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『群れ』との対決!

オヤジは、何と料理の天才だった!!


あぁ、オニギリ…。



見た時の感動で、思わず握りしめて手を高く上げてしまった。。

こんなに感動するとは、思わなかった。


嬉しさで、ついうっかり全部食べちゃうところだった。いけない、いけない。

目的を失いそうな魔力を秘めた『オニギリ』。


コレならば、きっとあの棒だって一辺で治るな。

うんうん。


オヤジがお風呂の間にミッションコンプリート。



翌朝。ちゃんと早起きしたのにオヤジの姿が無い?!

狩りの日は、普段は日が昇ってからだから。

いったい何処へ?


家を出て探しに行こうとして、オヤジ二号・三号が並んで立ってたぞ?!


「あ、オヤジはお出かけだから。

何処に行ったかは知らないんだよ」と答えると…。


すると、ダラさんが。


「分かってるから、大丈夫だよ。なんて言うか…。うーん、待ち合わせしてる?んだよ」


ジト。

信用ならないな。


何で疑問形なんだ?


あ!オヤジ!!


オヤジが棒を振り回してるぞ?!



そうか、そんなに嬉しかったんだな。

ヨシヨシ。

恩返しミッションの成功がしみじみ胸に染みるぜ!


次も頑張るゾ!


あ、お客様?

オヤジ二号・三号ですけど。いいのか?


珍しい…。オヤジがお客様としてダラさんとオヤジ三号を招き入れるとは。


さっそく、お招きスキルのないオヤジに変わって、接待、接待。


その後は、三人でお出掛けした。

なんか、一緒に狩りをするらしい。


なんだよ。

ホントは、仲良しじゃん!!


三人の帰る前に、たぬきの料理スキルを見せつけるかぁ。



ーダーラント視点ー


『ゲランバの森』に『群れ』が出た。


その一報は、ギルド全体を大揺れにしていた。

俺と言えば、たまたまガイを下ろしに行ってその場面に遭遇したのだ。


『群れ』


どの魔物かはわからないが、相手はあの森だ。

そんじょそこらの魔物ではないだろう。

もし、本当ならこんな街は一瞬で木っ端微塵だ。

だとすれば、アイツが動く。

捻くれていても、人を見捨てられない奴だから。


それに…。

もしかしたら、少し事態が変わるかもしれない。

そう思って、奴の家へ向かおうとすると後ろに嫌なヤツが。


「もしかして、ゼルグフ様のところへ押しかけるつもりですか?」


相変わらずだな。コイツも。


「お前なぁ。俺は既に辞めた身だよ。

いいだろうよ。何をしようと誰にも文句は言わせないよ」


ため息とは、生意気な!


「お辞めになったと思っているのは、貴方だけですよ。まあ、いいでしょう。

これ以上、あの方を利用するつもりでなければ」


あー、言い争いしてる場合じゃないな。


「とにかく、奴の加勢に行くぞ。

あの魔法棒だ。『群れ』となると奴ひとりでは無理だ。お前も騎士団のひとりだ。

街を守れよ」


苦々しい顔で頷いたザルゼを連れて奴の家へ行くと、驚いた事に中へと招かれた。


「『群れ』だ。前線はダーラント。後方支援をザルゼ。そして、その他は俺に任せろ!」

即座にその言葉を出るのを見ると、かなり切羽詰まってるんだな。俺にも、焦りが滲む。

久しぶりの実戦だ。



その配置に少し不安を持ちつつも、ザルゼに目配せをした。不味い状況になったら、昔と同じように無理して突っ込む奴のフォローを頼んだつもりだ…ザルゼも分かっただろう。


たぬきに留守番を頼んで奴の『転移』で森へと飛んだ。



この状況は…囲まれた。



マジか。


最悪の状況だった。

大熊豚の『群れ』

群れの何が不味いって。最上級を作り出す事だ。


極大熊豚(ビックオーブイ)

少なくとも3匹はいる。

コイツら一匹で、騎士団一隊必要だ。


なのに…。


更に大鰐の最上級も三匹いた。


極大鰐(ビックガイ)

コイツらなんて、一匹で街ひとつ全滅だろう。


不味いな。

背中から大剣を抜いて構えても勝機が見えない。


せめて、奴が最盛期なら。

いや、せめて魔法棒が無事なら…。


言うに言えないボヤキを胸に秘めて、前へ飛び出す!!

斬り込みをかけて大熊豚を数匹を、ひと凪で仕留める。あー、これでも間に合わないじゃん。

どうする?!


後方支援のザルゼのところにも極大鰐二匹と向き合っていて余裕は無い。

このままじゃ…撤退も視野に…。


その時だ。



『我が魔力、地を埋め尽くし空を焦がし敵を殲滅せよ!』


お前…そんな大技にヒビ入りの魔法棒が耐えらる訳は無いだろ!!、

そのままじゃ…。


魔力切れが何を齎すか俺もザルゼも嫌ってほど知ってる。

だから、焦った表情のザルゼを見てお互いに目を見張ったのだ。


それなのに…。



何が。

いったい、何が起こったのだ?!


埋め尽くす火。

その威力は原始の力にも似て エゲツない力で周りを蹂躙する。


息を飲んだその一瞬で勝敗は定まった。


ゼルグフの一人勝ち。



しかし、あの棒。

何か気配が違うような…。


何食わぬ顔で奴は、サッサと魔石を拾って帰る。

本体は消し炭だからな。



出迎えは、もちろんパパラヌ。


ん?

焦げ臭い…。



暖炉の中で何かが消し炭の気配が…。


コイツら似た者同士か?!




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