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History Origin ~なんちゃって歴史物語~  作者: 283
第一章:弥生時代
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第一章:弥生時代 『食後の一幕』

前回の【第一章:弥生時代 『朝食はハンバーガー』】にて、誤りがありました。


242年頃の中国の国名は()です。


現在は変更しておりますが、誤解を生んでしまい申し訳ございませんでした。

「もしも屋敷の外に出たいんだったら、女中さん達に声をかけてね。服の用意をしてもらえるから。」


朝食も無事に終わり、これから何をしようかと考えながら部屋を出ようとした時、卑弥呼(ひみこ)にそう声をかけられた。


「わざわざありがとう。もし良かったら、卑弥呼(ひみこ)も一緒に行かないか?食後の運動にでも。」


俺の提案に一瞬だけ色々な感情が混じったような表情を浮かべるが、すぐに元の笑顔に戻った。


「ごめんね。せっかく誘ってくれたのに。これから少しやらなきゃいけないことがあるから。──もし、その格好のまま外に出ていったら、本当に不審者と間違えられちゃうよ。だから、服の事は気にしないで。」


「そうか。じゃあ、また今度。」


そう言って部屋に戻ろうと、身を翻すと今度は食べ終わった食器を片付けている壱与(いよ)さんから声をかけられた。


章史(あきひと)さん。屋敷の外では、ここに住んでいる事はあまり言わない方が賢明ですよ。」


「へ?なんでですか?」


「私達のことをあまりよく思っていない人もいますからね。」


俺の横を通りすぎた壱与(いよ)さんの声はありえないほど冷え込んでいるように思えた。


--------------------


部屋に戻る途中に、女中さんに服の用意をしてもらうように言っておく。

しばらくすると部屋に置きに行くとの事だったので、それまでの間に屋敷の中を少し探検することにした。


──体感10分程屋敷を見て回った。

初めて屋敷を見た時の感想と同じく、やはりとてつもない広さがあった。弥生時代にも関わらず階段がそこかしこにあり、屋上まで綺麗に整備されていた。


まず、一階には卑弥呼(ひみこ)五卆芹(いおり)の部屋、今俺がいる客間が複数、会議室のような大部屋や、その他生活で必要な炊事場や風呂などが配置されていた。


二階は、壱与(いよ)さんを含めた女中さんの生活するスペースとなっているらしい。実際に中に足を踏み入れる訳にはいかなかったので遠くから眺めていると、女中さんに説明をされた。覗きではないと弁明はしたが、どこまで信じてもらえているものか...。


屋上は洗濯物を干すスペースの他に、簡易的な見張り台も兼ねているのだろう。小さいながら(やぐら)を発見し、登ってみると近くを一望できた。初めてこの世界に来て感動したかもしれない。どこまでも続く草原を見ていると、やる気が溢れてきた。


なんとしても、レヴィと合流するんだ。と決意も新たに客間へ戻る途中、中庭で剣の素振りをしている五卆芹(いおり)を見つけた。


「鍛錬中か?食後だってのに流石だな。」


「おお、章史(あきひと)か。お前も腹ごなしに少しどうだ?」


素振りをやめて、首筋の汗を布で拭きながら俺の方へ歩いてくる。


「いや、俺は剣なんて握ったこともないしな...。扱いを間違って傷なんかつけちゃ悪いからいいよ。」


残念そうな顔から一転、何かを閃いたのだろう。五卆芹(いおり)は、俺にここで待っているように言うと、急いで屋敷の中へ戻って行った。

数十秒後に戻ってきた五卆芹(いおり)の手に握られていたものは、木刀。かなり小ぶりのものだったのだが、あちこちに傷がついていて年季を感じさせる。


「これは?」


「俺が使ってた木刀だよ。もう使うことは無いだろうし、あのまま部屋で埃を被らしたままじゃもったいないからな。良かったら、使ってやってくれねぇか?」


そう言われてしまえば、もう断る理由なんかない。快諾し、木刀を両手で受け取る。木で出来ていて軽いはずにもかかわらず、ずっしりと重みを感じた。


「じゃあ剣も手に入った事だし、一緒に鍛錬するか!大丈夫だって、そんなにキツくしないからよ!」


そう言い、スキップでもしそうな勢いで中庭の真ん中へ向かうが──。


「おや、こんな所で油を売っていていいんでしたっけ五卆芹(いおり)くん?」


声が聞こえた瞬間、一瞬で硬直しゆっくりと振り返る。五卆芹(いおり)のまるでロボットのような動作に思わず笑いが漏れた。


「確か、海沿いの村に行って海産物を交易してくる約束をしていた筈なんですが...。もういちどだけ聞きますね?こんな所で油を売っていていいんですか?」


「すぐに向かいますっ!!」


ダッシュで俺たちの横を通って屋敷に戻っていく。


「そうそう、章史(あきひと)さん。私の部下から、部屋に服を置いておいたと伝言をしてくれと頼まれまして。五卆芹(いおり)くんが着ていたものと同じなのですが、おひとりで着付け出来ますか?お手伝いも出来ますが。」


五卆芹(いおり)の格好は何度か見ているので、おそらく大丈夫だろうと断っておく。


「そうですか。それでは私は仕事に戻りますので、村ではくれぐれもよろしくお願いしますね。」


「ありがとうございます。お仕事頑張ってくださいね。」


壱与(いよ)さんと別れ、村へ行く準備をするべく客間へと向かった。

11話目です。

面白いと思っていただけましたら、ブックマーク等よろしくお願いします。泣いて喜びます。


取り敢えず一話だけ投稿しておきます。まだ少し投稿期間が空きます。


それでは次回も、よろしゅう!!

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