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私って悪役令嬢ですわよね? 〜全てを奪われた令嬢の逆襲〜  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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30/63

30:ふりをする。

 



 国王陛下の計画――――。


 ザンジルとの交渉はヘンドリック殿下が担っていらっしゃるので、今度の契約更新時もヘンドリック様が対応するそうです。

 そして、今回は報告と挨拶があるので、ザンジルに出向くと連絡するとのこと。


「ヘンドリックに婚約者ができたから、顔見せと婚約者の見聞を広めるために――ということでね?」

「…………婚約者?」

「あぁ。()()()()()()ティアーナ嬢を連れて、な」

「なるほど、ありですね」


 ヘンドリック殿下はいいらしいのですが気になることがあります。

 ザンジルに着いた瞬間、顔を見られて素性がバレてしまうのでは?

 それに――――。


「婚約者のふりをして同行するのは構わないのですが、ヘンドリック殿下にご迷惑では?」

「ふり…………いや、迷惑ではないが…………ふり」

「ぶくくくくくくく!」


 ヘンドリック殿下がなにやらボソボソと呟かれたのですが、国王陛下が急に笑いだされてよく聞こえませんでした。

 そして、迷惑だなんだは、とっても良い計画があるから心配しなくていい、と言われました。

 

「で? ザンジルに行ってどうするんです?」

「暴れておいで」

「「はい?」」


 にこりと笑って言われた言葉に、ヘンドリック様とともにきょとんとなってしまいました。

 暴れておいでと言われても、いったいどうやってなのでしょうか。物理的に? 概念的に?


「んー…………ひとまず、概念だね。その後、時間を置いてから物理で攻める――――」


 聞けば聞くほど、荒唐無稽というべきか、強気だというべきか。強気というよりは、そもそもが強いのですが。

 ちょっと無茶では? とも思うものの、もし実現できれば、私は本当の意味で復讐をやり遂げられるのではないかと、期待してしまうような内容でした。


「どうかな?」

「父上がそれで問題ないと判断するのでしたら」

「よろしいのでしょうか?」

「いいんだよ」


 国王陛下がにこりと微笑んでくださいました。今度は、ただただ優しいだけの微笑み。

 進む道がハッキリと照らし出されたような気がしました。

 

「陛下、ありがとう存じます」

「うむ。君を手放したことを、大いに後悔させてきなさい」

「はい!」

 

 その時が訪れるまで、しっかりと牙を研いでおきましょう。

 とりあえずは、直近に迫った王妃陛下へのお披露目です。この件に関しましては、国王陛下は関知していないようです。ニコリと笑って「彼女の考えることはわからん!」と堂々と言われてしまいました。


「手綱はしっかりと握っていてください」

「母親を馬に例えるんじゃあないよ」

「馬? 猛獣でしょうが」

「ぶふふっ」


 陛下が楽しそうに笑いながら立ち上がると、あとは二人で過ごしなさいと言って立ち去られました。

 去り際にヘンドリック殿下の耳元でなにやら囁かれたのですが、聞き取れませんでした。




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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


『結婚前夜に義妹に婚約者を奪われたので、責任取ってもらいます。』

☆ 2巻 6/20発売 ☆

書籍表紙

なんと!
超絶素敵な表紙絵を描いてくださったのは、『おの秋人』様っ!
このラブラブ具合、神じゃね?(*´艸`*)キャッ

2巻も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
フェルモたんの話とか、子供たちとかもちょい出てくるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されますが、一例としてリンクボタンも置いておきます。


▷▶▷ Amazon

▷▶▷ honto

▷▶▷ ピッコマ

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