ファションリーダーたぬき参上!!
漸くだ。
『服屋ガザラン』
オヤジがさ、オヤジなのは仕方ない。
だけど若さだけが、男の武器じゃ無い!!(はず…)
今回は、俺自らファションリーダーとしての技量を見せる時だ。
選ぶぞーー!!
男をより良く見せるには、
まず
①伝統的衣装
②制服
③素足に直接靴
この3つを抑えればバッチリだ。
魔法使いと言えば。
ローブ。
アレをオヤジに羽織らせて。
無い??
まさかの定番魔法使い衣装が、欠品とは。
ダメじゃ無いか!!
ん?
魔法使いと言えばオススメがありますと。
ブーツね。
ま。それも定番だけど…何コレ?
長い…恐らくオヤジの太もも全部隠れるよ?!
もう。それはズボンの領域じゃ…
ええーー!!
魔法使いはこれに、ボレロ?
うーん。。
何か違うな。
「じゃあ、どの様な衣装か教えて下さい」
丁寧な店員は、俺の詳しい話を聞きたがる。
まあ、良いだろう。
オートクチュールという手もあるな。
それから、俺は必死に話した。
そりゃ絵を描きたいけど、たぬきには、ね!
男は、金のネックレス。
素足に靴。
そして、パンチパーマ??
何の事だ?
しまった。
話が逸れたよ。
出来るだけで詳しく話したよ。
もちろん、魔法使いの衣装も。
伝統的衣装もね(重ねるタイプで胸の前で交差するよ。そしてお腹を平たい紐で縛るんだ!)と。
リリさんが、補足説明をしてくれるからバッチリだろう。
店員の熱心さに負けてだいぶ話し込んだ。
オヤジは、珍しくダラさんと話し合っていたからな。
3日後に取りに来ると約束して、家に戻る。
リリさんとは、途中で別れたよ。
寄るところがあるらしい…。
オヤジは知ってるらしく。
「程々にしておいて下さいね。
これ以上のタヌキへの迷惑だと、お帰り願いますよ!」
ええーー!!
大丈夫だよ。
実はリリさんに頼み事したんだから…コッソリ。
ーリリラル視点ー
パパラヌが突然、頼み事をしに来た。
何だろうと思えば。
「お金を稼ぎたい!」と。
どうやら欲しい物があるが、ゼルグフには内緒にしたいらしい。まぁ、コイツの事だ。
また、おかしな事を考えているのだろう。
こちらとしても、渡りに船だからな。
翌日、服屋の後ゼルグフ達と別れた私はそのまま、ある店の戸を叩いた。
あ!言っておくけどブーラカ村の店じゃない。
王都の酒屋だ。
酒に目のない私は、幾度となくこの店を訪れてまとめ買いしたせいか歓待される事が多い。
「久しぶりだね。
今日は、アンタに話があってきたんだ。
奥の部屋を貸してくれないか?」
店主と会うなり聞けば、あっさりOKが出た。
ま、鼻の効く店主だからね。
だからこそ、大店になれたんだけどね。
「お話と言うのは?」
と、目を輝かせて聞く店主にドンッと2瓶を出した。
「まあ、飲んでみな。
話はそれからだ!!」
怪訝そうな店主の顔に、たちまち赤みが差す。
パパラヌレシピで私が作った酒さ。
どうだい?
喰いついたかな?
「リリラル様。
貴方様は、平素より沢山のお買い上げを頂く大切なお得意様です。
ですが、今日ほど感謝の意をお示ししたい事はありません。
正直売買するしないより。
コレを飲めたその事だけで幸せな気分になります」
幸せな気分…。
この商人に、パパラヌ自身が作った薬酒の方の方を飲んだら何と言うだろうか。
あのパパラヌのレシピ。
まぁ、話の半分はよく分からない話だが。
面白いモノばかりだ。
買取の話は、スンナリいった。
まぁ、当然だろう。
パパラヌは恐らく服屋の買い物代を払いたいのだろう。パパラヌよ。
お酒は、高額買取だよ!!
買取価格は、服の30000倍。
あの服とて、安くは無い。
でもね、あの服はどうだろう?
聞いた事もない服になるだろうけど。
後は服屋のセンスに縋るしかないね。
とにかく、売り先は決まった。
これでパパラヌの酒作りにも力が入るよ!!
シャンパンとか言うのを作りたいらしいから。
なんでも、パーティーには欠かせないんだとか。
前から思ってたけど、パーティーってなんだい?