表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私って悪役令嬢ですわよね? 〜全てを奪われた令嬢の逆襲〜  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/63

12:王妃陛下とお茶会。

 



「確かに、私は犯罪者として国外追放されました」

「…………」


 ヘンドリック殿下の婚約話を私が潰した、と謂れのないことで王妃陛下に責められてしまいましたが、私は何も知りません。そこだけは理解していただきたいです。


「未来の王太子妃のお部屋だということも、承知して使わせていただいております」

「……厚顔無恥もいいところね」

「殿下の婚約の件ですが、いま初めて知りました」


 そうお伝えすると、切れ長の瞳でチラリと見られ、鼻で笑われました。

 王妃陛下がティーカップを傾けられたので、合わせて少し口に含みました。


「後ほど殿下に事実確認いたします」

「あら、確認なんてまどろっこしいことしてないで、出てお行きなさいな」

「王妃陛下。お言葉ですが、現在ヘンドリック殿下とともに宝石研磨技術を革新させるために動いております」


 王妃陛下はだからなんなのといった具合で、あまり興味がなさそうな反応をされました。


「たかだか一介の元伯爵令嬢に何ができるの」

「そうですね。ザンジルと同じもしくはそれに近い技術は得られると確信しております。その技術が職人たちに定着すれば、この国はザンジルに頼ることなく各国との宝石類の取引が可能になります。ご聡明であられる王妃陛下でしたら、どれだけの金額が動くか、分られますよね?」


 流石にこのままでは煽りに煽っただけですので、王妃陛下に嫌われてしまうでしょう。それは得策ではありません。

 なのでここはひとつ、偶然ではありますが、王妃陛下に有効なカードを出したいと思います。


「王妃陛下、たしかブリリアントカットのダイヤがとてもお気に入りでしたよね?」


 自国はもちろん、他国の王族たちの好みの宝石や好みのカットなどを纏めたファイルが我が家にはありました。ファイリングはしているものの、全て覚えておくようにとお父様に言われていました。

 覚えるのはとても大変でしたが、そのおかげでいま戦えています。このような使い方をするとは想定していませんでしたが。


「だから何よ」

「先日、百面を超えるカット技術を職人たちに伝えました。彼らはいまそれをモノにしようとしています。殿下が王妃陛下のためにと望まれ、彼らもそれに賛同しています」


 王妃陛下の片眉がクイッと上がりました。これはちょっと心が動いていますね?


「私を排除するのは簡単です。捕まえてザンジルに渡せばいいだけです。真の売国奴だ、と。ですが、それで得られるものは何でしょうか? ザンジルからの感謝? 謝礼? そんなものがこの国の為になるでしょうか?」

「小指の爪程度の効果しかないわね」


 フッと笑われた王妃陛下から漏れ出たのは、ザンジルに対する嫌悪感。あの国は宝石関係で各国にずいぶんとふっかけていましたから、当たり前の反応かと思います。


「ええ、ザンジルはその程度です。それよりも、この先の国力強化になるであろう技術、殿下の王妃陛下への心遣い、それらを享受しませんか? もし成果を見てからと仰られるのであれば、一カ月お待ち下さい。それまでに王妃陛下が満足する作品をお持ちします」

「いい度胸ね、気に入ったわ。ヘンドリック、来なさい」


 ――――え?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


『結婚前夜に義妹に婚約者を奪われたので、責任取ってもらいます。』

☆ 2巻 6/20発売 ☆

書籍表紙

なんと!
超絶素敵な表紙絵を描いてくださったのは、『おの秋人』様っ!
このラブラブ具合、神じゃね?(*´艸`*)キャッ

2巻も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
フェルモたんの話とか、子供たちとかもちょい出てくるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されますが、一例としてリンクボタンも置いておきます。


▷▶▷ Amazon

▷▶▷ honto

▷▶▷ ピッコマ

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ