表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄たちの物語 -The Hero's Fantasy-  作者: おおはしだいお
第4章 魔王復活~遥かなる旅へ
130/158

第129話 新たなる力

 魔王軍が撤退した後、女帝ローラは即位の義を受けた。

 こうして、改めてグランヴァル帝国の新たなるリーダー、女帝ローラが誕生した。

 その後、僕たちはローラ陛下に呼ばれた為、皇室へやってきた。


「皆さん、この度は改めてグランヴァル帝国を救っていただき、ありがとうございました」

「いえ。あれは魔王軍が突然撤退したから助かっただけです。魔族の攻撃で帝都は以前よりも酷い状態に……」

「そうですね。民間人への被害がなかったのが、不幸中の幸いでした」

「ローラ陛下。魔王は復活し、これから魔族の侵攻は本格化するでしょう。改めて軍備を整えて、魔族への対策を行うべきです」

「そうですね。ファインさんのおっしゃる通りだと思います」


 魔族の攻撃により、帝都オストは王帝戦争以前よりも荒れてしまった。

 所々で石畳の地面は抉られ、壊された建物も少なくはない。

 街の修理には、相当な時間がかかりそうだ。


 第二次人魔大戦の際、魔王アガレスの攻撃で世界各地で多くの人々が犠牲になった。

 そのため、エノウ大陸各国の規定により、主要都市には地下シェルターを設けなければならないという決まりがある。

 その地下シェルターのおかげで、民間人の被害はゼロだったそうだ。


「ところで、ファインさん。帝都を守っていただいたお礼に、ファインさんたちに渡しておきたいものがあります」

「なんでしょうか」

「ファインさんには【勇気の腕輪】、ルナさんには【天使の指輪】、セレーネさんには【女神の指輪】を。そして、ヒューイさんには【膂力の腕輪】をそれぞれ贈呈いたします。これらは長い間、お城の地下室に眠っていた【魔導具】です。つまらない物ですが、もしよろしければお受け取りください」

「ありがとうございます」


 僕たちはローラ陛下から魔導具をいただいた。

 確かに、この腕輪からは何か不思議な力を感じる。


「なあ、ファイン。『りょりょく』ってどういう意味だ?」


 ヒューイからそんな質問をされる。

 ヒューイらしいなとは思いつつも、僕は質問に答える。


「腕力っていう意味だよ」

「おお、そうか! オレ様にピッタリの言葉じゃねぇか!!」


 ヒューイは大喜びしながら、自らの左腕に腕輪をつけた。

 すると、その時だった。


「な、何だ!?」


 ヒューイが身に付けた膂力の腕輪から、突如として緑色の光が発生した。

 そして、その光はヒューイの身体全体を覆った。


「これは一体……!?」

「ははっ、こいつはスゲェや!! 力がみなぎってくるぜ!!」


 ヒューイは何やら大喜びしている。

 すると、ローラ陛下が口を開く。


「昔、聞いた事があります。力を付けた者がとある魔導具を身に付けた時、更なる力を身に付けることが出来ると……」

「つまり、この腕輪たちは【クラスチェンジアイテム】だということですか?」

「そうだと思います」


 なんと、ローラ陛下からいただいたこのリング達は、クラスチェンジアイテムだと言うのだ。

 もしこれが本当なら、僕たちは魔王に対抗できる力を手に入れられるかもしれない。


 しばらくすると、ヒューイを覆っていた光は収まった。

 ヒューイの鎧が今までは黒色だったのが、赤色に変わっていた。

 それに加えて、兜とマントも着用している。

 どうやら、この腕輪たちはクラスチェンジアイテムで間違いないようだ。


「ヒューイ、ステータスウィンドウを開いてみろよ」

「おう。ステータスオープン!」


 ヒューイはステータスウィンドウを確認する。


「クラスはどうなった?」

「おおっー、スゲー! オレ、【守護者ガーディアン】になっているぜ! オレ、本当にクラスチェンジできたぜ!!」


 ヒューイは膂力の腕輪を付けたことにより、護り手(タンク)から守護者ガーディアンに昇格したようだ。

 守護者の名の通りパーティーを守る要であり、その守備力は非常に優れている。


「ルナ、セレーネ、リングを嵌めるんだ」

「ええ」

「わかりました」


 僕たち三人は、それぞれもらったリングを嵌めることにした。

 すると、ヒューイと同様に三人とも光に覆われた。

 僕の全身は青色の光に覆われる。

 なるほど、確かにこの【勇気の腕輪】からは強い力を感じる。


 ちなみに、ルナは赤色でセレーネは黄色の光である。

 僕たちの身体は、しばらく光に覆われていた。

 しばらくすると、光は解けた。


 僕はいつの間にか、青色の鎧とマントを着用していた。

 そして、ステータス画面を確認してみた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


・ファイン・セヴェンス LV:99


種族:人間(男) 19歳

加護属性エレメント:天

クラス:勇者


HP:999/999

MP:800/800

力:999

魔力:741

器用さ:769

素早さ:850

防御:840

耐魔:724


魔法:回復・補助魔法LV.10、炎魔法LV.9、氷魔法LV.8、

風魔法LV.10、雷魔法LV.10、土魔法LV.7、

光魔法LV.5、闇魔法LV.4、空間魔法LV.10、

必殺魔法LV.10


スキル:身体強化ブースト、王国式剣技、無詠唱、消費精神力軽減、

精神力継続回復(大)、状態異常無効


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「僕が得た新たなるクラスは……【勇者】か」


 僕は魔法戦士から勇者にクラスチェンジした。

 もちろん、パラメーターは全体的に上昇しており、特に体力や力が伸びている。

 勇者と言えば、三百年前の人魔大戦で活躍した勇者デウスが有名だろう。

 それに、新たなスキルも身に付けることができた。


 ルナは赤紫色の動きやすそうなトップスを着用しており、袖は天使の羽のような形状の白い半袖である。

 また、白の長手袋を着用し、背中には白いマントを纏っている。

 頭には、右サイドにリボンが付けられたカチューシャを装備。

 ボトムスは、丈が非常に短い白のミニスカートと、白のサイハイブーツを着用している。

 そして、襟やブーツにも天使の羽を模したアクセントが付けられている。


 セレーネは白のローブを着用し、頭には帽子を被っている。

 そして、緑色のスリット入りのロングスカートと、白のサイハイブーツも着用している。


「二人のクラスは何だった?」

「私のクラスは神聖騎士ディバインナイトよ。今まで以上にパワーアップしているわ!」

「私は聖女セイントですわ」


 全員、今までと同じ系統のクラスを得たようだ。

 聖女は聖職者系クラスの中でも上位のもので、伝説では死者をも蘇生する魔法が使えるという。

 セレーネに相応しい新クラスであり、その回復力には今後より一層の期待が持てそうだ。


 そして、ルナの新クラスである【神聖騎士ディバインナイト】は聖騎士の上位クラスと思われる。

 詳細は不明だが、非常に強力なクラスであることは間違いないようだ。


「よーし、この力があれば、魔族どもを簡単にブチのめせそうだぜ!!」


 僕たちはクラスチェンジを終え、新たなる力を身に付けることができた。

 この力があれば、魔王アガレスに対抗するための礎となりそうだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ