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私って悪役令嬢ですわよね? 〜全てを奪われた令嬢の逆襲〜  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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23/63

23:まるで嵐のよう。

 



 予想だにしていなかった濃厚な時間を過ごしたせいで、全く眠れないかと思っていましたが、思いのほかしっかりちゃんと眠っていました。

 

 いつも通りに起きて侍女に支度を手伝ってもらい、朝食を済ませたところで、ヘンドリック殿下が部屋に来られました。


「おはよう」

「おはようございます」


 二人並んでソファに座り、何も言わないまま手を繋ぎ、お互いがお互いの指をそっと撫でていました。無言なのに、なぜか充実していると感じられる瞬間です。

 

「あー……いかん。愛でに来たんじゃなかったんだった」

「っ! 申し訳ございませんっ」

「いや、私が悪い。昨日から箍が外れてしまっている」


 ヘンドリック殿下が空いた右手で顔を覆い、大きなため息を吐かれました。


「手紙にあった話したいこと、というのを聞いてもいいかい?」

「はい」


 皆の協力とたゆまぬ努力もあって、ほぼほぼ製品と言えるほどの仕上がりになったことを伝えると、ヘンドリック殿下が心底驚かれていました。

 まだ一カ月経っていないのに、と。


「王妃陛下は愛されていますね。彼女に似合うデザインはこうだとか、みんなで話し合っていますよ」

「傍若無人なんだがな?」

「ふふふっ」


 どうやらヘンドリック殿下も、王妃陛下に頭が上がらない様子でした。国王陛下の前では妙に大人しくしているのも、腹が立つのだと呟かれていました。


「早ければ早いほど、あの人は喜ぶだろうな。今日は昼からになるが、ともに加工場に向かいたい。待っててくれるかい?」

「ええ。もちろんです。彼らが喜びますわ」

「…………ティアーナは?」

 

 ヘンドリック殿下が、なぜか不服そうな様子でそう言われました。意味がわからず首を傾げていると、更にムッとされてしまいました。


「ティアーナは、嬉しくないのか?」

「っ!」


 それはもちろん嬉しいですし、今すでにソワソワしていたのですが、まさかここまで糖度を上げられるとは思ってもおらず、昨日までのギャップに少し戸惑ってしまいました。

 

「ティアーナ?」

「ううう嬉しいですっ」

「ん!」


 ヘンドリック殿下が満足そうに頷いて、頬にキスをし「あとで迎えに来る」と言い残して去っていかれました。

 まるで嵐のようでした。




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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


『結婚前夜に義妹に婚約者を奪われたので、責任取ってもらいます。』

☆ 2巻 6/20発売 ☆

書籍表紙

なんと!
超絶素敵な表紙絵を描いてくださったのは、『おの秋人』様っ!
このラブラブ具合、神じゃね?(*´艸`*)キャッ

2巻も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
フェルモたんの話とか、子供たちとかもちょい出てくるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されますが、一例としてリンクボタンも置いておきます。


▷▶▷ Amazon

▷▶▷ honto

▷▶▷ ピッコマ

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