連絡係は、良い仕事をします?!
ーたぬき視点ー
連絡係のナイスリカバリーで、オヤジの袈裟を大勢の前で発表出来た!!
まぁ、試着はまた素敵な出会いが必要だからな。
この場所ってば、偽巨乳ばっかりだし!!
うーん。
オヤジってば、そんなに巨乳にアコガレが?!
そうか…。
まぁ男の夢だものな…分かるよ…。
ん?
何かシーンとしてるなぁ。
いつの間に、別の場所に来たんだ?!
「此処ならば、城の誰も知らぬ場所だ。
俺がコッソリと城下へ降りた際に使っていたんだ。
それも、かなり前にな…」
この家…。
何となく懐かしくなってしみじみと眺めていたら、オヤジが!!
「おい!!
これって、俺の小屋の真似か?!
お前…マジか?!」
おぉ、そうだ!!
最初の頃の、ボロボロのオヤジの小屋。
俺を助けてくれたオヤジとの出会いの小屋だ!!
な、懐かしいなぁ。
オヤジを見上げると、少し不機嫌だ。
なんでだ?!
あー!
分かった。
昔の彼女との、思い出の場所だったのかも…。まあ、オヤジもいい年だしなぁ。
しかし…。
少し手狭じゃないか??
オヤジと俺だけならまだしも。
うーん。
ん?
連絡係??
そうか!!
お前たち頑張ってくれんだな。
「頼むぞーー!!!」
俺が頼んでいたら、何故かオヤジが慌てている。アレ?偽巨乳もか?
大丈夫!!
全て俺に任せてくれよ!!
ーカラ視点ー
何が起きているんだ?!
いつもの大門を見て、故郷に戻った安堵感に浸っていたのに。
こんな場所に、門兵が沢山いる事自体ない。
その上、検査場だと!!
あまりの無礼な態度に、怒りに身体が膨らむのが分かったがゼルグフの目配せに必死に怒りを封じ込める。
しかし、それだけでは終わらなかった。
まさかの魔法棒の提出とは…。
コレは単なる門兵の問題ではない。
いったい、何が…。
怒りと不信感で満杯の俺を他所に、またもやパパラヌがやってくれた。
もう…コメントのしようもない。
窓からグラセル殿が鳥に運ばれて来たのも驚きだが。
あの変わったマントは何だ!!
武器の無力化。
それも、未だお目にかかったことのないモノ。
しかし、この状況を利用しない手は無い。
脱出した我々を、俺は自分の隠れ家へと招いた。
いつか…。
俺の憧れの魔法使いゼルグフを招きたかった。
念願が叶ったが…かなりご機嫌斜めか。
まぁ、予測通りだったが…、
ん?
また、パパラヌか??
待て。
おい、やめてくれ!!
お前の『任せておけ』ぐらい奇想天外な事になる事はない。
はっきり言って心臓に悪いよ。
例え、巨人族でもな!!
あ、間に合わなかったか…、
俺の隠れ家。
変身し過ぎじゃぁ。
大木の家??
鳥の巣??
「ツリーハウスの完成だ!!
これなら、隠れ家にぴったりだしオヤジの別荘として満足だな!!」
パパラヌ…、
そうか、ゼルグフよ。
諦観。
まだまだ学びだな…人生って。