第46話 アクシデント発生
風邪で体調悪くてしばらく休んでました。スイマセン……。
そして、そのわりにはあまり話が思い浮かばなかった(´-ω-)人
後半に話を追加しました。(11/01)
目が覚めた。
今は恐らく、未明頃。
未明に目が覚めることは、僕にとっては別に珍しいことではない。
しかし……。
どうしてこうなった。
僕の両腕には、なぜかルナとセレーネが抱きついていた。
僕一人で一つのベッドを、ルナとセレーネで一つのベッドをそれぞれ使うことにしていた。
昨晩、話し合いでそれを決めたはずだった。
まあいい、もう一度寝るとしよう。
……。
……。
だめだ、集中して眠れない。
仕方がないので、外に散歩にでも行くとするか。
僕は二人を起こさないように、そっとベッドから出た。
とりあえず、僕は宿の外に出ることにした。
既に東の空が明るくなり始めていた。
「寒っ……」
一日の中で、夜明け前が一番冷え込む。山の中なら尚更である。
僕は暇つぶしの為に、剣を持って来た。
せっかくなので、剣の素振りでもするか。
僕は魔法をそれなりに使えるが、剣の腕はまだまだ未熟だと思う。
もっと精進しなくては。
「100、101、102……」
それから、30分程が経っただろうか。
日が昇ってきたので、宿に戻ることにした。
体も温まってきたし、そろそろみんな起きる頃だろう。
旅はまだまだ長いので、剣の素振りも程々にしておかないと。
僕は、自分の部屋の扉を開けた。
すると、そこにはとんでもない光景が広がっていた。
「「!?」」
「あっ……」
ルナとセレーネが着替えている最中で、二人とも下着姿だった。
ルナは純白の下着を着けており、やはり発育の良い体つきをしていた。
セレーネはピンクの下着を身に着けている。小柄で服の上からでは目立たないが、セレーネもなかなかの体つきだ。
ルナは顔を赤く染めており、『ふえ~っ!?』と言った感じの表情をしていた。
セレーネも目を丸くしており、頬を赤らめていた。
しまった。こんなことなら、ノックをするべきだった。
「「きゃあああああああっ!!」」
二人は悲鳴を上げた。
ルナは驚きのあまりにか、枕を物凄い勢いで僕に投げつけた。
「ごふっ!!」
僕は物凄い勢いで、廊下の壁にまで吹き飛ばされた。
何て馬鹿力だ……。
ルナは見かけによらず凄い力の持ち主なのだと、改めて痛感させられた。
そして、朝食の時間。
気まずい空気が流れる。
「……」
「みんな、どうしたんだ?」
「「ごめんなさい!! ……えっ?」」
僕は二人に謝罪するが、なぜかルナも同時に謝った。
「さっきは枕を投げつけたりして、ごめんなさい。痛かったよね?」
ルナは着替えを見られたと言うのに、逆に謝罪した。
何という心の広さだろう。
「い、いいんだよ! 僕の方こそ、ノックせずに扉を開けてごめん! 次からは気を付けるよ」
「うん!」
「セレーネもごめん」
「ええ、もう大丈夫ですわ」
こうして、僕たちは仲直りした。
「おい、ファイン。一体、何があったんだ?」
「な、何でもないよ! 気にしないでくれ」
「お、おう……」
ヒューイに今朝の出来事について質問されるが、適当に誤魔化しておいた。
「ノックせず~」という言葉でバレるかと思ったが、ヒューイは鈍感だった。
それから朝食後、準備をして速やかに出発した。
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とある島の海岸線。
昼間にも関わらず、大空一面を暗雲が覆っているため暗い。
海が穏やかに波打っており、とても静かだ。
しかし、静寂を切り裂くように空間が歪曲し、突然黒い光が現れた。
正確に言うと、それは異空間のようなものだった。
「……ようやく出てこれたぞ」
その異空間から、突如“何者か”が現れた。
だがその者は、暗闇のせいで人物像がよく見えない。
それが人間なのか、そうでないのかも不明であった。
「……気が狂う程に長かったぞ。あれから、どれ程の時が経ったか……。無の世界で、我はどれ程虚しく、どれ程苦しかったことか……」
謎の人物は意味深な発言をして、どこかへと向かった。
暗闇の森の中を、とある少女は進む。
少女は色白の肌に銀色の髪、そして赤色の瞳であった。
すると少女は、謎の人物と出会ってしまった。
「あ、あなたは……!」
少女は涙を浮かべた。
だが恐怖と言うよりは、感動して泣いていると言った感じであった。
「久しぶりだな、―――」
少女に対し、謎の人物はそう発言した。
「ずっと、あなたを待っていました」
そう言って、少女はなぜか微笑んだ。
少女と謎の人物は、果たしてどのような関係なのだろうか。