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ロナにお断り?!…たぬきより

心の底から燃え上がるこの気持ち。


俺は、ついに出会ったんだ。

いや、オヤジの嫁さんじゃないよ?


『ラーメン』だよ!!


え?

それを(嫁を)探してたんじゃないかって?


そうなんだけど、目の前の丼しか目に入らないんだ。たぬきの何かを虜にするものが入ってるのか?


うまっーーーーー!!!!


沁み入るスープのコク。

麺は、少し腰が足りないけど汁に絡んで美味い!!


オヤジを見ると…あれ?

食べてない??


あーー!!!

ロナさんと見つめあってるじゃん。


何だよ。

もしかして二人は既に…


「タヌキよ。

あんまりの誤解だ。


コイツがタヌキを狙ってるんだ。

だから、危険なんだぞ!」


ええー!!!

まさかの俺狙い??


たぬき好きも女性らしさだけどそのアピールなんか違うから!!

やっぱり、ロナさんには少し違和感が…。


「ロナさん。

さすがその筋の関係者らしく、迫力満点だね。

ただ、俺はオヤジには戦闘的な家庭は向かないと思うんだ」


え?

大笑い??


ははーん。

図星か?


たぬき好きは、やっぱりオヤジ狙いを隠す為のダシだね。

ただ、あの迫力はオヤジには無理だよ。


ほら。

押されて食欲まで減少してる。


オヤジは、繊細なんだ。


ん?


「やめてくれーー!!!

笑い死ぬから。

なんちゅー生き物を飼ってるのよ!


時折、奇想天外かと思えば物事の本質を見抜くとは。それをゼルグフの事を真から理解している証拠かもね。


王都の奴らが聞いたら、ゼルグフが繊細だと言えば必ずドン引くもの。

でも、アンタの本当の知り合いならそうは言わないものね。


それにしても、良い生き物を飼ったわね。

今日のところはこのパパラヌに免じて引く事にするわ。

でもね、私は諦めないわよ!!」


ロナさんは諦めてくれた…んだよな??

そのまま、ドアから颯爽と出て行くあたりやはりアネサンのカッコよさだな。


ほら、ロナさんが帰ったからおかげでやっと、伸びた麺をオヤジが啜り始めたよ。


あの麺を食べないなんてあり得ない!!

って言ったら…なんと!!



「タヌキよ。これなら俺にも作れる。

買って帰るか?」



オヤジよーーーー!!!!


頑張るから。

俺が絶対、素晴らしい人を見つけるから頼みます!!


麺を。

ラーメンを。。。


でも。

それがいけなかったんだ。

暴走したオヤジが麺だけじゃなく、竈やら壺やらスイーツやら。


大量買いしてるよ。

どんなに止めても聞かないんだよ。、


しかも。

服屋で買ったのは、オヤジの持ってる服と全く同じタイプばかり買い込むし!!(色違いだけどね)

更には小さな子供服…?!


オヤジ…まさかそんなに(先まで)夢見てたなんて。

知らなかったよ…。



ラーメンにうつつを抜かしている場合じゃないぞ!

明日から、婚活パーティーに向けて頑張るぞーー!



ーオヤジ視点ー


ロナめ。


情報網は伊達ではない。

俺の居場所など、筒抜けだろう。

だとすれば、タヌキをどう思っているか承知の上でのチョッカイか。


あー。やっぱり苦手そのものだ。


巨竜螢雷を見つけた時から、奴との縁が再び生まれると思っていたが。


はぁ。面倒だ。



ん?

麺を食べ終わったタヌキが、ロナに何を?


俺をまさかの繊細とは。

しかも、戦闘的な家庭は向かないとは。


過去を思えば苦笑いが出るが少し嬉しい気にもなる。そんな風に俺を表現する人間は一人もいないから。あ!そうかパパラヌだものな。


ふふふ。


少し笑いが込み上げると…ロナのあの表情。

そんなに驚くとは、少し胸がすく。


いつも手のひらの上だからな。



麺を食べ、急いで買い物を済ませた。

服屋に拘るタヌキに、子供服を買ってみたがパパラヌに服は必要なのだろうか?



それでも、少しだけ買い物が楽しかったのは初めての事だ。


誰かとする買い物。



そんな日が俺に来るとは、あの日には思いもしなかった…。



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