表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私って悪役令嬢ですわよね? 〜全てを奪われた令嬢の逆襲〜  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/63

61:責任を取る。

 



 ◇◇◇◇◇




 ヘンドリック殿下から口の端に無理矢理キスをされました。「おやめください」とお願いすると、泣きそうなお顔をされてしまいました。


「っ………………話を聞いてくれ。頼む」


 その言葉にコクリと頷くと、ヘンドリック殿下がぽつりぽつりと話し始めました。


 ザンジルの王太子殿下であるジスラン様は、秘密裏に私を探していたこと。わずかな手がかりだけでもいいからと情報を集めていたこと。

 それらを私に確認することなく無視し、ジスラン様の手紙を握りつぶしていたこと。


「君の権利を奪っていたんだ。すまない」

「っ……なぜ、そうしたのですか?」


 ――――聞かせて。


 確信が欲しいから、もっと知りたいから、言葉にして教えてほしいのです。


「初めは正義感と庇護欲と打算。しばらくして気づいたのは、独占欲だった」


 私の両頬を包んだままゆっくりと紡いでいかれる言葉。


「いらないと捨てたのにな?」


 ヘンドリック殿下の手が震えています。

 とても強い人だと思っていました。

 いえ、心や身体が強いのは間違いないのでしょうが。


「ティアーナは私のものだ」


 もの扱いしてすまない、と弱々しく呟かれました。

 ヘンドリック殿下の伏し目がちにされた瞳を見つめます。

 エメラルドグリーンの美しい瞳は、いつだって吸い込まれそうなほどに透き通っています。


「殿下、下を向かないでください」

「……」

「私を助けたのはヘンドリック殿下です。生きろと命令したのもヘンドリック殿下です。私の命の全責任はヘンドリック殿下にあります。手放すなど許しません。私の命が潰える最後の最後まで、責任を持ってください」

「っ……いいのか?」


 キョトンとしたお顔が少年のようで、鼓動が少しだけ早くなった気がします。


「ええ。私、悪役令嬢なんですよ? ヘンドリック殿下がどんなに大変だろうと、どんなに苦しかろうと、知りません」

「……ん」

「私が聞きたいのは、愛しているという言葉だけです。それ以外は許しません。縋るようなキスなんてされたくありません」


 そうお伝えすると、ヘンドリック殿下が満面の笑みをこぼして力強くキスしてこられました。


「こういうのは、許してくれる?」

「はい」

「愛している」

「はい」

「ザンジルになど渡さない」

「当たり前です!」


 ――――次、迷ったら許しませんよ?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


『結婚前夜に義妹に婚約者を奪われたので、責任取ってもらいます。』

☆ 2巻 6/20発売 ☆

書籍表紙

なんと!
超絶素敵な表紙絵を描いてくださったのは、『おの秋人』様っ!
このラブラブ具合、神じゃね?(*´艸`*)キャッ

2巻も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
フェルモたんの話とか、子供たちとかもちょい出てくるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されますが、一例としてリンクボタンも置いておきます。


▷▶▷ Amazon

▷▶▷ honto

▷▶▷ ピッコマ

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ