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オヤジ救出作戦?!

頑強な牢屋。


念入りなジャンセに、ため息が出る。

元々、執着心の強い奴だと思っていたがこんな所にも名誉に対する執着心が垣間見える。


余程、真実が明るみに出るのが怖いのか。


『葉っぱ』の服の持つパワーは、徐々にしか上がってこない。

脱出する為の魔力として使えるようになるまで、かなり時間がかかるだろう。


その間にも、ブレスレットを外そうとするが火傷ような痛みが走るばかりでビクともしない。

不味い。


先程、失った魔力のせいで眠気が強くて…!!



「やはり、油断が出来ないと申し上げた通りですね。本来なら、倒れて動けないはず。

彼は、特別なのですよ。

まぁ、

良くも悪くも…」


声のする方を見れば、ジャンセだった。

相変わらずの、柔らかな笑顔は周りの者達を惹きつけて止まないようだな。


しかし、大臣以下側近の勢揃いでの現状はかなり不利だ。


「こんな奴。

貴方が気にされる事もない。

貴方や仲間たちを見捨てるなど…。

我々は彼の恥晒しの所業を忘れていません!!


そうだ。

これから王のところへ奴を連れて行き処断するべきでしょう!!」


あれは、ジャンセの後援会の一人だな。

とにかく、奴の笑顔にゾッコンで昔から俺を敵視してたな。


しかし。

まともだった大臣達まで、あの目線とは…。

俺の代名詞は未だ変わらずなのだな。


「申し訳ない。

私もリーダーとしての責任を一緒に負って参ります。

皆様、どうか私も罰してください!!」


頭を下げるジャンセに感激した人々が声を上げる。


「そんな事を言わないでください!!

英雄であるジャンセ殿に何の罪が。。。

コイツの罪は、コイツだけもの。

さぁ、皆さん。

早くコヤツを罰しましょう。そうでなくば、ジャンセ殿がいつまでも気に病まれ気の毒の限りです。

私は悔しくて。。。くぅ。。」


く、臭い。

あまりに臭いストーリー展開だ。


ジャンセ…時間がなかったのか?

こんな三文芝居とは…。

お前ほどの策略家がな…。

そうか。

俺の名を聞いて戦慄してのはお前なのだな。


そう思うと引きづられながらも、何故か怒りでなく哀れが募る。


馬鹿な奴だ。。。


しかし、このままでは俺もお終いだ。

どうすれば…。


その時、幻聴が聞こえてきた。


『オヤジ。

大丈夫だよ。オヤジを虐める奴らからちゃんと助けるから。

それにココは男だらけで、ちっとも良くないから!!』



相変わらず何の事か分からない。

そんな所まできっちりしている幻聴とは…俺も焼きが回ったな。。。



ん?



アレは。。。。



ーたぬき視点ー



豆狸になって、ダラさんと王宮へ向かってる。



と、言われたけど。


アレはドッキリ企画だと思う。

だって、景色は変わってないから。

俺は騙されないぞぉ。


ほら。

周りの草原はそのままなんだよ?!


ククク。

たぬきを舐めちゃダメだよ。



その上、待ち時間が長過ぎる。

仕込みは、ちゃんとやってから俺を連れて来てね。

ダラさんは、これだからな!


でも、暇って良いなぁ。

だって。。。

世紀の大発見をしたんだよ!!


草むらの中に光る石を見つけたんだよ。

これって変身したからだよな。

そう、思うと豆狸も中々良いものかも!!


しかしダラさん中々来ないなあ。

もう、石も大量に拾ってやる事もない。

ふぅ。


!!!


オヤジ?!


呼んでる。

オヤジを誰か虐めてるのか?!



ダラさんを俺が探さなきゃ…あ、いた!!


「パパラヌ。

詫びは後だ!!

とにかく、急がなきゃ間に合わない!!」



ダラさんのポケットに詰め込まれて。


ゆ、揺れる!!



必死にしがみ付いていたら、ピタリとダラさんが止まった。


「お待ち下さい。

今は、入室は許されません。

例えダーラント様と言えど許されません」


ダラさんの前に誰か立ちはだかっていた。

でも。

ダラさんは全く気にせず力づくで前に進む。


バタン!!!



扉は開け放たれ、ダラさんは前へ迷いなく進む。


「ダーラント。

何の許しもなくこの場は来るなどと。例え弟であってもこの場では関係ない!!

下がれ!!」


あーーー!!!!


アレはオヤジ?!

取り囲まれているじゃん!!



ち、近づけないな。

ダラさんは、口喧嘩してるし!!

(兄弟喧嘩は後にすればいいのに…)


良し!!

こうなれば、またもや変身しかない。


やるぞーー!



ポン。



ん?



ポンポンポン…ポンポンポン…!!!


しまった。

またもや、更に小型化しちゃったよ。



でも…まぁ、良いか。

増えたものなぁ。。


そう。

俺、増加しました。


いっぱぁーーいのたぬき。

(いっぱぁーーいの俺とも言う!)



とにかく、オヤジの救出だぁ!!



ぎゃぁ!


ふ、踏まれるかと思った。


こりゃダメだ。

沢山の人間がいたんだった。

このままじゃ踏まれちゃうよ。

どうしたら。



!!


そうだ。

この光る石を頭の上に掲げて歩けば、大丈夫だな。

いい案だ。


おお!


何故か道が出来たぞぉ!


オヤジまで一走りだな。

よっしゃ!!



オヤジの周りを取り囲むと、オヤジが最高の笑顔でコッチを見た。気がついたのか?


ええーー!!

オヤジまで光った?


うーん。

コスプレでも、光る衣装はオヤジには似合わないと思うゾ!!




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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です(^_^ゞ たぬきくんのオヤジさん救出劇開始! オヤジさんの窮地に颯爽と現れ……、いや違うな。 わらわらと“豆たぬきくんの群れ”が現れて救助してくれる。 …………たぬきくん…
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