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英雄たちの物語 -The Hero's Fantasy-  作者: おおはしだいお
第2章 世界への旅立ち
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第49話 敵の巣窟

 僕たちは森の中で見つけた洞窟へと足を踏み入れた。

 この中にゴブリンの親玉がいる可能性が高いと踏んだのだ。

 洞窟内は言うまでもなく暗い。


「ファイン様、今から灯火(トーチ)を使いますわ」

「頼む。僕は探知(サーチ)を続ける」


 セレーネの灯火(トーチ)により、洞窟内が明るく照らされた。


「わあ、明るいね。これならボクも十分に戦えるよ!」

「シーッ! 静かに。ここは敵地だから、大声を出したらバレますよ」

「あっ! そうだった。ゴメンゴメン」


 フランはアリシアさんに叱責された。

 少し進むと、ゴブリン4体が迎撃に来た。

 見つかった。言わんこっちゃない。

 

 まず、アリシアさんが攻撃態勢に移る。

 弓を右手に、矢を左手に構えている。

 放たれた矢は、正確にゴブリンの眉間を撃ち抜いた。


「今度は私に任せて! 氷結剣(アイスブランド)!」


 そう言って出てきたのが、ルナだった。

 ルナは、得意の氷結剣(アイスブランド)で残りのゴブリン三体を一気に切り裂いた。


「すごいにゃ……。ゴブリンたちを一瞬で……」

「ええ。ファインさん達【星の英雄たち(スター・ヒーローズ)】がこれほどまでに、強者揃いだったとは……」


 ミーナさんとアリシアさんは驚きを隠せなかった。


「それにしても、洞窟の中にゴブリンが……」

「しかし、これで間違いなくここがゴブリンの巣窟だということがわかりました。このまま奥へ進みましょう」

「ええ。そうですね」

「セレーネ、今のうちにエーテルを飲んでおけ」

「私の魔力はまだ十分残っております」

「これから魔力を大量に使うハメになる。余裕のある今のうちしかチャンスはないと考えておいたほうがいい」

「わかりました」


 僕たちはさらに洞窟の先へと進むことにした。

 すると、急に開けた場所に出た。


「全員、臨戦態勢に入れ!!」


 僕の指示でルナたちは臨戦態勢を取る。


「な、何でこんなにゴブリンが……!?」


 そこには、大量のゴブリンがいた。

 ゴブリンたちは、こん棒や弓などの武器を構えている。

 よく見ると、上位種のホブゴブリンも何体かいた。


「ルナとヒューイは前衛を頼む!」

「了解!」

「任せな!」

「セレーネは全員に防御鎧(プロテクト)を!」

「任せてください」


 僕は、ミネルバにも指示を出すことにした。


「アリシアさんには、後方支援をお願いできますか?」

「もちろんです」

「ミーナとフランは、ルナとヒューイの援護を頼む!」

「了解だニャ!」

「ボクに任せて!」


 ミーナとフランも武器を構えた。


「フランは経験が浅いから、前に出過ぎないように!」

「うん、わかった!」


 僕の指示により、全員の戦闘準備が出来たようだ。

 ゴブリンたちは不敵な笑みを浮かべていた。

 自分たちの方が数が多いため、既に勝った気でいるらしい。

 しかし、甘いな。


稲妻撃(サンダーボルト)!」


 僕は雷属性の上級魔法を放った。

 これにより、ゴブリンの半分程は死滅した。

 まさか、こんな方法で窮地に追い込まれるとは思っていなかったのだろう。

 ゴブリンたちは狼狽している。


「今だッ!!」


 僕の合図で、みんなが一斉にゴブリンたちを攻撃する。

 ルナは得意の剣術と素早い動きを活かし、ゴブリンたちを次々と斬り捨てる。

 ヒューイはその豪快なパワーを活かして蹴散らして行った。

 敵が多いこの状況、僕は魔法にて後方から援護するのが最適だろう。

 僕は氷の槍(アイス・ジャベリン)を放つ。ホブゴブリン1体を含む、3体のゴブリンを貫いた。


「私たちも援護します」


 ミネルバのメンバーも応戦する。

 アリシアさんは3本の矢を同時に放ち、3体のゴブリンを射抜いた。

 ミーナとフランはルナたちに付いて行きながら、ゴブリンと戦う。

 ミーナは素早い動きで懐に潜り、短剣でゴブリンの急所を的確に突く。

 フランは槍のリーチを上手く活かし、射程外からゴブリンの心臓を突き刺す。


 ゴブリンたちも何とか反撃に出るが、成す術もなく倒されていく。

 ゴブリンアーチャーがフランを狙うが、僕が結界を張ってフランを守った。


「サンキュー!」


 そして、ルナが残ったゴブリンを倒すと、戦闘は終了した。

 この辺り一帯のゴブリンを3分足らずで殲滅することが出来た。


「しかし、これだけのゴブリンがいるということは、ファインさんの言う通りやはり……」

「ええ。とにかく先へ進みましょう」


 僕たちは洞窟の奥へと進んでいった。

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