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私って悪役令嬢ですわよね? 〜全てを奪われた令嬢の逆襲〜  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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27/63

27:国王陛下とガゼボで。

 



 国王陛下の『王族専用』という言葉に、焦りを感じていたのですが、陛下はくすくすと笑うばかり。


「真面目だねぇ」

「そういうことではないような?」

「ほら、あそこのガゼボに座ろう」


 陛下が話を聞いてくれません。

 そして、とても楽しそうです。

 ひまわりやマリーゴールドといった夏の花が咲き誇るガゼボのベンチに、陛下と向かい合って座りました。


「ルネ」

「はい」


 私についてくれている侍女の名前を陛下が呼ぶと、彼女がカーテシーをしてどこかに行ってしまいました。


「せっかくだ、お茶をしよう」

「はい」


 ――――あぁ、取りに行ったのね。


 ルネが戻るまで少し話をしようと言われたので、頷きつつ返事をすると、またにこりと微笑まれました。その笑顔がとても為政者らしい顔すぎて、妙に緊張してしまいます。


「嵌めるつもりはなかったんだが、そう思わせてしまったね」

「……いえ」

「君らの関係が気になってね。老婆心だと思ってくれ」


 ――――そんな無茶な。


「ヘンドリックは真剣なようだけど。君は? と、ストレートに聞いてみようと思ってね。怒らないから、正直に言ってごらん。この返答で君をどうこうすることはないと約束しよう」

「っ…………」


 甘言だと突っぱねてもいいし、自分の都合の良い形で答えてもいいのでしょうが、それをしてしまったら、ヘンドリック様の目を真っ直ぐ見れなくなるような気がしました。

 あと、妙に子ども扱いされているのは、なぜでしょうか。いえ、陛下にとっては完全に子どもなのでしょうが。


「正直に申しますと、未だハッキリと断言できない部分があります」

「ふむ」

「私の存在が、どこまでこの国に悪影響を及ぼすのか不安です」

「んー。気にしないでいいよ。それ以外は?」

「一時的な感情ではないかと…………。吊り橋効果のような」

「なるほど。それはヘンドリックの誠意の問題だね。うん」


 陛下が立ち上がり、私の頭に手を差し伸べて来られました。そうして撫で撫でとまたもや子どものような扱い。でも今回はなんとなく嬉しい気持ちも。

 お父様にまた撫でてもらいたい。もう、叶うことはないけれど。


 それからは、ヘンドリック殿下の幼い頃の話を聞きました。研磨技術の話は少しだけ。そうこうしている内に、侍女――ルネが数人のメイドたちと戻ってきました。それぞれが飲み物や焼き菓子を乗せたお盆を持っています。

 そして、その後ろにはヘンドリック殿下が。 


「ずいぶんと遅かったな」

「執務中に呼び出されたわりには、早かったと思いますが…………」


 陛下はルネに何も言わなかったのに、彼が『呼び出された』と言うということは、最初から仕込まれていたのでしょう。

 先ほど陛下と色々と話したおかげか、怒りのようなものは感じないものの、なんとなく淋しさのようなものは感じてしまいました。


 それにしても、陛下はなぜヘンドリック殿下を呼び出したのでしょうか?




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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


『結婚前夜に義妹に婚約者を奪われたので、責任取ってもらいます。』

☆ 2巻 6/20発売 ☆

書籍表紙

なんと!
超絶素敵な表紙絵を描いてくださったのは、『おの秋人』様っ!
このラブラブ具合、神じゃね?(*´艸`*)キャッ

2巻も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
フェルモたんの話とか、子供たちとかもちょい出てくるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されますが、一例としてリンクボタンも置いておきます。


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▷▶▷ honto

▷▶▷ ピッコマ

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