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英雄たちの物語 -The Hero's Fantasy-  作者: おおはしだいお
第2章 世界への旅立ち
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第44話 フォースター王国に向けて

 翌日。

 僕たちは、いよいよフォースター王国に向けて出発する。

 出発前に玉座の間にて、改めて公王に挨拶する。


「今回は色々とありがとうございました」

「はっはっはっ。礼を言いたいのはこちらのほうだよ。公国を救ってくれてありがとう」

「では、僕たちはこれで……」

「ああ。また公国に遊びにきておくれ」

「いずれまた」


 僕たちは城を後にした。


「それで、これからの旅についてだが……」

「待ってくれ~!!」


 外に出ると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。

 振り替えると、ヒューイが僕たちを追ってきていた。


「ヒューイ!? どうしんだ?」

「オレもお前たちの旅に連れていってくれ!」

「「えっ!?」」

「それはいいけど、どうして?」

「お前らの戦いぶりを見て、オレももっと強くなりたいんだ。公王様や、父ちゃん母ちゃんには許可を得てきた。頼む、オレを連れていってくれ!」


 そう言うと、ヒューイは頭を下げた。


「ありがとう、ヒューイ。仲間は多いほうが旅は楽しくなる。是非とも来て欲しい」

「本当か!? ありがとう!! オレは魔法は使えないが、斧で戦うことができるぜ」


 こうして、ヒューイが仲間になった。


「それでこれからの旅程だが、馬車がないので歩いて行くことになる」

「気になっていたんだけど、どうしてワープで移動しないの?」


 ルナは純粋な疑問を投げかける。


「それなんだけど、ワープするにはワープする地形を正確に把握できないといけない。それに、誰かいると危ないので、どの道サーチができなければダメだ。したがって、ワープは一度行った場所でないと行けないんだ」

「そういうことだったのね」

「世の中、そう都合のいいことばかりじゃないのさ。さて、本題に戻すけど、ここからフォースターまで歩かなければならない。特に、後衛のセレーネは体力的に心配だから、こまめに休憩を取りながら進もうと思う」

「私なら大丈夫ですわ。こんなこともあろうかと、学園では自主的にトレーニングしていましたので。私だけの都合で、皆さんにご迷惑をおかけするわけには行きません」

「そうか。でも無理はしないでくれ」


 僕たちは早速、出発することにした。

 カグラ公国の南に位置する、フォースター王国は自然豊かな緑の国として有名だ。

 僕たちは今度、そのフォースター王国の国王に信書を渡しに行く。


■■■■■


 オーシンの街を出ると、しばらくは平原の道を進む。

 街を出てから数キロ進むと、森に入った。

 僕たちは、その森の中をひたすら突き進む。

 まだオーシンを出てから1時間と経っていないが、もうフォースター王国に着いたかと錯覚する。

 しかし、こういう森の中は視界が悪く、いつモンスターに出くわしてもおかしくない。

 僕は周囲をサーチしながら進んだ。


「ブラッディベアだ。全員、臨戦態勢に入れ!」


 すると、木陰からブラッディベアが一体出てきた。

 ブラッディベアはD級魔獣である。

 そのため、熟練の冒険者なら苦戦はしないが、初心者にとっては危険な敵だ。

 また、こいつは魔法や特殊攻撃こそ使わないが、身体能力が高く意外に素早い動きをするので注意が必要だ。


「ここはオレ様に任せな!」


 ヒューイは前に出ると、持っていた斧を振り下ろした。


「おりゃあっ!!」


 ヒューイは一撃でブラッディベアを倒した。


「すごい、ブラッディベアをたった一撃で……。ヒューイはやっぱり強いな」

「当たり前だろ? オレはいつも鍛えてんだからな! ブラッディベア程度はへでもないぜ!」


 ヒューイは笑顔で自分の強さを自慢した。これは、今後の旅において非常に頼りになるな。

 しばらく進むと、今度は三体のブラッディベアに遭遇した。


「ルナとヒューイは前衛、セレーネには後衛を任せる。僕はサポートに回る」

「ええ」

「おう!」

「お任せを」


 僕が指示を出すと、各々ポジションに就いた。


「アイス・ジャベリン!」


 まずはルナがブラッディベアAに、アイス・ジャベリン3発を放った。

 超高速のアイス・ジャベリンは、ブラッディベアの心臓部を突き刺した。

 ブラッディベアAは倒れた。


「おらぁっ!!」


 次はヒューイが両手で斧を構え、ブラッディベアBを真っ二つにした。

 最後に僕が剣でブラッディベアCの首を刎ねた。

 これにて、ブラッディベアたちを殲滅した。


「やっとチーム戦らしくなってきたわね」

「そうだね」


 その後も何度かモンスターを倒しながら、フォースターに向けて進んだ。

 オーシンを出てから何時間か経過した。

 僕は少し疲れを感じていたが、まだまだ歩ける。

 ルナとヒューイも平気そうだ。

 特にヒューイは体力自慢だけあって、余裕な表情である。

 しかし、セレーネだけは辛そうな表情であった。


「セレーネ、顔色が良くないけど、大丈夫?」

「はい。私はまだまだ平気です」


 そう言って、セレーネは笑顔を見せる。

 しかし、セレーネは明らかに無理をしていた。


「少し休憩しようか」

「ですが……」

「無理をするな。フォースターまではまだまだ長いからな」

「はい……。皆さん、私のせいでご迷惑をおかけして申し訳ありません……」

「気にしないで!」

「そうだぜ。無理することないんだぜ!」


 僕たちは少し休憩を挟むことにした。

 それから、30分後に再び出発した。

 その後も、こまめに休憩を取りつつ、ひたすら森の中を突き進んだ。

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