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たぬきの本領発揮?!

リリ!!


見た事のない場所でリリと二人きり。

でも…リリの顔色は段々と悪化するし。


声も段々小さくなって、聞こえにくいな…。


とにかく、オヤジのところへ帰らなきゃ!

あの服はパーティー用だから、試着のみにして欲しいんだ。

だってさ、女子って意外性とか、普段と違うスタイルとかにキュンと来る生き物だろ?


秘密にも弱いよな。

だからこそ、内緒で頼みたいんだ。


リリ…。

何でこんな場所に。。!!!



あー。分かったぞ!

そうか。


仲良しになったのにリリにプレゼント一つ無いのはな…。

うーん。


オヤジ専用のファッションリーダーだけど、オヤジの家族であるリリだ。

よし!!


奮発してコレだ!!


葉っぱとセットで取れた蔦。

まぁ、首飾りにしようと編んだけど失敗したのをブレスレットにしたんだ。


リリなら、細いから入るかなぁ。

うーん。


あ、このブレスレットが邪魔して入らない。

ちょっと外すよ!


聞こえてるかなぁ。

さっきから、目を閉じて黙り込んでるから。


さぁ、どうかな…!!



何??


リリ??


抱きしめるって…そんなに気に入ったの?


フフフ。

まぁ、いつもお酒の仕込みとか手伝ってくれるから。


「パパラヌ。

ありがとうよ。

お前さんには分かるまいが、わたしゃ本当の年齢は見た目と違うんだよ。

ゼルグフと違って、魔力を奪われたら…ね。

。。。

転移して終わりかと覚悟したんだけど、ま、これもまた運命かねぇ」



!!


長すぎるリリのお礼の途中で、微かに声がしたんだ。


たぶん、オヤジだよ。


「そうかい。アンタにゃ聞こえてるんだね。

あの服を着せたから最悪の事態は避けされただろうけど相手はあのジャンセだから油断は禁物だ。

痛い目を見るのは一度で沢山だよ。

でも、あのブレスレットが相手では…」


何!!

オヤジが虐められてるのか?


分かった。


嫉妬だな。

俺がオヤジをカッコ良くしたからか?



よし!!


今こそ、たぬきの本領発揮する時だ!!


前から思ってたんだよ。


たぬき=変身


だよな!


葉っぱを頭に乗せてドロンとする。

これが正統流のたぬきというモノだろう。


「リリ!!

今、変身して行ってくるよ!!」



何故か口を開けて固まってるリリの横で真剣に取り組む。



むむむ。

集中して…やれば出来る!!


(やった事ないけど)


ボフンンーーー!!!!!




煙が上がって、予定通りに…??


アレ?


リリが消えたぞ?


しかも、草原が森に変身してる??



何だ?

もしかして、自分でなく周りが変身したのか?


わーーー!!!


空から何かが襲って来るーー!!


ひぃーーーー!!



ん?


大きな目玉が覗いてる?


『パパラヌ!!

アンタ縮んでるんだよ!!』



ええええーーーーーー!!!!!



この暖かい肌色の敷物は、リリの手?

じゃあ、覗いてる巨人の目はリリの目なのか!!



し、しまった…。


変身するのはいいけど、何になるか考えなかったからか?



コレ…。

役に立つのかなぁ。。



ーダーラント視点ー


不味い。

カラにさえ手を出すとは。


騎士団は命令に従う義務がある。

今の将軍職に就いているのは、恐らくジャンセの息がかかった者だろう。


国の根幹を揺るがし兼ねない。


兄者…。


国を滅ぼすつもりなのか…。

『聖者の塔』の裁きの前に、こんな事を…。


奴の家はめちゃくちゃにされていた。

踏み荒らした後や、破壊されたモノたち。

ギルドのロナが王宮に馳せ参じたと聞いているが、今の王宮に聞く耳のある者がいるかどうか…。


あのブレスレットでは数日しか持つまい。

裁きの前に片をつけるのが、奴の思惑。

そう分かっても、打つ手が見つからないとは…。



せめて、あの王宮に潜り込めたら…。


は!!

リリラル様?!


手招きするリリラル様の元へ行けば…。


「大丈夫だよ。不意打ちでなければやられる私じゃないよ。

まぁ、強気もこのブレスレットのおかけだけどね。

ま、無駄口もこれくらいにするかね。


あの子には、暫しの余裕があるようにしたけど。

まだ、助力が必要なんだ。

そこでアンタに頼みたい」


リリラル様の無事な姿にホッとするもパパラヌの姿は無い。

まさか…捕らえられもう…。

特別な…特にゼルグフにとり特別なパパラヌなのに。


酷いな。幻聴さえ聞こえるとは…。

俺もアイツが結構好きだったのかもな。


ん?


『だから!!

ココだよ。もう、ダラさんは鈍いな!!』


リリラル様の手のひらに小粒ほどになったパパラヌが。。。


「分かったかい?

これなら王宮へ潜り込めるだろ。


頼めるかい?」


僅かに刺した希望の光。

手のひらで、怒っているパパラヌをグリグリと撫ぜつける。


ゼルグフ…お前さんのパパラヌは最強だそ?!

俺は久しぶりにニヤリと笑った。


そして、リリラル様に大きく頷いた…。





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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です(^_^ゞ たぬきくん一人だけ事態を把握してないのに、結果として行動の全てに措いて最適解を導き出す辺り、彼のlack値は半端じゃなく高いですよね! [気になる点] 文体に疑…
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