リガリの花!!ー髪は大切に!!ー
カラの身長の単位を直しました。
気をつけて参ります。
宜しくお願いします。
目が覚めると、いつものモフモフ寝床だった。
は!!
あの世紀末的な戦いの行方は…!!
急いでオヤジを探す。
今、オヤジの寝室の隅に寝床がある。
どうやら、暖房費の節約らしい…。
暖炉は、いつも赤々と燃えているからな。
さてと。
探し回るつもりが、あっさり見つかった。
台所?
「お?タヌキ朝ごはんが出来たぞ!」
いや、オヤジよ。
この状況でお腹の減る人がいたら、知りたいよ。
何…コレ?
オヤジの腰蓑が出来てるんだけど。
何者?
「あー。カラだ。
ほら、昨日の巨人族だよ」
ええーー!!
このちびっ子が?!
あの3mの大男が?!
「コイツらの種族の、特に王族にのみある能力さ!
身体の大きさを変化させられるんだ。
本来の大きさは3mだよ。
一応…まぁ。。。
一応『聖者の塔』の使いだから、半殺しの手前までにしておいたさ。
全く…『聖者の塔』も何を考えてるやら…」
物凄く不本意そうなリリ。
それに比べて、驚く俺をよそに物凄く元気そうな半殺し手前まで喰らったはずのカラ。
ん?
二人のやり取りに全く無関心だったオヤジの熱い視線を感じるけど。何?
俺の手のひらかな。
あ!血が出てる…。
何でだ?
えーと。。あ、そうか。
「オヤジよ、心配無用だ!
擦り傷など、男の勲章だから。
え?
怪我した理由…うーん」
コレ…理由話すまで許させれない系かぁ。
目線が外れないし…。
仕方ない。半分だけ話せば理解してくれるよな?
「花摘みした。
ほら、リガリの花だ」
刺の多いリガリの花は、美しさでトップクラス。
しかも、雪化粧の中に咲くから目立つんだ。
でも、実は取ってたのはその実。
実から取れる油狙いだ!!
ほら、アレだ。
椿油と同じだよ!!目的もな…。
なんたって、髪は男の命って言うだろ!
だから、艶出しのために…、
え?
ハゲてないから!!
本当に、つ、艶出しだから!!
まぁ…ボサボサ過ぎてホントのところは不明だけど。
やっぱ、嫁は気にするだろ?
(まだ、候補しか居ないけど…)
オヤジが手のひらを眺めて、手当てをしようとしたその時!!
巨大化!!
オヤジの倍ほどの大きさになったカラがオヤジと俺に詰め寄る?!
「ゼルグフ様。
これはいったい何者です?
リガリと言えば、魔花。
単なるパパラヌが、魔花を…」
あ!
カラの氷の彫像が出来たぞ!!
「いいか。
タヌキ…いやパパラヌの事を詮索するならば、「聖者の塔』の使いと言えど、即座に追い出す。
覚えておけ!」
リリが珍しく仲裁に入るよ。
「ゼルグフ。その辺にしときな。
お前さんの今の魔力じゃ、この氷は解けやしないさ。
パパラヌ。リガリの花の周りには、魔獣がいる事があるから気をつけるんだよ。
出来りゃ、あたしも誘ってな…」
なんと。
そんなにお金が欲しかったのか…。
それなら、リガリの密集地帯を教えようっと。
俺の秘密の場所だけど!!
「ゼルグフよ。
パパラヌは、こういう奴だ。
お前さんの守護魔法くらいじゃ危ないねぇ。
おや?それは…」
オヤジが懐から取り出したのは。石?
首輪の辺りにカチッとつけたけど、チャームポイントか?
やるな…オヤジよ。
ファッションリーダーとしても合格だよ。
オヤジの瞳の色に合わせる。
そのニクイ演出…。
よし!!
嫁の来る日も近いな!!
「アンタそれ…」
石を見たリリが呆れていたのも。
氷から解き放たれたカラが、驚愕の表情だったのも。
もちろん、オヤジの満足そうな笑顔も石に夢中のたぬきは、気がつかず…。
その夜…深夜寝静まったゼルグフの部屋に動く影あり!!
薄目のオヤジが見たものは…。
ギラギラした手で、髪を撫で回すタヌキだった。
(タヌキ…謎過ぎる…)
心の呟きと共に、夜は更けてゆく…