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復活の鐘の音?!

ーたぬき視点ー


塔って、階段がいっぱい…。


知ってるかい。

たぬきの足って、階段に向きません。


と、言うわけで探すはエレベーター!!


へっ?


それ何って。

そりゃ…うーん。そうだよ!!

確か、近道。


近場のドアっぽいモノを探そうっと。



周りをワンコの集団に囲まれてるけど、キョロキョロと辺りを見回すと…。


歪み?

壁にヒビが入ってる?!


そっと触ると。


一瞬、世界の全てが真っ白になって身体がふわっと浮き上がった。いや…落ちた、のか?


とにかく。

宇宙飛行士の気持ちになりながら、酔いそうになる。


うっぷ。

俺って、上下の逆さまとか弱いんだ。

だから、鉄棒だって。。ん?


てつぼう…??


ココどこ?

あれ何?!


俺は辺りを見て、固まった…。



沢山のモニター。

とにかく、そのモニターに沢山の景色があちこちに映っていた。


壁というか、何か変なモノに…。



『この世界の景色。

ここは、世界の監視塔ですから』



あーーーーー!!!!



オヤジ?!だったのか。

その格好…また女心の勉強なのか?


スカートは、ちょっと…な。


『私の姿をラクスゥが真似させたみたいね。

この国では、有名だから迷惑かけたかもしれないわね』


え?

オヤジじゃないの?


そっくりなのに…。


『この場所の最後の時に貴方に会えて嬉しかったわ。この世界に導かれた貴方に会えて。


あの子をお願いね。


この世界の鍵となるあの子を…』



な、なんと!!

お母さん?!だったのか…。

(もう。オヤジのマザコンめ。親の真似とか。。。)



は、初めまして。

たぬきと申します。


不束者ですが末長く宜しく…。

??


笑ってる??

なんで…?



『ククク。

実際会うと面白いわね。


さぁ、時間が無いわよ。

私の最後の力を貸して使ってココから逃してあげるから、あの子にこの場所の終焉を伝えて』


終園?!

もう、遠足終わりなの…。



せっかくコレ拾ったのに。

この黒い実は泡が立って綺麗になるんだよ。

よく、神社なんかにこのムクロバの木があって。

あれ?名前が出てこないな。


ほら。

こうやって水の中にいれて泡立てると…。

泡立てる、、


ぎゃぁーー!!



泡が、泡が!!



立ちすぎた!!!!!!!

どうしよう…。


は!!

お母さん?!


オヤジのお母さん、無事ですかーーー!!


ワンコのぬいぐるみ集団!!

今こそお母さんを泡から助けてあげてくれーー!



ぶくぶく…。

オヤジよ。


こんな場所で溺れるとは思わなかったよ。


ベール。


約束したのに…。



バン!!!!!

 

凄い音がして微かに見れば。

あれは、まさかの。。。光るオヤジ?!



助けに来てくれたんだね。


ありがとう!!


オヤジの手を掴んだ途端、俺の限界が訪れた。

だから、お母さんの最後の声は聞こえなかった。



『この場所から世界を見守って、そろそろお役御免と思ったのに。

ありがとう…。


貴方の浄化の力のお陰で、奇跡が起きたわ。

もう一回。

もう少しだけ、世界を見守っていくわ…健一郎』



ーオヤジ視点ー



塔の外でタヌキから貰った石に念を込めていたら、突然悲鳴が聞こえた。


もしかして。



タヌキ?!



石はいつの間か、手の中で砕けて砂となっていた。

そして…。


塔の外にいたはずの俺は、何故か見知らぬ場所に。


だが、理解出来る。


呼ばれたと。


この場所は塔の中だと。

決して踏み入れない聖域に俺は今、いると。


「オヤジ!!」


俺を呼ぶ声が聞こえた?!



タヌキの助けを呼ぶ声だ!!


とにかく、ひたすら声のする方へと進むと。

タヌキが何かを握りしめて倒れていた。


「タヌキ!!」


微かに目を開けたタヌキと目が合った気がしたが。

少し笑ったタヌキは再び気を失ったようだ。


俺は素早くタヌキを抱き抱えて歩き出した。

出口も分からない俺の目の前に真っ直ぐ光る一本道を。


恐らく…この塔の主からの手助けだと理解して。



ハッ!!



気づけば、塔の外にいた。

何処から脱出したのか、全く気づかなかった…。


目線を他へ向ければ。

グラセルとランスが不安そうな顔でこちらを見ていた。


「大丈夫だ。

だが、この塔から離れた方が良い」



二人が真顔で頷いた。



それからのランスは早かった。

あっという間に、撤退の命令を下し我々をウマに乗せると部隊を率いて街へと戻って来た。



ゴーン。

ゴーン。

ゴーン。



街へ辿りつきホッとした我々を鐘の音が出迎えた。



その音に街中の人間が固まって塔の方角を眺めた。

遠い昔からの言い伝えを思い返してながら。



『鐘の音は復活の兆し』


ぐーぐー。

腕の中のタヌキは小さな寝息を立てていた。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です(^_^ゞ たぬきくんの勘違い(?)此処に極まり! って感じですね‼ 何故にこうも周囲とズレた思考をしながらも廻りを救えるのやら……(´ー`*) [一言] 世界の監視塔の主…
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