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英雄たちの物語 -The Hero's Fantasy-  作者: おおはしだいお
第3章 帝国との戦い
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第99話 華麗なる戦い

【ルナ視点】


 私たちは、平原にて炎のヴォルトが率いる帝国軍の大部隊に待ち伏せされていた。

 ヒューイが敵将のヴォルトに一騎討を挑まれ、私たち3人は残りの兵士たちの相手をすることになった。

 しかし、敵の数が多すぎてまともにやりあうのは大変だ。


 ファインが帝国兵の集団に向かって、魔法を放った。

 そして、ファインは剣を抜いて敵陣に突撃した。

 敵の注意がファインに向いている今がチャンス。

 そこで、私も攻撃を開始することにした。

 戦争は嫌いだが、だからと言って戦いから逃げてばかりではいられない。

 今こそ、私も戦う覚悟を決めなくては。


 まず私は剣を抜くと、剣を上にかざした。

 自身の周囲に、冷気が発生する。


氷結剣(アイスブランド)!」


 そして、私は思いっきり剣を振り下ろした。

 巨大な氷の刃が、敵兵を襲う。


「「「ぐわあああああああっ!!!」」」


 氷結剣(アイスブランド)を喰らった敵兵たちは、悲鳴をあげながら倒れて行った。

 この攻撃で、ある程度複数の敵を倒すことが出来た。


「これは戦争だから……ごめんね!」


 敵に体勢を立て直される前に、私は敵陣に向かって走っていった。


「気をつけろ、敵はファイン・セヴェンスだけじゃない! あの女もいるぞ!!」


 敵の前衛には、騎士や剣士などの前衛職が複数いる。

 私が勢いよく接近すると、敵兵たちも剣を構えた。

 私はそのまま肉薄し、剣で切り刻んで行く。

 敵も剣で応戦するが、私の素早さに追従できずに、次々と倒されて行く。

 帝国の精鋭と言えども、一人一人の強さはそこまででもない。

 とは言え、敵の数があまりにも多い。

 帝国兵たちが次々と押し寄せて来る。


「行け行けーッ!! このまま数で押し込めば!!」

「な、なんだ……!? 体の動きが急に鈍くなってきたぞ!?」


 突然、敵のスピードが遅くなった。

 どうやら、セレーネが敵に低速化(スロウ)の魔法をかけていたようだ。


「大丈夫ですか? ルナ」

「ありがとう、セレーネ!」

「今からルナに高速化(ファスト)を付与します」


 セレーネが私に補助魔法をかけてくれた。

 すると、身体が羽のように軽くなった。

 この隙に、私は敵を攻撃する。

 敵が止まっているように見える。

 敵は何もできずにやられていった。

 しかし、この状況に敵も黙ってやられる程、馬鹿ではない。

 ここで、帝国はとある兵士たちを出してきた。


魔鎧騎兵(トルーパー)部隊、前へ! 奴らの動きを止めろ!!」


 魔鎧騎兵(トルーパー)は帝国兵の中でも、エリート中のエリートであると聞く。

 物理や魔法に対する防御力はとても高いようだ。

 その一方で、その鎧の重さのせいか、動きはかなりゆっくりである。


 私はある作戦を思いついたので、魔鎧騎兵(トルーパー)の集団にダッシュで近づいた。

 私が肉薄すると、魔鎧騎兵(トルーパー)は槍で応戦してきた。

 しかし、動きは遅いので躱すのは容易だ。

 私は敵の攻撃を躱して、鎧と兜のすき間に剣を刺し込んだ。

 魔鎧騎兵(トルーパー)の一人が倒れた。

 予想通りだ。

 鎧と兜と間にはどうしても隙間が発生してしまうため、刃が通りやすくなる。

 この調子で、他の魔鎧騎兵(トルーパー)も次々に倒していく。

 何とか魔鎧騎兵(トルーパー)の部隊を壊滅に近い状態にまで持って行けた。


 しかし、敵の数があまりにも多すぎる。

 後方からは弓兵が放ったであろう、矢が無数に飛んで来た。

 私は素早い身のこなしで、矢の弾幕を躱す。

 しかし、矢が多すぎて敵に近づくことは困難になった。

 そんな私のもとに、一本の矢が飛んで来た。

 私は矢を切り落とそうと、剣を構えた。

 しかし、矢は私に届く前に落下した。

 どうやら、セレーネが結界を張って私を守ってくれたようである。

 さすがセレーネ。この状況でも私たち仲間のことを考えてくれるなんて。


 この機を逃さず敵を一掃するために、私は“ある魔法”を使うことにした。

 ぶっつけ本番になるが、ファインから借りた魔導書を何回も読んだため、術式はもう暗記している。

 私は剣を天高く掲げた。

 すると、金色の魔法陣が浮かび、空に暗雲が現れた。

 そして、暗雲の中を稲妻が走る。


稲妻斬撃(サンダースラッシュ)!」


 私はそう叫ぶと、思いっきり剣を振り下ろした。

 すると、無数の稲妻が帝国兵を襲った。


「「「ぐわあああああああっ!!!」」」


 帝国兵たちは悲鳴を上げて倒れた。

 戦いはつらい。

 でも、家族や仲間など大切な人たちを失うのはもっとつらい。

 かけがえのないものを守るために、今後も私たちは前進し続ける。


■■■■■


【セレーネ視点】


 ヒューイさんが敵将に挑まれ、私たち3人は帝国の一般兵を相手にします。

 私はいつも通り、補助魔法で皆さんを支援します。

 ルナとファイン様は数の差をものともせずに、敵を次々と倒して行きます。


「こうなったら、倒しやすい後方の魔道士を先に片付けるぞ!」


 敵兵たちが私に狙いを付けてきました。

 しかし、ルナが急いで駆けつけてくれました。

 そして、私に近づいてきた敵を一掃しました。


「大丈夫? セレーネ。ケガはない?」

「私は大丈夫です。ありがとうございます」

「そう、ならよかった。敵の数が多いから、あんまり前に出ないでね!」

「わかりました」


 ルナは私のことを心配してくれます。

 しかし、私とて戦うことくらいできます。


「出でよ、天の精霊シルフ」


 私は、天の精霊シルフを呼び出しました。

 そして、前回使った神の雷(ゴッド・サンダー)とは別のもう一つの魔法を使うことにしました。


「トルネードストーム!」


 私が魔法名を呼ぶと、巨大な竜巻が発生しました。

 巨大な竜巻が、帝国兵たちを次々と飲み込んでいきました。

 この攻撃により、大勢の帝国兵に大ダメージを与えることができました。

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