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マッチングアプリ  作者: 夢見月
2/2

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スキップ、スキップ、スキップ、スキップ


画面をじっと見つめながら写真をスワイプする。

はたして何人の男性をスキップしたのだろうか、何枚の写真を見たのだろうか。

美里はふと思いつつもその作業を続ける。


顔が自分の好みじゃない

チャラそうだな

あっこの人良さそう、ダメだ休日が合わない

ワンちゃん可愛い、いやそれしか載せとらんのかい

全く趣味合わないな

“性格はオカン系の方がタイプです!”

ん〜、私大人しい人間だから!健闘を祈る!


様々な理由や文句をつけてはスキップ

これを暇な時にダラダラとする。




マッチングアプリを入れてはや半年

きっかけは母がマッチングアプリ特集の番組を見せながら「美里もやってみたら?」と言われたから。

母親なりに21になっても彼氏の影がない私に心配したんだろうか、珍しく提案された。


なんてのは言い訳で、全く出会いのない仕事場に合コンを開く男友達もいない、かといって友人の紹介は好きになれなかったら申し訳なくなるから嫌など

恋愛のきっかけとしてマッチングアプリを入れることは美里としては自然な流れだった。

最近は電車の広告で恋活!とか言ってやたら宣伝してるし、女の人は無料だし!


…と、入れてみたのはいいのだが

スキップスキップ、マッチしたと思ったら会話が続かない。

なんとか会話が続いて会ってみたら

なんか違うな、いや良い人なんだけどな、好きになれないな、、、疲れてきたな。

わがまますぎるのかな、理想が高いのかな、そんな事をしていたら半年が過ぎた。


恋活、私は別名 期限のない就職活動 だと思っている。


そんな活動に変化が訪れたのは

社会人2年目、22歳の8月

4枚の写真と紹介文を載せた男の人に目が止まったところから始まった。


_______


その人は“りく”と名乗る男の人で


25歳、大阪住み


1枚目は飲み会の写真

2枚目はご飯を持って笑ってる写真

3枚目は運動してる写真

4枚目は絵の写真


趣味はLIVEに行くこと

食べることが好き

人見知りはあまりしないです!

良かったらよろしくお願いします!


と書かれていた。

相手からいいねをしてくれていて、私もいいねをした。


いいねを返した理由は

・顔が自分の好みだった

・私も絵が好きで上手いなって思ったから

・同じく趣味がLIVEで、ロックバンドRADWIMPSが好きで親近感が沸いたから


最初はなんとなく気になってとりあえずマッチングしとこうでいいねをした。


トークではチャットを複数の人と同時にやり取りするのが下手な私は、気になった相手1人に集中して連絡をしていた。

りくよりも前に他の人とやり取りをしていたので、始めはちょこちょこと遅いけれど、細々と続けていた。


―いいねありがとうございます!

 りくといいます。よろしくお願いします!


―こちらこそありがとうございます!

 私もRADWIMPSが大好きです✨


そのうちやり取りしていた他の相手とは上手くいかず、りくとのやり取りのみになっていった。






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