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私って悪役令嬢ですわよね? 〜全てを奪われた令嬢の逆襲〜  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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40/63

40:男たちの趣味嗜好。

 



 三人の誇らしげな顔、煌々しい宝石たち。

 どちらも同じくらいに光り輝いています。


「っ…………ありが、とう」


 お礼を言おうとした瞬間、胸がギュッと締め付けられました。


 三人が、人としてあまりにも凄すぎます。

 ぽっと出の小娘の言う事に耳を傾けてくれたし、たゆまぬ努力を毎日のように続け、休みの日もカット図案を描いたりしていた。

 そうして出来上がったものを、笑顔とともに手放して、使っていいと言ってくれる。

 

「貴方たちの努力を絶対に無駄にしないわ」


 ぽろぽろと涙が落ちますが、それでも必死に笑って言葉を紡ぎました。

 

「ありがとう。三人が大好きよ」

「「っ!?」」

「他意はなかろうが!」


 ゲアトが私の横にいるヘンドリック殿下に向かって、なぜか慌てたように叫んでいました。

 どうしたのかしらと、視線を横に向けると、なぜか剣呑な雰囲気の殿下。


「どうされたのですか?」


 先ほどまでは殿下も笑顔だったような気がしたのですが。殿下は気にするなと言いますが、三人の顔が真っ青になりつつあるのも気になります。

 

「天然とはこう――――いでっ」

「アヒム!」


 ホルガーが慌てたように、アヒムの膝裏に蹴りを入れて転けさせていました。

 温厚なホルガーが、人を蹴りました。


「ホルガーも、今日は何か変よ?」

「気のせいです」

 

 あまりの驚きに、涙が引っ込んでいきました。

 連日無理をさせすぎてしまったのでしょうか?

 休養はしっかりと取ってとお願いはしていたのですが。


「伝わらんのぉ。というか、伝わらんようにしてるのか?」

「可愛いから……放置で」

「放置て」

「「わからなくはないが」」


 なぜか四人がササッと集まって、もそもそもと話し始めてしまいました。

 アヒムは、わからなくはないが早めに手を打て、とか言っています。

 ゲアトは、勝手にせい巻き込むな、とちょっと怒っています。

 ホルガーは、にこにこ笑いながら若いねぇ、と頷いています。


「あの……」

「ん?」

「何か問題が発生したのなら、教えていただけると……」

「ああっ、すまない!」


 ぽつんとひとり佇んで、四人を見つめていましたが、なかなかお話が終わりそうにないので、そっと声をかけてみました。

 ヘンドリック殿下が慌ててこちらを向いてくださったので、意図して会話から排除されたのではないのだとホッとしました。


 申し訳なさそうなお顔でヘンドリック殿下がもう一度謝ると、なぜか額にチュッと軽く口づけをしてこられました。


「ひゃっ!?」

「男たちの馬鹿な趣味嗜好の話だ。気にしないでくれ」

「よくはわかりませんが、お話は終わられたのですか?」

「ん。ごめん」


 キュッと抱きしめられて、ちょっと嬉しかったのですが、人前ですのでと胸に手を当て押し返すと、すこし残念そうなお顔をされてしまいました。


「砂糖を吐きそうなやり取りは、人のいないとこでやってくれ」

「アヒム!」

「ふはは。お前のとこは夫婦喧嘩中だそうだな?」

「チッ!」


 ヘンドリック殿下が私を抱きしめながら、アヒムを煽っていました。

 アヒムって結婚してたのね? というか、結婚できたのね? なんて失礼なことを呟いてしまって、工場(こうば)の中が大きな笑い声に包まれました。




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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


『結婚前夜に義妹に婚約者を奪われたので、責任取ってもらいます。』

☆ 2巻 6/20発売 ☆

書籍表紙

なんと!
超絶素敵な表紙絵を描いてくださったのは、『おの秋人』様っ!
このラブラブ具合、神じゃね?(*´艸`*)キャッ

2巻も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
フェルモたんの話とか、子供たちとかもちょい出てくるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されますが、一例としてリンクボタンも置いておきます。


▷▶▷ Amazon

▷▶▷ honto

▷▶▷ ピッコマ

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