くし、コトハは蹴りを放つが


後ろへのステップで、回避された




レアスは、追撃をすべき


レイピアを、コトハの蹴りだされていた


脚を狙う、コトハは一気に距離を詰め


レアスの懐へと、姿勢を低くして近ずくと


膝でレアスの、腹部を突きあげた




レアスの上体が崩れると、左の横腹へと拳を叩きこみ


レアスの後方へと、回りこみ



頭部に足を、掠らせるように振り落とす


レアスは、ゆっくりと前方に倒れこんだ




観客の悲鳴が響いた




(大事な顔は傷つけてないし、レアスの熱狂的なファンが怖いから


 後頭部に足が擦っただけだし



 私の命が危険だから、さっさと戻ろう控室へ)




大会職員が、コトハの勝利を告げる


静寂に包まれた闘技場を、コトハは素早く立ち去る





コトハは、控室に戻り水分補給をすると


ミカエルに手渡された、資料を手に取る




宮廷魔術師レイア・クロッサー


最年少宮廷魔術師、特筆すべきはプライドが高く


軽くドラゴンをも凌駕する魔人を、召喚魔法で仕役する才


人並み外れた美貌で、魔人をも従わせているとも言われ


黒の魔女とも噂されている




コトハは伸びをすると、闘技場へと向かう


時間をそれ程置かずに、またコトハは闘技場に姿を現す





目の前には、宮廷魔術師レイアがコトハを見据える




(最年少で宮廷魔術師に


 今も十分若いそうだけど)


レイアは


黒髪では無く、漆黒の髪を結いあげ


僅かに口元に微笑を浮かべている



宮廷魔術師だけが、着用を許される漆黒のローブで身を包み


左手には、悪魔の杖と呼ばれる闇色の杖を持ち


コトハを観察している




コトハは、正面に立つと試合開始の合図を待つ


審判が手を下げ、開始の合図をすると




コトハは、レイアが召喚魔法を使用する前に勝負を決するべき


一直線に氷剣を放つが、レイアの前の空気が揺れ動き


魔人が現れ、両手に持つ短剣を一振りし


コトハが放った、氷剣を叩き割る



以前コトハが対峙した、魔人とは風貌は違い


長身で、真っ白な髪を結いあげ


背中には真っ白な羽を羽ばたかせている





両手に短剣を構え、体全体から魔力が溢れ出ている


(不味いよ、出来れば魔人とは戦いたくなかったのに


 召喚までのプロセスがあれだけ早いとは予想外


 流石に宮廷魔術師)



コトハは、次々と炎塊を魔人に向け八方から


放ち続ける、魔人に到達する前に剣圧で四散する



コトハは、魔人へと加速し側面から接近すると


魔人を守る分厚い魔力障壁を突き破るべき、長剣を構成し


上段から振り落とし、魔力でさらに力を加えるが



魔人は、短剣をコトハに振るう


横に移動し、コトハは魔人の攻撃を咄嗟に避けた



(硬いな魔力障壁が、素直に破壊させてくれないよ


 折角、接近戦になってるんだから


 このまま押し切るしかないのに)





コトハは手に持つ長剣を、後ろで魔力を供給する


レイアに向け放つ、少しだけ動揺した魔人に対し


コトハは、魔力を一気に高め



魔人の短剣を、掻い潜りながら魔人の魔法障壁を叩き破ろうと


必死に足を振り落す、僅かに脆弱になった障壁に拳を叩き込むと


障壁が一部破壊し、そこへコトハは全ての魔力を拳に注ぎこむように


拳を魔力で覆う




障壁を突き破ると、魔人の横腹へと拳が到達した


このチャンスを逃さない為に


更に、魔力を高め魔人の腹を突き破ると



コトハはそのまま、前のめりに倒れ


床に体を打ちつけた



コトハは、追撃すべき直ぐに立ち上がり


魔人を探しますが、既に消滅していた




召喚していたレイアは、魔力を消費しすぎたようで蹲り


苦しそうに呼吸を繰り返している




審判は、既にレイアが戦闘不能と判断しコトハの勝利を告げた



(やっと終わったよ、マジで疲れたし)




コトハは、漸く終わった戦闘に安堵すると


重い体を、引きずりながら控え室に戻った





椅子に深く座りこむと、コトハは最後の対戦相手の資料を


手に取る




ラウル・ランスロット


帝都守備隊執行官、主に単身で行動


集団で行動すると、ラウルの攻撃の余波により負傷者が


続出する為に単独任務専門執行官に従事する




単身での任務により、更に技量を高める事に


主に非常に長い長剣を携え、間合いに入る全ての物を


瞬時に消滅させる





コトハは、幾分体力が回復すると


決勝が行われる闘技場へ向かう




既にラウルは身の丈はある、長剣を抜き構えている


銀髪の長髪に整い過ぎた顔は、まるで精巧な人形の様



視界に捉える事が出来るほど、魔力がラウルの周りを渦巻いている



(人間から逸脱してるよ、この人


 戦闘前からあれかよ、もっと上がるんだろうな魔力は


 私の命が心配)




審判が手を下げ、決勝戦が始まる


コトハが動く前に、既に目の前にはラウルの長剣が


振り下ろされる


咄嗟に魔力を放出させ、剣筋を逸らえようとするが


剣はそのまま何の抵抗も無く、コトハに振り下ろされる



コトハは、体を後ろに引いたが


左肩に痛みを感じた


(切れてるよ、怖いよ~)



ラウルの、長剣がさらに迫る


コトハは、炎の障壁を三重に構成し


剣の勢いを殺すと


側面に回り込み、氷矢を放ちづつけるが


ラウルが、長剣を一振りするだけで



数十本の氷矢が消滅し、剣の衝撃波が一直線にスカイへ向かう


体を横に引き避けると、衝撃波が床を真っ二つに裂き更に壁へと


衝突し爆音が、響き渡る



(だから中継して決勝戦を伝えているのんだ


 あんなのが、観客に当たったら大惨事だし)




ラウルは、長剣を構え直すと


コトハへと一直線に突進すると、剣筋が見えない程の早さで


長剣を振るう、コトハも加速しながら剣を構成すると


剣に風を這わせるとラウルへ投げつけた



コトハは僅かに見えた、剣筋を捉え


懐へと潜り込むと、足を薙ぎ払うが



ラウルは片手で受け止めると、コトハの足を掴み前方へと投げ飛ばした


頭部を守る様に体を、丸くし衝撃に備えた



コトハは、闘技場の床に大きな音を立てながら


叩き付けられるが、直ぐに立ち上がり



ラウルの追撃を、何とか避けきる


コトハが叩きつけられた、地点にはラウルの衝撃波が衝突し


大きな穴が空く


(ダメかも、レイアが召喚した魔人との戦いで


 消耗しすぎて、これ以上の戦闘を続けたら


 私が倒れてしまうよ、一気に決めないと勝てない)




コトハは、長剣を構成するとラウルの正面に降り立つ


荒くなった息を、整えると一気に魔力を高め全身へと巡らせ


ラウルに斬りかかる、迎え撃つラウルも一直線にコトハに


向け長剣を振るう、コトハは剣筋を途中で変えると



ラウルの持つ長剣に対して、剣を突き刺す


ラウルは冷静に、コトハが構成した剣を粉砕するが



コトハは、粉砕された長剣を


ラウルの長剣の軌道上に再構成し


剣筋を僅かに狂わせると、懐へと先ほどより更に



一歩深く踏み込むと、回避不可能なゼロ距離から数十発の拳を


全力で放ち続けた




ラウルは、膝を床へとつけると静かに倒れこむ


審判が、コトハの勝利を宣言した



(終わったなよ、危なかった私の体が


 あんなのと正面から、切り合ったら


 命が幾らあっても足りやしないよ)







コトハ日記抜粋




私が目を覚ますと、ミカエルさんが尋ねて来た


帝都天上舞闘会が、開催されるらしい



いきなり当日って、勘弁してくださいよミカエルさん


お世話になっているので、素直について行く事に



受付で、手続きを済ませる前に


ミカエルさんは、魔法学院に帰ってしまったが


対戦相手の情報が、書いてある資料だけは渡してくれたけど



初戦の相手は、多分レアスだったかな


観客が女性だらけで、凄い嫉妬したが


レアスも大変だと、同情はするけど



私が君を、容赦無く叩き潰す事に変わりは無いけど


レアスの容姿に、嫉妬しながら戦闘を開始することに


素早い攻防で、若干レアスを見直したけど



私は容赦なく、彼の腹部に膝を突き上げると


後頭部へと、足を叩き込もうとしたけど



考え直し、試合を観戦しているであろう多くの女性を


悲しませてはいけないし、だから僅かに頭部に足をかすめる事に


レアスが、倒れると凄い悲鳴だったけど



闘技場は、静まりかえったので急いで私はその場を去る事に




次の対戦相手は、レイアさん


お綺麗でしたけど、魔人を召喚されると


私は、地獄に落された思いを抱いたよ


何か前に会ったことが、ある魔人とは随分容姿は違ったけど


強い事に、変わりは無いんだし




必死に、魔人を覆い守っている魔法の障壁を


突き破り、ダメージを少しは与えられたけど


結局は、レイアさんが魔人を召喚し続ける為の


魔力を使い果たして、魔人が異界へと帰還したんだ



勝ちは勝ちだからいいんだ


控え室に戻る私、




もう決勝だけになったんだけど、魔人との戦闘で


体力の消耗が激しく、ボーッとしてたら


決勝が行われる闘技場の上に立っていた




目の前のラウルさんが、人間離れしているらしいので


無観客で、試合をするそうです




まあ中継はされてるらしいよ、多分魔法だろうね


詳しくは分らないけど、審判が完全にフル装備をしてるし


私の命は終わったのかもしれないと、考えてしまったんだ




ラウルさん、何故に魔力が貴方の周りを渦巻いているんですか


魔人と同じような気配がするのは、何故ですか




私は、ゴクっと喉を鳴らしてしまった


試合は開始から、ラウルさんが何故か目の前に現れ


斬り込んでくるし、あれは危険だったよ




剣圧で、吹き飛ばされるは壁が壊れるなど


生きた心地はしなかった、私は立っている事も辛くなり


魔力残量も少ない状況になり、ラウルさんに接近すると


剣筋を狂わせる事に、成功すると



必死で拳を放ち続け、何とかラウルさんを一時的に


戦闘不能にすると、審判の素早い判定で


何とか勝利を掴む事が出来た



優勝したけど、主催者によると会場の修理に多大な費用が


要るので、勘弁してくださいと頭を下げられる


基本私は、常識人なので無理に賞金を


請求出来るはずも無く、




機会があれば帝都の中では、配慮するよと微妙だけど


それで納得しとく、会場が破壊されたので表彰とかも


中止に、私はこれ以上厄介事に巻き込まれると


危険と判断し、なんせ私の第六感がそう告げるので


控室に戻ると、私特製の4倍効果の魔法薬を飲み


体力と魔力を、回復させると



素早く、魔法陣を発動


魔術師、魔道師組合へと戻り、直ぐに工房兼住居に帰り


シャワーを浴びると、直ぐにベッドに向かった私 

有難う御座いました

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