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私って悪役令嬢ですわよね? 〜全てを奪われた令嬢の逆襲〜  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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48/63

48:マシュマロのよう。

 



「ん。それでも……というのは、わがままが過ぎるな。すまなかった」


 密着していた身体をするりと離したヘンドリック殿下に、少しだけ淋しさを感じた瞬間でした。

 膝裏と背中に腕を回され、ひょいと抱き上げられていました。


「ひゃっ!」

「脚は大丈夫?」

「っ、はい」


 脚は大丈夫です。膝や足首に力が入らないだけなので。

 ただ、心臓が爆発しそうです。

 重たくないかなとか、密着してるとか、顔が近いとか、殿下の手がちょっとだけ横胸にあたっているなとか、いろいろと気になることが多すぎて、落ち着きません。


「…………うん」


 キュッと縮こまって、恥ずかしさを堪えていたら、なぜかヘンドリック殿下がスンとなりました。

 ゆっくりと運んでもらい、ソファに下ろしてもらえたのでお礼を伝えたのですが、スンとした表情のまま。


「殿下?」

「……うん」


 殿下が左手をじっと見ながら握ったり開いたり。ワキワキと動かしてキュッと握って、また開いて。


「…………マシュマロ」

「っ!?」


 手がちょっとあたってるなとは思っていましたが、わりとガッツリ横胸を触っていたのですね!?

 横にあったクッションを胸の前で抱きしめ、ヘンドリック殿下から胸を隠すようにしましたら、殿下が焦ったように弁明を始められたのですが、それがあまりにもしどろもどろ過ぎて、最後には大笑いしてしまいました。


「っ、笑うな……」

「ごめっ、ごめんなさい、無理ですっあはははは!」


 ヘンドリック殿下が顔を真っ赤にして「クソッ」と悪態をつくと、隣にドサリと座って来られました。


「格好悪い。ものすごく、格好悪い……」

「ヘンドリック殿下は素敵ですよ。いつでも私を前向きに、上向きにしてくださいますから。今も。たくさん笑わせてくださいました」


 ありがとうございますと伝えると、ヘンドリック殿下がほにゃりと笑って手を繋ごうと言われました。

 差し出された左手に右手を重ねると、力強く握りしめられました。


「すれ違いが起きようと、喧嘩をしようと、君のこの手を支えるのは私でいたい」

「はい」

「言いたいことを言い合える関係でいたい」

「っ……努力、します」


 どうしても、自分の中でぐるぐると考えてしまいます。


「すぐに話してくれとかではないんだ。ただ、今日はそのままにしておきたくなかったから……無理に押しかけてすまなかった」

「いえ。こうやってお話できてよかったです。その、王城を出て少しだけ心細かったので」

「っ! 可愛いが過ぎるぞ?」

「ええ?」


 良く分からない理由で、何故かお仕置きという名のキスをされました。

 ヘンドリック殿下は、キスがとてもお好きなようで、何度しても足りないと、いじけたようにおっしゃいました。




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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


『結婚前夜に義妹に婚約者を奪われたので、責任取ってもらいます。』

☆ 2巻 6/20発売 ☆

書籍表紙

なんと!
超絶素敵な表紙絵を描いてくださったのは、『おの秋人』様っ!
このラブラブ具合、神じゃね?(*´艸`*)キャッ

2巻も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
フェルモたんの話とか、子供たちとかもちょい出てくるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されますが、一例としてリンクボタンも置いておきます。


▷▶▷ Amazon

▷▶▷ honto

▷▶▷ ピッコマ

― 新着の感想 ―
[一言] …… 今度から変態皇子って呼び方でいいかな??
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