第55話 オーク討伐
一日で二本連続投稿! Σ(・□・;)
僕たちは馬車を降りてオーバーテイルに戻って来た。
そして、ルナが心配だと言うミネルバを助けに行くことにした。
「確かアリシアさん達が向かった場所って、南の森だったよな?」
「ええ、そうよ」
そこで、僕たちもオーバーテイル南部の森に行くことにした。
木々が生い茂る森の中を、探知しながらひたすら進む。
「前方に何かいる。警戒を!」
さらに突き進むと、オークを発見した。数は3体ほど。
「あの数なら私に任せて! 氷結剣!」
ルナが剣技でオーク三体をあっという間に倒してしまった。
「先へ急ぎましょう! アリシアさん達が心配だわ!」
ルナにせかされるままに、さらに森の奥へと進む。
すると、急に開けた地形に出た。
そこで、驚くべき光景を目にする。
そこには、数十体のオークがいた。
「なんだこの数は……!?」
その奥には、アリシアさん達があられもない姿で捕らわれていた。
手足を縛られ、木に括り付けられていた。
「アリシアさん! やっぱり捕らわれていたんだわ!」
「ルナさん!? それにファインさんも!」
「アンタ達、何でここに!? 早く逃げなさい! ここは危険よ!!」
「皆さんを早く助けましょう!」
「まずはこのオークたちを倒さないと! 出でよ、土の精霊【ノーム】!」
僕はノームを召喚した。
これだけの数をまともに相手するのは面倒だ。
そのため、このオークたちは一掃することにした。
「揺れろ、大地よ! 【大地震】!」
僕が魔法名を叫ぶと、大地震が起きオークたちのいる地面が隆起した。
オークたちは成す術もなく倒れて行った。
ただ、不思議なのはノームが被害をもたらしたのは、オーク達だけだと言うことだ。
その後、隆起した地面は元通りに戻った。これも精霊の力か。
「みんな! 助けに来たわよ!」
僕たちはミネルバのもとへ急いで向かった。
「ファインさん! 逃げてください!! ここにはアイツが……!」
すると、僕たちの目の前に突如オークが現れた。
「まだ生き残りがいたのかよ!?」
「いや、こいつは……!」
そのオークは普通のオークよりも大きく、鎧兜を身に着けていた。
そして、右手には巨大な斧を持っていた。
「オークキング……!」
オークキングは僕たちの前に立ちはだかった。
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「我ガ 手下ドモ ヲ 葬リ去ル トハ……。貴様ラ ハ タダノ人間 デハ ナイヨウダナ」
オークキングは喋った。
「僕の仲間を返してもらうぞ」
「返シテ欲シクバ、我ヲ 倒スガイイ!」
オークキングは先制攻撃を仕掛けて来た。
それを僕たちは回避する。
「防御鎧!」
セレーネが全員に防御鎧をかける。
僕は火球を何発かオークキングに放った。
しかし、オークキングは大したダメージを受けていない。
「コノ程度カ 人間」
オークキングは持っていた斧を高く持ち上げた。
すると、ルナが素早くキングに接近する。
次の瞬間、オークキングは斧を振り下ろした。
ルナは回避し、素早くキングの懐に潜り込んだ。
そして赤熱剣で攻撃するも、致命傷を与えることは出来なかった。
「効かない!?」
オークキングは斧でルナに反撃する。
しかし、ルナは素早く後ろにジャンプして躱す。
「今度はオレが行くぜ!!」
そう言ってヒューイがキングに立ち向かう。
ヒューイも斧で攻撃するが、オークキングの斧に攻撃を受け止められる。
そして、反撃を受ける。
「ぐおおおおっ!?」
ヒューイはダメージを受けてしまうが、持ち前の頑丈さで致命傷を受けずに済んだ。
セレーネがヒールで回復する。
「大丈夫ですか?」
「す、すまねぇ……」
ヒューイの傷は回復した。
僕は氷の槍を放つが、キングの斧に弾かれた。
キングは巨体に見合わずジャンプで距離を詰めると、斧で攻撃してきた。
僕は攻撃を回避し、一旦距離を取ることにした。
「フン、少シハ ヤルヨウダナ 人間ドモ。我ノトッテオキノ技、見セテヤロウ!」
オークキングは突然、回転し始めた。
そして、高速で回転しながら近づき、斧で斬撃を繰り出す。
ルナとヒューイは自力で回避したので無事だった。
「危ない、セレーネ!!」
オークキングは、セレーネに接近する。
僕は瞬間移動でセレーネを引き寄せた。
僕たちは体勢を立て直した。
「大丈夫か? セレーネ」
「ええ、ありがとうございます」
「ルナ、頼みがある。僕がキングを引き付ける。その間に君は……」
「わかったわ。私に任せて!」
ルナは僕の意図を理解してくれたようだ。
「ヒューイ!」
「おう! オレとお前で、あのデカブツなんかブッ倒してやろうぜ!」
「ファイン様、私も援護いたします」
ヒューイとセレーネが僕のもとに来た。
「小賢シイ 人間ドモ ガ。貴様ラニ、 勝チ目ハ ナイゾ」
「それはどうかな? ……行くぞ!」
僕とヒューイは、オークキングに立ち向かう。
2人がかりでキングを攻撃するが、守備力が高く有効打を与えることが難しい。
しかし、少しずつだがオークキングを追い詰めている。
ちなみに、ルナはこの場にいない。
なぜなら……。
「ファイン君! アリシアさん達を解放したわよ!」
そう、僕はルナにミネルバの救出を指示していたのだ。
ルナは剣で縄を切り、アリシアさん達を解放した。
「ありがとう、ルナ!」
「ヨソ見ハ 禁物ダゾ!」
オークキングは斧を振り下ろし、僕を攻撃してきた。
僕は剣でキングの攻撃を受け止めた。
「ナゼダ? ナゼ ソノチッポケナ剣デ 我ノ斧ヲ 受ケ止メラレル!?」
「違うな」
「!?」
確かにオークキングの言う通り、巨大な斧を剣で受け止めることは不可能だろう。
しかし、実際には剣の前に結界を展開している。
だから、斧を受け止めることが出来るのだ。
僕は【稲妻斬撃】で決着をつけるべく、雷雲を召喚した。
「ナ、ナンダ……? コノ雲ハ……」
「すぐにわかる」
雲の中を無数の稲妻が雲の中を走ったのち、オークキングめがけて稲妻が高速で落ちて来た。
「ギャアアアアアアアアア!!」
オークキングはたまらず絶叫する。
そして、オークキングは仰向けに倒れた。
まだ辛うじて生きていたが、もはや虫の息だった。
「オ前ハ……、何者ダ……?」
「モンスター如きに教える名前などない」
オークキングはそのまま息絶えた。
そして、救出したミネルバのみんなも軽傷ではあるが、どうやら無事なようだ。
「皆さん、大丈夫ですか? 私のヒールで回復して差し上げます」
セレーネの魔法で、アリシアさん達の傷が治った。
「ありがとうございます。もし皆さんが助けに来てくれなければ、今頃私たちは酷い目に遭わされていました」
「みんな、ありがとう!」
「ありがとニャ!」
「……ま、今回だけは感謝しなくもないわ」
ミネルバのメンバーは感謝の言葉を口々にしていた。
エリシアさんは相変わらずツンデレだが。
その後、僕たちは報告も兼ねて、一旦オーバーテイルに戻ることにした。