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呪遣い(カーステイカー)  作者: リンゴの木
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10話 ほのぼの二人旅

10話 ほのぼの二人旅


「へぇ!オーグルは、女騎士なのか、カッコいいな!」


「別にカッコいいと言われるほどのものでもないさ。たまたま魔物を狩っていた私が運良く選ばれただけだ。」


「いやいや、謙遜すんなって!国から選ばれたんだろ?だったら、選ばれるだけの理由があるんだって。それに国から選ばれるってことは、なんか称号とかもらってるのか?」


「称号…称号か。一応、貴族の称号はもらってはいるな。名前だけだが。」


「ほぉー、貴族か、良い称号じゃん。」


「そうだな……」


「…オーグル、今なんか誤魔化した?」


「…何のことだ?」


「いやいや絶対なんか誤魔化したでしょ!なんか変な称号貰ってるでしょ!」


「何のことだか、さっぱりだな…」


「………嘘つき」


「……はぁ、そうだ。王国の鬼という称号も不名誉だが貰っている。」


「王国の鬼…」


「陛下が私の姓を元に、くださった称号だ。オーグル、、オグル、、鬼といったところだな。全く、これでどれだけなじられたか…。」


「ま、まあ良いんじゃない?良い称号でしょ?」


「貴様本気で言ってるのか…?」


 オーグルと浩也は、こんなくだらい会話をしながら、道を進みながら王国を目指しいていた。オーグルの浩也に感謝を伝えたいという申し出と、浩也のとりあえず人がいるところに行くという目的が一致した結果である。オーグルと浩也は、よほど互いの波長が合うのか、最初はさん付けで、呼んでいたが、今は呼び捨てで言うようになり、オーグルの話し方もだいぶ素が出ていた。


「そういえば、オーグルの喋り方って、それが素なんだな。」


「そういえばそうだな。コウヤと話していると、気が緩んでどうしてもこっちの話し方になってしまうな。気になるか?」


「いや、全然。むしろ、そっちの方がしっくりくる。」


「そうか。一応、私も貴族だからな、それなりの言葉遣いをしろと陛下に言われてな。なるべく意識しようとしていたんだ。」


「なるほどね。まあ、好きな方でしゃべってよ、そんなに気にする奴でもないから、俺。」


「ああ、分かった。ところで浩也、お前は冒険者か、他国の有力な騎士かなにかか?種族名持ちの"サイクロプス"を圧倒するあれだけの力を持っているなら、冒険者か騎士だと思ったのだが。」


「どっちでもないよ。一般人よ。まあ、普通かどうか知らないけど。」


「なんと…!冒険者でも、騎士でもないのか…驚いたな、アスラ王国の中にまだこんな逸材が眠っていたとは…。」


「いやぁ…何というか、俺すごい遠いところから、このアスラ王国?ってところに来たばっかりで、まだあんまり状況が分かってないんだよな…」


「ほう、そうすると他の大陸から来たということか…となると、サムドラ連邦、アッカーシャ王国のどちらか?」


「いや、何というか、この世界じゃないというか…」


「…どういうことだ?」


「信じてもらえるかは、置いておくけど…俺、別の世界から来たんだ。」


「なんと、別の世界…にわかには信られんが…」


「まあ、そうだよなぁ。普通は信じられないと思うわ。けど、事実だからどうしようもないしな。」


「ふむ…であれば"名付き"は持っているか?」


「ナツキ…ああ、名付きね!持ってる、持ってる!」


「名付きであれば、ある程度の信頼性が増すのだが、見せてもらっても良いだろうか?」


「おう、大丈夫だ!」


 浩也は、鞄から自身の名付きを取り出し、オーグルに渡した。


「…確かに間違いないようだな」

____________________________________

氏名: 比谷木浩也(ヒヤキコウヤ)

性: 男性

年齢: 19

出身: 地球(日本)

スキル: 呪遣い(カーステイカー)

    女神の加護

Lv. 1

体力: 3000

魔力: 2000

攻撃: 4000

防御: 5000

____________________________________


「こんな出身地は、私も知らないし、女神の加護持ちか。これであれば、ある程度の信頼性がある。」


「そんなもんなのか、女神の加護って?」


「そうだ。この世界には、これまで女神の加護というスキルを持った人物は2人しかいないと言われている。世間からは英雄と呼ばれていた人物で、共に人間では到達できないような強さの領域にいたとされている。そして、そのうちの一人は自身が異世界人だということを公言していたらしい。」


「はぁ…なるほど。」


「もう一人に関しては何とも言えないが、こちらの世界では、女神の加護持ちは、特殊であると言われているのだ。」


「ふむふむ…」


「しかもだ、サイクロプスを倒していながらもレベルが上がっていない、ただレベル1にしては異常なステータス、そして種族名持ちのサイクロプスを倒すだけの実力、どれも異常と言っていい。」


「うーん、やっぱり異常だったのか、このステータス…」


「当たり前だ。本来なら、その10分の1ぐらいが妥当だ。」


「10分の1…そんなもんなのか。なあ、試しにオーグルのステータスも見せてくれよ。基準みたいなものを知っておきたいんだ。」


「私のか?あまり、私のステータスは参考にならないと思うが…まあ良いだろう。」


 オーグルは、首元から下げていた名付きを取り出し、浩也に渡した。


____________________________________

Lv.140

体力: 65000/120000

魔力: 12000/50000

攻撃: 220000

防御: 170000

____________________________________


「やば…Lv.140って…」


「140?そうか、サイクロプスで上がったのか。」


「まるで脳筋ゴリ…」


 ゴン!と浩也の頭にオーグルのゲンコツが落とされた。


「痛ってっー!何すんだ!」


「女性にむかって、脳筋ゴリラはあるか、馬鹿者!」


「いやいや、褒めてんだぜ…良いじゃんか、脳筋ゴリラ…」


「私はあまり嬉しくないのだがな…」


「まあでも、あんまり参考にならんかったな。でも、オーグルって強い方なのか?」


「自分で言うのもなんだが…アスラ王国では5本の指にははいるとは思う。他の大陸は、分からないがな。」


「そうだよなぁ、おかしなステータスしてたし……。っと、そろそろ暗くなってきたな。」


「確かに。仕方ない、今日はここでキャンプをするか。」


 オーグルと浩也の旅はまだ始まったばかり。


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