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オヤジの去った王宮では…。

「ダーラントよ。まさか本当に…」


蒼白な兄上には、申し訳ないが情け無い。

一国の王ともあろう者が、英雄と言う響きに惑わされるなど。

あってはならぬ事。


そんな兄王の態度は、家臣を揺るがした。


国が二つに割れる。

そんな危機感を肌で感じたのも、身分を捨てた理由だ。

とにかく、頭は二つは要らぬ。

これは、どの国でも不朽の真実よ。


兄王に更に詰め寄ろうとしたその時。

俺の袖を引っ張るモノが。


誰だ?

こんな状態の俺を止められる者など…いたか。


そうだな。

お前だけだ…パパラヌ。


「ダラさん。

大変なんだよ。

俺の分身が一匹行方不明になった。


たぶん、俺の脇腹かな?」


何ーー!!!

何という規格外。

分身した上に、その部位まで分かるのか?


パパラヌ。

ちょっとドン引きするぞ、ソレ。



しかし、不味いな。

パパラヌに万一の事があれば、アイツが黙ってはいまい。

最悪は、この王宮が粉砕するかもしれん。


冗談では、ない。

本当の事だ!!


エンデバンが半眼でこちらを見るが。

まぁ、以前の奴しか知らぬなら仕方ないな。

実際、この目で見た俺ですら信じられないのだからな。



しかし。

こんなちっさなパパラヌ、探そうとしても。


「あーー!!!

いたーー。あそこだよ。

あの女の子が、握ってるー!

しかも、痛いよ。振り回さないで!!」


パパラヌが指差す先には、なんとセイラが。

兄王の第三王女。


確か…年は6歳くらいだったか。

そうか、可愛いモノに目がないからな。


「セイラ。

その手に持っているのは、生きているモノで人形ではないのだ。

返しておくれ」


「いや!

私が見つけたんだもの。

叔父様と言っても、絶対あげないから!!」


不味いな。

意固地になってる。


ん?

握ってるパパラヌがグッタリしてるか…。

どうすれば…。

ん?


「ダラさん。

女の子なんだよ。

落とすと言ったら、宝石でしょ!

宝石と交換で大丈夫だよ。ほら、あそこにあるから!」



パパラヌよ…。

それは、さっき鏡になった光る石では?

恐らく国宝級の…。


「綺麗ね。

いいわよ。

コレと交換ね!!」


はー。

無事パパラヌを全部回収終了したぞ。

もう、後は知らん!!

国宝級の宝石が6歳児のモノだとしても…。


兄王は、その間に少しは立ち直ったのかジャンセに与した者達を罰し始めた様だ。

かえって良かったかもしれぬな。

余計な一言を言わずに。


兄王に付いていた馬鹿共が一掃されそうだ。


パパラヌとエンデバンと騎士団の一室へ向かう。

これ以上、ココに俺は必要ないからな。

とにかく『暴発』を止める。

それが俺のするべき事だ。


ところが…。


部屋へ戻ったパパラヌがまたもや、大騒ぎを始めたのだ。


「大変だーーー!!!

ダラさん。元に戻れないよー。」


なんだとーーー!!!!


一難去ってまた一難か…。



ーたぬき視点ー


わぁお。

お嫁さん候補を発見したのに、分身を握られていて婚活パーティーへの誘いどころじゃない!!


返してーーー!!


ダラさんでは、頼りないから直談判だ。

ほら、女性は宝石だろ?

だから、庭で拾った光る石と交換したんだ。


何度も役立つ石だな。

拾って良かったよ。


返して貰ったから婚活パーティーにお誘いしたかったけど。。。


でも、さすがにコレはだめだな。

オヤジと背が釣り合わない。

こんなにちっさなお嫁さんではな。

オヤジは、結構背が高いんだ。


キョロキョロとお嫁さん候補を探そうとしてるのに、ダラさんは狭い部屋に戻った。


まぁ、取り敢えずオレも元の姿に戻るか…


アレ…



どうやって、変化って戻れるのかな?

んー。



わーん。。。

戻れないよ…


呪文とかも知らないし。


ダラさんーーー!!!


半泣きの俺が訴えると。

ダラさんまで、蒼白な顔色とは…。



ええーーー!!

オヤジは居ないし。

どうしたら。。


「あの。

よくは分からないのですが、頭の上の葉を取ったらどうでしょうか?」



これかぁーーーーー!!!!!



バフン!!!


はぁ、元に戻りました。


ダラさんのお知り合い。

やりますなぁ。



ダラさんより頼りになります!!


ん?

めっちゃ笑ってる?


ダラさんが俺を指差して驚いてるけど。

何?



「お前…その姿…」



あーーー!!!



光るたぬきに変身しちゃった…。


ど、ど、どうしよう。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です(^_^ゞ セイラちゃん6歳。 幸いお嫁さん候補から外れたが、もう少し背が高かったらオヤジさんの社会的立場が崩壊していたかもしれない(笑) [一言] 結果的に上手く王宮内の…
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