三題小噺シリーズ 025 『積乱雲』『コーナーキック』『清少納言』
サッカーワールドカップにちなんだ3作目。
(^^)
ベルギー戦を覚えている方はぜひご一読を、、
けっこう自信作です。
…7月某日の深夜3時。。
俺は近所の寂れたバーに来ていた。
ここには無口なマスターと酒とテレビが一台あるだけ。
静かにサッカー代表戦を観るには持ってこいの隠れ家のような場所。
(。・ω・。)
カウンターに座る俺以外に客もいない。。
『いやぁマスター、(^-^)、今日の試合は厳しそうだねぇ。。』
「…( ˘ω˘ )…」
『相手は優勝候補。普通では勝てないかと、』
「……( ˘ω˘ )…」
…全く、(ㆀ˘・з・˘)
マスターの無口はいつも以上。
独り言を呟くしかない。。
そもそも日本が弱いのは、ベルギーのように代表に黒人移民がいないからじゃないか。。
サッカーに専念する異人がいればきっと。
あぁ、(*´ー`*)
専念の異人の力が欲しい。(^-^)
…なんて呟くと、窓の向こうの積乱雲が俄かにビカビカ光り出し。。
物凄いカミナリがおちた、∑(゜Д゜)
何があったかと表に出ると、煙を吹いたオープンカーの外車が一台。。
どこかで見たようなと思うと…
側面に万葉仮名で〈でろりあん〉と書いてる。。
…微妙に時代遅れ??
。(´⊙ω⊙`)
しかも中には…∑(゜Д゜)
いかにも時空を超えて来たような時代遅れの人々が乗っていて。。
『あの…あなた方は??∑(゜Д゜)
なぜここに??』
「…何を申す??(^-^) お主がマロたちの力を求めたのではないのか??」
『はぁ!?俺が求めたのはサッカー専任の黒人の異人。こんな白塗り貴族じゃないですよ。』
「いやいや、(^-^) 千年の倭国人の偉人と聞いたのだが。。」
…どんな聞き間違い??(*⁰▿⁰*)
まさかこの人たち、本当に千年前からやってきたバックトゥザ何とか??
…っていうか自分で自分のことを偉人って言うな、、(。-_-。)
どんな凄い人なんだ!?
と聞いてみたら、、
「マロは、藤原の入道じゃ。(^-^)」
『なにそれ??入道雲を扱える人??(´∀`)』
「…まさか。(^-^) お主はマロを知らぬのか??』
『…まぁその、(。-_-。)』
「…俗名は藤原道長じゃが。」
『み…道長!?(°▽°) うわわ…超有名人。光源氏じゃないスか!!』
「ワラワはその縁者で、、」
『ま…まさかその紫色のお着物は…まさか有名な女流歌人の紫、、』
「…清少納言です。(^-^)」
『何でやねん、(*゜▽゜)ノ けどこれまた負けない超有名人。。』
なんか物凄い人が来てしまいました。(°▽°)
夢でもこんな設定はあり得ません!
もうテーブル席に移って一緒に応援しましょう。
これが千年後の蹴鞠です、、
平安時代に伝えてくださいよ。。
しかも…日本は大善戦。(^-^)
前半を終えて同点ですよ。。
後半開始早々から押してるよ。
もしやこの偉人たちのおかげ??
何かの特殊能力かも。。
「実はワラワには…物事の魅力を引き出す能力があります。」
『なるほど。(^-^) たしかに枕草子はそういうお話でしたね。』
「例えば春はあけぼの。(^-^) 異人の横綱は春に強かったと…」
『…やっぱり異人ですか、Σ(-᷅_-᷄๑) それに今は7月ですよ…』
「その通りです。(^-^) だから夏は、、」
『…そうか!!( ・∇・)』
そう。夏は夜です。(°▽°)
だから夜の日本は強いんだって。
さらに…
「マロは…風水ができる。。」
『方角を力にするんですね(^-^)、今はどの方位に力を感じます??』
「うむ。亥の気を感じる。(^-^)」
『なんですそれ?猪木ってこと??』
「亥の方角…北北西に運気が、」
『…??(^_^)?』
とか言ってたらなんと…
日本が先制点!!?(°▽°)
決めたのはまさかの、、
元気ですかぁ!?٩( 'ω' )و
なんかよく分からないけど
亥の気は大当たりだ!
けど少し運気が変わったようで…
『今度は…西北方向に運気??』
「うむ。(^-^)西北の者はおるか?」
『監督が早稲田…都の西北出身。。』
「いや、選手ではおらぬか??」
…西北の選手??(ㆀ˘・з・˘)
なんか居そうな気がする。。
…っていうか西北って風水では
何という方角なの??
とか考てたらテレビからまた
大絶叫が響いた、、
「戌亥だぁっ!!!(°▽°)」
そうだ。乾だ。(^○^)ノ
これでなんと2点リード。
もう楽勝かと思ってたら、、
「…赤い妖気を感じます。。」
『何ですか??清少納言さん。』
「いえ、妖気ではなく悪魔、、
赤い悪魔の気を感じます。。」
『…げっ!Σ('◉⌓◉’)』
そうだ。忘れてた訳じゃないけど相手は優勝候補。
通称は 赤い悪魔…
悪魔が息を吹き返せば勝てない。。
…同点に追いつかれた。
Σ('◉⌓◉’)
明らかに日本の気が落ちている。。
これには理由があるようで…
「…夜が白んできましたから。このまま夜が明けたら日本の運気はなくなります…」
『…それは拙い。何せ今は夏至の直後。もうじき朝の5時には夜が明けます。』
「では延長戦では勝ち目はありません。今は後半のロスタイム、、何とかここは皆で力を合わせて運気を集中して。。」
『俺も協力します!これが本当のラストチャンスだ!!』
これが…最後の勝機。( ・∇・)ノ
気を集中して赤い悪魔をコーナーに追い詰めろ!
その願いが…通じた。(`・ω・´)
終了間際にコーナーキックのチャンスを掴みとった。
ここで決める…はずだったのに、、
Σ('◉⌓◉’)
『…逆にやられてしまった、(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾』
「すまぬ、(-_-;) どうやらたった今夜が明けてしまったようだ、、」
『……仕方ないです。。これまさに一夜の夢、、お二人と同じテーブルで飲めたことは一生忘れません。。』
「ではワラワたちはそろそろ平安時代に帰りますが…あなたはどうします??」
『俺は…もう暫く飲みます。。』
「それなら席を移りはったら?? 一人で飲むのにテーブル席はないでしょ。」
『…だけど今は、。゜(゜´Д`゜)゜。』
カウンターは避けることにします。
(*´ー`*)
おあとがよろしいようで、、
ゴールを決めたのが原口元気と乾貴士。
試合終了時刻がほぼ夜明け時。
結末はあの…僅か14秒のカウンター攻撃。。
(^^)
この3つが結びついたことで話の大筋は決まりました。
次回はガラッと変わって
『梅雨明け宣言』『リニアモーターカー』『東インド会社』
を駄洒落でまとめてみました。