表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
History Origin ~なんちゃって歴史物語~  作者: 283
プロローグ
6/20

プロローグ:○○時代 『救世主は女の子』

小屋まで戻ってこれたのは奇跡と言っていいだろう。今俺は、小屋の中に身を隠している。あれだけ分かれ道が多かったんだ。ここに辿り着くことなんて──。


「あら、こんな所に居たのね。探したわ。」


声が聞こえ、反射的に顔を上げた。女が小屋の入口に立っている。次の瞬間、俺の体は俺の意思に反して、女の方へ進み出した。止まれと念じ続けるが一向に止まる気配はなく、遂に女と至近距離で対峙する。


「ねぇ、あなた、この世界の人間じゃないわね?名前を教えてくれないかしら...?」


切り落とされたはずの左手を俺の肩に置き、聞いてくる。

素直に質問に答えるのはマズい気がして、沈黙を決め込む。女はしばらく待っていたが、俺に答える気がないと分かったのだろう。無言で右手をこちらへ突きつけてくる。男の首を落としたのと同じように。

もうダメだと、深く目をつぶる。


「待ちなさい!」


声。うっすらと目を開けると、女の後ろに女の子が立っていた。


「この森の入口の3人を殺したのはあなたね!悪魔の姿をしているあなたにこれが耐えれるかしら?」


女の子の周りに光球が漂い始める。女は腕を切り落とされた時とは違い、焦ったような表情を浮かべると、俺に向けていた手を女の子の方へと向けた。


「ハァッ!」


女が右腕を振り切る前に、女の子が光球を発射する。都合、六発。


「チッ!」


女は、触れるとマズいと認識したのだろう。上空へと飛んで逃げた。

しかし、光球は意思を持つかのように角度を変え、飛んで逃げる女を追尾する。


「ホーミング!?厄介な...!──きゃぁ!」


女の背中に全弾直撃した。もうもうと煙がたち、女の姿が掻き消える。


「やったか!?」


「いいえ!まだよ!」


俺が、女の子の方を向くと、女の子は次弾を自身の背後に漂わせていた。


「ええ、まだよ。まだ私はぴんぴんしてるもの。」


上空から声がし、そちらを振り向く。煙は既に晴れており、言葉通りの無傷と言ってもいい状態の女が、浮かんでいた。


「でも、その光球、厄介ね。攻撃じゃない、正体看破のためだもの。私が何者かは秘密にしておいて。女には花のように綺麗な秘密が捨てるほどあるんだから。」


ひらひらと右腕を振る女に向け、女の子が次弾を発射する。が、今度は女に届く前に炸裂した。

たちのぼる煙幕の中から女の声がする。


「もっと遊びたかったけど、そろそろ時間だから、お暇させてもらうわね。目的は果たしたし、かわい子ちゃん達にも会えたしね。」


煙幕が消えると、そこにはもう女の姿はなかった。


助かったよ、女の子にそう声をかけようとして振り返る。だが視界がぶれ、膝をついた。

緊張が解けたからだろう。意識が遠のいていく。

女の子が駆け寄ってくるのが微かに見えた。

優しい娘だな。そう思うと、俺は完全に意識を失った。

6話目です。

面白いと思っていただけましたら、ブックマーク等よろしくお願いします。泣いて喜びます。


女の子の見た目は中学生くらいです。次の話から時代背景が分かるようになると思います。


それでは次回も、よろしゅう!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ