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またやらかした沖田総司と、容赦ない斎藤くん

いつもお読みいただきありがとうございます。


湯当たり騒動シリーズ、今回は ep.7「成長期の未来予想図」の

少しあとで起きた、ちょっとした“風呂場事件”です。


一度は自由入浴を取り戻した総司ですが……

安心した途端に、またやらかしました。


見守る(監視する?)斎藤くんの容赦なさと、

総司の必死のご機嫌取りをお楽しみいただければ嬉しい

風呂場に、ほのかに湯気がゆらめく。


一度は“監視という屈辱(?)を味わった総司だったが、最近は信頼を取り戻し、**「入浴中にのぼせたり、気絶しない総司」**の座を取り戻していた。


彼は湯船に肩までつかり、満足げに息を吐く。

「いやぁ……平和だなぁ。やっぱり風呂は一人でゆっくり入るのが一番だよ」

誰に聞かせるでもなく呟くその声はご機嫌そのもの。

あたたかい湯、静かな空間。贅沢だなあ。ぽかぽかの幸福に包まれ、ついまぶたが重くなる。

「……ちょっとだけ。ちょっとだけ目をつぶるだけ……」


「……総司。まさか、寝ていないだろうな」 

返事はない。

斎藤一は眉一つ動かさず、静かに戦場の兵士のような気配で近づく。

湯船に浮かぶ総司の頭。かろうじて鼻と口は水面の上だが、…

(……またか…)


斎藤は無言のまま、総司の額を指で ツン と押した。

「ふがっ!? ひゃっ……だ、だれ!?」

総司が飛び起きた瞬間、斎藤の低い声が落ちる。

「……言ったはずだ。二度と居眠りするな、と」

総司は慌てて湯から立ち上がり、タオルでしどろもどろに身を隠す。

「いやぁ、これはその……湯が気持ちよくて……あっ、そうだ、いや違うな、湯が温かくて……いやいや違う、今日は疲れてて……ちがう、違わないけど違う気もして……」

「言い訳はいい」

斎藤の声が、湯気より冷たく響く。

「……近藤さんや土方さんに報告すべきだ。風呂場で、また…」

総司はガタッと膝をつく勢いで叫んだ。

「やめてーーー!!」


自由入浴権 没収かもなあ


斎藤はにこりともせずに腕を組んだ。


 えっ!ぼくの唯一の癒し……?

それだけは……! あの権利はぼくの魂なんだよ!?」


耐えられず、総司は急に背中をシャキッと伸ばし、

「えっとね斎藤くん!今日の髪型すごく整ってるね! 刀の手入れもさすがだよ!もうね、君の剣筋は惚れ惚れするっていうか!」

斎藤

「……話を逸らすな」

総司

「ですよねぇ!!」

慌てて次の手を考える。

「あっ、そうだ!今日のお昼、ぼく食堂当番だったでしょ? 斎藤くんの好きな味噌汁、特別に昆布増しにしたんだよ、実は!!」

斎藤

「……それと風呂で寝たことに何の関係がある」

総司

「ないけど!感謝の気持ちって大事かなって!」

さらに近づき、じっと斎藤の顔をのぞき込む。

「ねぇ、怒ってる? 怒ってるよね? あー、怒ってるよね!? 眉毛の角度が“怒ってる斎藤”のときの角度だよ!!」

斎藤はわずかに眉を動かし、

「……別に怒っているわけではない。

だが 前回あれだけの騒ぎを起こして、またか とあきれてはいる。

前回は 本当に土左衛門一歩手前だったんだぞ

 どうしてそう、危険に無頓着なんだ。」



総司は手で胸を押さえ、申し訳ない顔をした。


 明日からは絶対寝ない! もし寝そうになったら、君の名前を三回唱えるよ! “さいとーくん、さいとーくん、さいとーくん”って!」

斎藤

「やめろ。妙なまじないになる」

総司はタッと背後に回り込むと、背中をトントン叩き始めた。

「じゃあせめて肩でも! 日頃の働きに感謝して! はい、肩たたき無料券発動ーー!」

        ぽふぽふ(※弱い)

「……総司。力が入っていない」

「緊張で腕が震えてて……!」

斎藤

「……落ち着け。何をしている」

総司

「ご機嫌を取り戻そうと必死な総司くんです!」

斎藤はゆっくりため息をついた。


「……分かった。そこまで言うならもういい」


「ほんとに!? 許してくれるの!?」

「ただし、寝たら——」

「ね、寝たら……?」

斎藤は低く、静かに言い放った。

「次こそ近藤さんと土方さんに報告する」


「だ、駄目ぇぇぇぇぇぇぇ!! 絶対寝ない!!

もし寝たら……ぼく、井戸水に頭つけて目を覚ますから!!」

「……勝手に危険を増やすな」

斎藤

「……分かった。叫んでも許しはしない」

斎藤の念押しに、総司は涙目でこくこくとうなずいた。


(ぜったい寝ない……ぜったいだ……!)

そう心に誓いながら湯から出ていく総司の背中を見送り、


斎藤は小さくため息をついた。


「……どうせ三日持たないな」




お読みいただきありがとうございました!


総司はすぐ気を抜くし、斎藤くんは一切甘くないし、

この二人は放っておくとずっとこんな調子の気がします。 

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