お礼は、おにぎり?!
ーラブロアの心の叫び!!ー
美味いもんは大好きさ!
もちろん、黄金色のピカピカしたモノなんて目がないんだ!!
俺の腕前は、この界隈一。
いやぁ、世界一でもいいか?
厳しい修行とか、センスとか。
そんなモノじゃない!!
とにかく、聞こえるし、見える。
ん?
何の事だって?
防具さ。
手先の器用さを生かそうとこの職に就いた。
金のない俺の仕事場は、山の中。
お客さんが来ねぇだろうって?
いや、ソコは腕前さね。
言ったろ?
原料となる石や木や魔石。
そんなモノたちの声が聞こえるって!!
だから、楽勝だった。
気に入った相手にのみ、防具を作ってやった。
扱えないモノは無い!!
それが最大の強みで、俺の誇りでもあった。
しかし、最近は暇だ。
アレだ。
あの魔法使いが次々と大物を倒すから。
魔物が出にくい。
ふぅ。
金はある。
だが…本当はこの仕事は好きだ。
だから、暇は嫌だ。
そんな時、鴨ネギがやってきたんだよ!!
ほーら。
グラセルだ!!
奴も魔道具では、第一人者だ。
だから、目利きでもある。
コレぞ!!と言うお宝を持って依頼に来る事が多い。
おぉ、久々にワクワクする!!
俺は、先回りして素材を盗んでやった。
返すさ。
俺の思い通りの防具にしてな!!
(まぁ、後から高額請求するけど)
ん?
家に逃げ込めば、大抵は諦めて待機しているのに今回はオカシイぞ。
いったい、何が…。
!!!!!!
い、家が!!!!!
こ、壊れた…。
跡形も無い?!
天井は、青空で。
テーブルの上の奴から盗んだモノと俺が立ち尽くすのみで。
道具すら…。
あ、違うわ。
キラキラした何かは、頭の上に降り注いでいるけどな。
さすがに度肝を抜かれたまんまで、ピィーピィーと声がするので上を見上げれば。
あ、あんぐり。
な、何?
あの鳥は?
金色に輝く小鳥の後ろに、ボンヤリ影が立ちはたがる、
あ、あれはパパラヌ???
霞に近い姿だが、間違いない。
『ご主人様の影を連れてきた!!
大切な袈裟を盗んだのか?
だとすれば…』
「わぁぁぁぁぁ!!!!
ごめんなさい。すいません!!
本気では無いです。返すつもりでした。
ちゃんと防具にした後で。
ほ、ほ、本当です!!!」
生まれて初めての土下座を必死にして土に頭を擦り付けて詫び続けた。
ガタガタガタ!!!!
ひぃーー!!!!
耳元に聞こえる、不気味な音に頭を上げれば…。
な、何?
いったい、どうなった??
このお屋敷は??
『ご主人様のイメージだ。
確か…雀のお宿とか言ってた。
良いか?今度こそちゃんとやれよ!!
このお屋敷は、前払いだ!!』
ピィーーーーーーー!!!!!
高らかな鳴き声が響き渡る、山の中に突如現れた建物。
誰も見た事のない物体で作られていた。
あの屋根?
ゴツゴツした石の様だが、理路整然と並んでいて美しいな。
木製であるはずの家は、土台が石垣となる。
白壁なんだが、土と何かを混ぜたのだろうか?均一な白壁の美しさは、格別で。
更に屋根の上にいる、鳥?
かなりの尾の長さだ。
見た事のない、魚も付いてる。
うーん。
何階建てかも分からない大き過ぎる。
マジでデカ過ぎの家は、まるで王城の様だった。
木で出来た入り口に何か貼ってある?!
『城』
何の文字だ?!
見た事ない…。
意味は??
「ラブロア。
諦めたか。
コレは、俺たちの様な凡人が関わる事じゃ無いんだ。
選ばれたら、ただ、ただひたすら任務をこなす他ない。
が、頑張ってくれよ…」
ため息混じりのグラセルに、ホッとする。
普通の人間の有り難さ。
この出来事を共有する人間がいた!!
誰も信じない。
この出来事を…。
「あの鳥は?
それに、あのパパラヌは何だ??」
俺の質問にグラセルの奴がキョトンとする。
「え?
小鳥しかいなかったけど…」
。。。
それから、俺は素晴らしい。。。素晴らし過ぎる家で必死に仕事をした。
忘れたい出来事を紛らわすように…。
出来上がり、納品した後でもう一度驚いた。
誰もいないはずのテーブルの上に…
『おにぎり』
が、あったからだ…。
お、お礼だろうか?
恐る恐る食べてみれば、一生忘れられない美味さだった。
パパラヌのお礼の凄さに、その後…。
山の中でパパラヌと出会う度に、深々とお辞儀をした。。
(いや、ビビった訳じゃないから!!)




