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私って悪役令嬢ですわよね? 〜全てを奪われた令嬢の逆襲〜  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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39/63

39:ヘンドリック殿下からのメッセージ。

 



 週末、ヘンドリック様からご連絡がありました。

 工場(こうば)から製品が完成したと報告があったから、明日大丈夫であれば、一緒に確認しに行こうというメッセージカードと、花束を持って来てくれた従僕の少年に、お礼を言いつつ返事をお願いしました。


「いつもの時間に、現地でお会いしましょう、とお願いね」

「え……あっ……………………その、明日が大丈夫なら明日のお時間を、明日以外であれば……その、その日の大丈夫な時間のメモがありまして……………………その、こちらにお迎えに来ると…………」

工場(こうば)は中間地点だから――――むぐっ!?」


 現地集合のほうが時間の無駄になりません、と伝えてもらおうとしたのですが、養母に後ろから口を塞がれてしまいました。


「明日は何時!?」

「えと…………十時とのことですが」

「お待ちしております、と嬉しそうに微笑みながら返事されました。と伝えなさい」

「え……」

「伝えなさい」


 養母のものすごくドスの利いた声に、少年が飛び上がりながら「承知しました!」と叫んで走り去ってしまいました。

 

「えぇ?」

「ティアーナ!」

「っ、はい」


 正面に回ってきた養母に、てっきり怒られるものだと思っていたのですが、養母は両肩に手を優しく乗せてきました。


「いい女はね、男を傅かせるものなの。たとえ王太子だろうと、たとえ時間の無駄だろうと、迎えに来させなさい」

「傅かせる……」

「そう!」


 養母が拳を握って更に力説するので、これは逆らわないほうがいいやつなのだと理解しました。

 養父と何かあったのでしょうか?

 ちょっとだけ気になります。




 翌日の十時、少年が言っていた時間にヘンドリック殿下が来られました。

 お迎えに来ていただいたことにお礼を伝えると、破顔して柔らかく抱きしめられました。


「従僕から私に逢いたそうにしていたと聞いた。私もティアーナに逢いたかったよ」


 ――――尾ひれがついてますが!?


 一緒に玄関で出迎えていた養母をちらりとみると、殿下に見えないように、こっそりとガッツポーズをしていました。

 大変満足そうなのはいいのですが、なんだか騙しているような気分になって、胃に悪いです。


 馬車に乗り込み、人目がなくなってから、ヘンドリック殿下に真実を話すと、少ししょんぼりとされてしまいました。


「いえ、お逢いしたかったのは、事実なのです。ただ、お手を煩わせるのが申し訳なくて」

「私に逢いたかった?」

「それは、もちろんです」


 今までは、同じ場所にいましたし、隣の部屋からヘンドリック殿下の気配も感じられていましたから。

 やはり、少しの淋しさは覚えてしまうなと、ベッドに入るたびに思っていましたから。

 そうお伝えすると、ヘンドリック殿下が両手でお顔を覆い「可愛いが過ぎる」っと呟かれました。


 これは、喜ばれているのですよね? たぶん。




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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


『結婚前夜に義妹に婚約者を奪われたので、責任取ってもらいます。』

☆ 2巻 6/20発売 ☆

書籍表紙

なんと!
超絶素敵な表紙絵を描いてくださったのは、『おの秋人』様っ!
このラブラブ具合、神じゃね?(*´艸`*)キャッ

2巻も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
フェルモたんの話とか、子供たちとかもちょい出てくるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されますが、一例としてリンクボタンも置いておきます。


▷▶▷ Amazon

▷▶▷ honto

▷▶▷ ピッコマ

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