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第9話 アンナ姫の決断

「お待ち下さい! アキラ様、それはどういう……?」


 俺がまさに応接室の扉を開けて出ようとしたところで、背後からお姫様が声をかけてきた。対して俺は、興味なさげに事務的な口調で応える。


「ピラーギル討伐後に要した食糧は500匹の焼き魚。しかし悪魔退治に必要なのは焼き魚換算で5千万匹です」


「ご、ごせ……?」


「つまり、ピラーギルの(ぬし)を倒した時の10万倍の法力を消費するということです。この意味がお分かりになりますか?」

「あの、それが何故お肉2千人分なのでしょう?」


「焼き魚を5千万匹も用意出来ますか?」


 可能か不可能かは別として、それを食いきるのに何日かかることやら。顎だって砕けそうだ。


「悪魔退治は王国にとっても重要なことだと思ったのですが、お姫様とお会いするのもこれが最後かも知れませんね」

「え?」


「たかが魚の魔物の討伐に犠牲を払っているようでは、王国軍といえども悪魔には到底(かな)わないでしょう」

「それは……」


「王国の滅亡を願うわけではありませんが、食糧を調達して頂けない以上、俺にはどうすることも出来ませんから」


 ドラゴンを倒したじいちゃんは、一体どれだけの食糧を消費したのだろう。


「それでは、失礼します」


「ま、待って下さい!」

「まだ何か?」


「お肉……2千人分ですね?」

「え?」


「殿下!?」


 驚いたのは俺だけではなく、侍女のルミルさんも同様だったようだ。


「アキラ様がそこまで(おっしゃ)るなら、私が何とか致します」

「……」


「ですがもし、そのお肉が無駄になるようなことがあれば、アキラ様には王国に……いえ、この私に従属して頂きます!」

「殿下!」


「えっと……」


「王国の判断を覆すのです。その程度は呑んで頂かなければなりません」


 無論、本当に悪魔を討伐したのなら、その時は改めて報酬を支払うと言う。


「分かりました。その条件でお願いします」


「殿下! そんなことをしたら殿下が反逆罪に!」


「構いません。その時は私の従者たるアキラ様に護って頂きますので」


「ご心配なく。アンナ姫様のこのご決断は、後に王国を救った英断として語り継がれることでしょう」


◆◇◆◇


――イノーガス男爵邸――


「キュアト! お前何を言って……?」


「聞こえませんでしたか? 私に(ひざまず)けと言ったんですよ」

「気でも狂ったか!?」


「うるさい! いいから父娘(おやこ)とも跪けっ!」


「ひっ!」

「か、体が勝手に……?」


 イノーガス男爵と娘のメリノーラの体は、彼らの意に反してキュアトの前に膝を折っていた。


「あの悪魔が教えてくれたんですよ。この屋敷の中では私に逆らえる者はいないってね」

「何だとっ!」


「そうだお嬢様、私と結婚しましょう」

「誰が貴方なんかとっ!」


「それが悪魔から救ってくれた恩人に対する言葉ですか?」


 言うと彼は令嬢に近づき、荒々しく彼女の衣服を引き裂いた。


「きゃぁっ!」

「や、やめろっ! 娘に手を出すな!」


「男爵閣下はそこで大人しく見ているがいいでしょう。私の子を宿すために、愛する娘が自ら両脚を開いて私を受け入れる姿をね」


「いやぁっ! やめて!」


 だが、言葉とは裏腹に彼女は仰向けになって下着を脱ぎ捨て、太股を大きく開く。


「ど、どうして……体が勝手に……!? いやぁっ!」


 その夜は一晩中、メリノーラのすすり泣く声とキュアトの歓喜の息づかいが交錯し続けるのだった。


次回、キスシーン!!

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